MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【熱中症】自分でできる予防と対策 水分補給のコツと再発防止のための生活習慣

【熱中症】自分でできる予防と対策 水分補給のコツと再発防止のための生活習慣

熱中症になったら、すぐに症状が回復してもしばらくは休養する必要があります。無理をすると、再発する可能性もあるので1週間は体力回復のため安静を心がけてください。体力が十分回復したら、熱中症を再発させないために、生活習慣を見直しましょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)

解説者のプロフィール

大澤直人
2011年高知大学医学部卒業。
高知大学医学部附属病院老年病・循環器内科医師。
PADIスキューバダイビングインストラクター。
高知スクーバ・ダイビング安全対策協議会理事。

熱中症対策はいつからはじめたらいいでしょうか?

大澤:
熱中症は高温多湿、風のない環境下で発症します。
近年、地球温暖化や、都市部のヒートアイランドといった気象異常が起き、昔より、気温が高くなる日が多くなっています。

また、梅雨の合間でも、気温が上昇し、湿度も高いような日があります。
梅雨が始まる前から、暑さに体を慣らし、熱中症を予防する生活を心がけることが大切です。

自分でできる予防はあるのでしょうか

大澤:
私たちの日常生活の中での注意や工夫で熱中症の予防はできます。

たとえば、服装です。
男性は、ネクタイを外し、ゆったりとした通気性のいい服装をすることが、熱中症の予防にも効果的です。
女性の場合は、肌を締め付けすぎない服装や、通気性のいい素材を選ぶといいでしょう。

また、こまめな水分補給や規則正しい食事、体温を調節する機能を高めるための軽い運動習慣を心がけるといいでしょう。

熱中症予防の水分補給はどのようなものを選べばいいでしょうか

大澤:
熱中症予防の1つとして「水分補給をしっかりと行う」ことが大切です。熱中症は汗を大量にかいて、水分や塩分(ナトリウム)が失われることで引き起こされますので、この「水分補給」は、実は水分だけを補給するのではいけません。塩分が含まれる経口補水液やスポーツドリンクなどを選ぶようにしましょう。

また、水だけを摂取すると血中のナトリウム濃度が低下して、熱けいれんを引き起こすことがあります。水だけを摂取せず、塩分を含む食品も一緒にとるといいでしょう。

カフェインを含むコーヒーや、緑茶は利尿作用があるため熱中症の予防としては不向きです。

アルコールも、摂取した量以上の利尿作用がありますので脱水を招く原因になります。
お酒を飲むときは水分も一緒に飲むといった工夫をするといいでしょう。

次に、飲み方についても注意が必要です。

スポーツ時にこまめに水分補給をすることはもちろん、入浴の前後、就寝前など、汗をかく時には、意識して水分補給をおこなう必要があります。
何もしなくても、汗などで1日1,000ccもの水分を失っており、特に気温が高いような日は、自分でも意識してないうちに汗をかき、軽い脱水症状を起こすことがあります。
喉が渇いてからではなく、渇く前から水分を補給するよう意識してください。

エアコンなどの空調の使い方のコツはありますか?

大澤:
「エアコンは体に悪い」「エアコンが苦手」と考える方も多いでしょう。

だからといって、気温が高い日に我慢をして暑い中で日常生活を送っていると熱中症を引き起こす原因になりかねません。
室温は28度を目安とし、設定温度を低くしすぎないことが重要です。

特に24度を下回ると皮膚表面の血管が収縮し、体内の熱が放散されにくくなるので気をつけましょう。
暑いと感じたり、肌寒いような場合はこまめに温度調節を行いましょう。

また、エアコンの冷たい風が体に直接当たらないよう風向きなどを工夫しましょう。

扇風機やサーキュレーターとの併用もおすすめです。
冷たい空気は下にたまるので、空気を循環させることで足元が寒くなりすぎるということも避けることができます

熱中症の症状が落ち着いたら、気を付けることはありますか?

大澤:
熱中症になったら、すぐに症状が回復してもしばらくは休養する必要があります。

無理をすると、再発する可能性もあるので1週間は体力回復のため安静を心がけてください。
体力が十分回復したら、熱中症を再発させないために、生活習慣を見直しましょう。

熱中症を再発させない食事の仕方はありますか?

大澤:
熱中症を再発させない体作りのために、3食決まった時間に食事を取るようにしましょう。

暑い日は、食欲が落ち、偏った食事で栄養不足に陥りがちです。
疲労を回復する効果のある豚肉や魚、卵などのたんぱく質をしっかりと取り、野菜や果物も積極的にとりましょう。

さまざまな食品から栄養をまんべんなくとることで、再発予防だけでなく病後の早期回復も期待もできます。

熱中症にならない部屋作りのポイントはありますか?

大澤:
熱中症は、炎天下の屋外だけでなく、屋内でも発症します。

エアコンを使用し部屋の温度が高温にならないよう気をつけましょう。
特に室温が28度を超えたらエアコンをつけましょう。

直射日光があたるような窓がある場合、遮光カーテンやすだれを取り付けてください。また、換気をよくするため窓をあけて空気の流れを作り通気性を高めることも重要です。

雨の日などで蒸し暑い場合は、扇風機やサーキュレーターを使用し、空気の循環をよくするのもおすすめです。

熱中症の再発防止のためにどのような運動をすればいいでしょうか

大澤:
熱中症を起こしやすいのは、体温の調節や発汗が上手く機能しない人です。日ごろから体を動かして気温の変化に対応できる体作りを行いましょう。
梅雨に入る前から暑さに対応できるよう体を慣らしていくことは熱中症予防にもつながります。

私のおすすめは、ウォーキングなどの軽い運動です。
気温が上がらない朝や夕方などの時間帯に30分ほど歩くことを習慣づけると、汗をかきやすい体質に変わってくるのが実感できるとおもいます。

外出の際は、日差しが強いところを避けて歩いたり、帽子や日傘といった日差しを避けるアイテムを着用することも有効です。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連するキーワード
関連記事
症状の原因ははっきりとはわかりませんが人工透析を行う人には老若男女問わずよく現れるものです。これに薬で対応しようとすると体にもっと大きな負担がかかってしまいますし、副作用も心配です。少しでも患者さんの体に負担をかけずに症状をやわらげるのに「手のひら押し」が有効だと思っています。【解説】佐藤孝彦(浦安駅前クリニック院長)
更新: 2019-04-05 10:20:35
東洋医学には五行思想というものがあり、人の体に起きるあらゆることは五臓につながっていると考えられています。涙がすぐに出るのは、「憂い、悲しむ」感情からです。 これは、五臓の中の「肺」の弱りから発する感情です。肺が弱い体質、もしくは肺が弱っているのかもしれません。【解説】田中勝(田中鍼灸指圧治療院院長)
更新: 2019-04-05 10:21:05
手のひら押しのよいところは、いつでもどこでも自分でできて、効果がその場でわかることです。悪いところは手のひらに表れており、そこを押せば、その刺激が手から末梢神経を通り、脊椎を介して、対応する器官や臓器に届きます。それが、全身の回復につながります。【解説】足利仁(手のひらデトックス協会代表理事)
更新: 2019-01-29 18:00:00
2018年3月、腰椎椎間板ヘルニアの症状を注射により軽減する、日本発で世界初の薬剤がついに承認されました。5月には保険適用となり、8月から学会指導医のいる病院で治療を受けられるようになったのです。その薬が「コンドリアーゼ」です。【解説】松山幸弘(浜松医科大学整形外科学教授)【取材】山本太郎(医療ジャーナリスト)
更新: 2019-05-08 13:48:43
テレビでは飲料水メーカー各社によるアスリートを起用した炭酸水のCMがさかんに流れています。この夏にはNHKの『あさイチ』でも炭酸水の特集が組まれ話題沸騰。炭酸水はいまや一大ブームなのです。消費者の健康志向や自然志向がより高まったことで、支持を集めているのでしょう。【レポート】土橋彩梨紗(美容健康ジャーナリスト)
更新: 2019-01-22 18:00:00
最新記事
私は、これまで40年以上、タマネギをはじめとする、ネギ属の機能性成分を研究してきました。そこでタマネギには、確かに血液をサラサラにする働きがあるということが明らかになったのです。【解説】西村弘行(北翔大学・北翔大学短期大学部学長/東海大学名誉教授)
更新: 2019-05-22 18:00:00
見たいものにピントを合わせる「目の調節力」は25歳を過ぎる頃からどんどん低下し、30代後半から近くが見えづらくなる老眼になってきます。目の疲れや調節力の低下を改善するためにお勧めなのが、目の周囲を温める「温熱療法」です。私は、温熱療法の効果を多くの実験で確認しています。【解説】高橋洋子(みたにアイクリニック院長)
更新: 2019-05-21 18:00:00
「脊柱管狭窄症」「椎間板ヘルニア」などの改善のために行われる従来の脊椎手術は体への負担が大きく、後遺症が生じることもあります。そうした中、後遺症をほとんど残さない、新たな手術法が注目されています。【解説】白石健(東京歯科大学市川総合病院整形外科教授)【取材】山本太郎(医療ジャーナリスト)
更新: 2019-05-20 18:00:00
頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、耳鳴り、めまい、うつ、眼瞼けいれん、味覚障害、高血圧、逆流性食道炎──。一見、脈絡なく感じられるこれらの症状は、実は「食いしばり」が元凶となって起こっているという共通点があります。患者さんたちに、私は「10秒、口を開けるくせをつけてください」とアドバイスをしています。【解説】吉野敏明(誠敬会クリニック銀座院長)
更新: 2019-05-19 18:00:00
慢性的なひざ痛の原因はさまざまですが、なかなか完治しにくい上、少し無理をすると痛みがぶり返すので、かなり厄介です。今回ご紹介する「ひざと足の裏の温冷・温温湿布」は、慢性的なひざ痛に対して、自宅で簡単に痛みを解消することができる方法です。【解説】岡田明三(神宮前鍼療所院長)
更新: 2019-05-18 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt