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糖尿病専門医が太鼓判!「ミルク酢ごはん」は血糖値が上がりにくい

糖尿病専門医が太鼓判!「ミルク酢ごはん」は血糖値が上がりにくい

私は、「なるべく多くの患者さんが幸せになれる治療法」をモットーに、日々、診療にあたっています。患者さんにガマンを強いる「食事制限」ではなく、おいしく食べながら体の状態をコントロールする「食事調整」であるべきだと、私は考えています【解説】原島伸一(京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学講師)

おいしく食べれば体にいいことがいっぱい

主に糖尿病を専門とする私は、「なるべく多くの患者さんが幸せになれる治療法」をモットーに、日々、診療にあたっています。
例えば、糖尿病には食事療法が不可欠です。

けれども、医療現場で行われている食事療法は、「食事制限」が中心で、「おいしくない」という印象を持っている人が多くいます。
人は、食事がおいしいと元気が出て、笑顔になります。

笑うと血糖値も下がります。
落語を聞くと免疫力(病気に抵抗する力)が上がって元気になるというのは、決してまゆつばではありません。

おいしくないものをストレスを感じながら食べるよりも、「おいしい」と笑顔で食べるほうが、体にいいことがいっぱいあるのです。
ですから、患者さんにガマンを強いる「食事制限」ではなく、おいしく食べながら体の状態をコントロールする「食事調整」であるべきだと、私は考えています。

2015年に、私は「ミルク酢」と出合いました。
京都で開催された第29回日本医学会総会2015関西の連携イベントで、ミルク酢を考案した小山浩子先生に講演をしていただいたことがきっかけです。

ミルク酢は、普段の食生活に取り入れるだけで多くの健康効果が得られるうえに、料理に使うと味がおいしくなる、という点に興味を持ちました。

血糖値の上昇を緩やかにするホルモンを分泌

そもそもミルク酢とは、「乳清(ホエイ)」のことです。
ホエイについては、食事の30分前に摂取すると、インスリンを分泌させるインクレチンというホルモンのうち、太りにくくするGLP‐1の分泌が増え、食後血糖値の上昇を抑えるという論文が、既に発表されていました。

しかし、食事の30分前にホエイを摂取するのは、少し面倒です。
そこで、食事自体を小山先生が提案するミルク酢で炊いたご飯にすれば、もしかすると血糖値の上昇抑制に役立つのではないか。
私はそう考えました。

ミルク酢を使うと味がよくなるのであれば、糖尿病の方にもおいしい食事療法が提案できます。
血糖値の糖、すなわちブドウ糖の大本は炭水化物、つまり私たちが大好きなご飯です。

それを過度に制限するのではなく、食べながら血糖値の上昇が抑えられれば、こんなにうれしいことはありません。
さっそく、男性3名・女性8名の計11名に協力してもらい、ミルク酢ご飯が血糖値に与える影響を調べてみました。

対象者は、いずれも平均的な体格の健常者です。
炊飯時の水を50%ミルク酢に変えた「ミルク酢おにぎり(100g)」を食べるグループと、普通に炊いた「白米おにぎり(100g)」を食べるグループに分け、おにぎり摂取後すぐから30分おきに血糖値を測定しました。

その結果、白米おにぎりを食べたグループに比べて、ミルク酢おにぎりを食べたグループは、食後血糖値の上昇がやや抑えられていました。
これがホエイそのものの効果かどうかは、今後の検討課題です。

でも、ミルク酢ご飯にすると、血糖値が上がりにくくなる可能性は確かにありそうです。

栄養価が高くなるので高齢者にもピッタリ

私自身、食生活にときどきミルク酢を取り入れています。
ミルク酢でご飯を炊くと、ツヤが出て、おいしくなります。

しかも、ミルク酢は自分で簡単に作ることができて、安上がりなのが魅力です。
私の知り合いは、血糖値が少し高いので、ミルク酢ご飯を勧めたところ、実践しています。

血糖値を毎日測り、ミルク酢ご飯を食べたときは、やはり数値が上がりにくいとのことです。
なお、ミルク酢を料理に加えると、栄養価も少しアップします。

例えば、ミルク酢ご飯は水だけで炊いたご飯より、100g当たり8キロカロリーほど高くなり、炭水化物やたんぱく質の量も少し増えます。

今、糖尿病を持つ人の約3分の2は65歳以上の高齢者です。
高齢になると筋肉が落ちやすくなるため、食事を制限しすぎると栄養が不足し、筋力の低下を招いてサルコペニア(筋力の低下とそれに伴う身体機能の低下)などを引き起こす可能性があります。

筋肉が落ちると、糖を取り込むところがなくなるため、血糖値も高くなります。
その意味からも、「食事制限」ではなく、血糖値に配慮しつつ栄養をきちんと摂取する「食事調整」が必要なのです。

白米より栄養価が高く、なおかつ食後血糖値が上がりにくいミルク酢ご飯は、高齢者の食事調整にも役立つと思います。
ただし、合併症や併存症によっても食事調整が異なるので、病気を持つ人は、かかりつけ医に相談しましょう。

解説者のプロフィール

原島伸一
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学講師。
糖尿病の臨床に携わる一方、基礎研究にも力を注ぐ。また、栄養学的観点からも研究を行い、健常な状態と要介護の中間の状態を表す「フレイル」に注目し、高齢の糖尿病患者への注意喚起を積極的に行う。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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