子宮を取ってから尿もれパッドが外せない
6年ほど前、52歳のときに子宮体ガンが見つかり、すぐに子宮と卵巣を摘出する手術を受けました。
その手術後から、ひどい頻尿と尿もれに悩まされるようになったのです。
私の場合、トイレに行く回数が激増しただけでなく、便座に腰掛けるまで尿意をがまんできずに、もらしてしまいます。
そのため、外出時はもちろん、自宅にいるときも、常に尿もれパッドを外せませんでした。
頻尿と尿もれが始まって以来、外出がおっくうになりました。とにかく、どこへ出かけてもトイレを探している状態で、気持ちが落ち着きません。
たとえば、趣味で習っているタロットカード教室に通うときは、私鉄とJRを乗り継いで片道1時間かかりますが、最寄り駅に着いたとき、乗り換えの前と後、教室に着いたときと、4回もトイレに行きます。
そのうえ、2時間の講座が終わるまでトイレが持たず、講義中に教室を抜け出すこともしばしばでした。
美容室にも通いにくくなりました。白髪染めをするには、1時間半はかかります。施術の途中で2~3回もトイレに立つので、そのたびにケープを取ってもらい、トイレから戻るまで中断させてしまうので、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
「なんとか尿もれを治したい」と思っていましたが、病院に行くのは抵抗感がありました。市販の薬も、薬を飲んで今度は尿が出なくなると困ると思い、試すのをためらいました。
図書館で尿もれに関する本を読み、「トイレに行くのをがまんすると、頻尿や尿もれが改善する」というアドバイスを見つけましたが、「トイレをがまんすると、膀胱炎になるかもしれない」と思うと心配で、実行できませんでした。
トイレを探さずに済み 気らくに外出できる
そんな私が「指切りげんまん療法」を知ったのは、今年8月のことです。松岡佳余子先生の知人であるタロット教室の先生が、やり方を教えてくれたので、すぐに実行することにしました。
私の指切りげんまん療法のやり方は、小指の第2関節のところで組み合うようにして左右の小指をからませて、まっすぐ引っ張る、というものです。両手が空いているときはいつでも、1日に何十回と行いました。
変化が出てきたのは、毎日実行し始めて1週間ほどたったころでした。尿意を催してからトイレに行っても、下着を下ろすまで、もらさずに済むようになったのです。
さらに日を追うにつれて、トイレに行く回数も減りました。まだ始めて1ヵ月足らずですが、以前は夜間に4回くらいトイレに起きていたのが、今は一度もトイレに起きずに、朝までぐっすり寝ていられます。
タロット教室に通うときも、家を出るときにトイレに入っておけば、大丈夫になりました。もちろん、もう講義中にトイレに立つことはなくなりました。
今は、用心のために薄い尿もれパッドを1枚当てていますが、パッドがぬれたことは一度もありません。「そろそろ、尿もれパッドを卒業してもいいかな」と思っています。
つい1ヵ月前までは、常にバッグの中に厚い尿もれパッドを5~6枚も入れて持ち歩いていたのが、ウソのようです。トイレを探し回らずに済むので、とても気らくに外出できるようになりました。
私はなにごとも3日坊主で、どんな体操も続いた試しがありませんでしたが、指切りげんまん療法は例外です。
道具が何もいらず、いつでもどこでもできて、排尿トラブルが改善するのですから、これだけは、毎日ずっと続けていくつもりです。
小指の刺激で下半身の筋力が強化される(アジアンハンドセラピー協会理事・松岡佳余子)
赤尾さんのように、子宮の摘出手術をした後、尿もれが起こるケースはあるようです。これは、膀胱や尿道を支える組織や筋肉が損傷したり、筋力が衰えたりすることが一因と考えられます。
「指切りげんまん療法」は、排尿トラブルに効くツボを刺激すると同時に、手の指の中で、最も力が弱い小指を鍛える運動でもあります。
小指の力は、体の力を示す握力の強さに直結し、小指を鍛えることで全身の血行がよくなり、下半身の筋力の強化も期待できます。こうした効果が、尿もれや頻尿の改善につながったと考えられます。
道具もいらず、いつでもどこでもできますから、尿の悩みのある人はぜひお試しください。
タロット教室の講義も安心して受けられる