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【マインドフルネスの効果】普段の生活でストレスや不安を取り除く方法

【マインドフルネスの効果】普段の生活でストレスや不安を取り除く方法

マインドフルネスとは、「今、ここ」の現実にリアルタイムかつ客観的に気づいていることです。マインドフルネスは、お釈迦様が悟りを開いた時の心の状態で仏教の枠組みの中で、坐禅や瞑想として伝えられてきました。近年は不安やストレス、うつの心理療法としても取り入れられています。【解説】藤井英雄(精神科医・医学博士)

解説者のプロフィール

藤井英雄
精神科医、医学博士、マインドフルネス実践家、日本キネシオロジー学院顧問、心のトリセツ研究所代表。心理学、東洋医学の豊富な知識に加えて、40年の瞑想歴、20年以上のマインドフルネス実践歴、そしてネガティブ思考を克服した自らの経験をもとにマインドフルネスの指導を開始し、ブログやfacebook、セミナー、出版などを通じて、積極的に情報発信を行っている。『マインドフルネスの教科書』(クローバー出版)など、著書多数。

自分に気づくことが脳や心身を健康に導く

マインドフルネスとは、「今、ここ」の現実にリアルタイムかつ客観的に気づいていることです。

例えば、自分が怒っているなら怒っていると気づいていること。
クヨクヨしているならクヨクヨしていると気づいていること。
これがマインドフルネスです。
マインドフルに現実を客観視することで、一歩引いた視点から、冷静な見方ができるのです。

マインドフルでないとき、心は「今、ここ」を離れて、外界の刺激や自分の感情に振り回されてしまいます。
例えば、過去のできごとや言動を後悔してクヨクヨしたり、まだ起こっていない将来を心配して不安にとらわれたりします。
また、他人への不満や自己嫌悪にとらわれるのも、マインドフルでないときです。

心が「今、ここ」を離れて思考がネガティブに偏ると、その結果さらにネガティブなことを考えるようになります。
ネガティブな思考→ネガティブな感情→さらにネガティブな思考→もっとネガティブな感情……と悪循環に陥る結果、脳と心は疲弊して、うつや不安障害などの原因となるのです。

心と体はつながっています。
ネガティブな思考や感情にとらわれていると、体にも悪影響を及ぼし、胃潰瘍、高血圧をはじめとした病気や痛みを発症する危険性もあります。

マインドフルネスは、「今、ここ」に心をつなぎとめることができます。
その結果、過去の失敗に学んで将来に備え、不満や自己嫌悪を解消するためにポジティブに考えられるようになり、前向きに行動することができるようになります。

これが脳や心身の健康にもつながります。

マインドフルネスは、お釈迦様悟りを開いた時の心の状態です。
それで仏教の枠組みの中で、坐禅や瞑想として伝えられてきました。
近年は仏教の枠を超え、不安やストレス、うつの心理療法としても取り入れられています。

また、Googleやゴールドマン・サックス、P&Gなどの大企業の研修にもマインドフルネスが取り入れられるようになってきました。
かつてアップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは、画期的な製品を開発する集中力を養うため、マインドフルネスを活用していたそうです。

従業員のストレスや不安を解消し、仕事の効率を高めるため、製品開発力を高めるために、マインドフルネスを取り入れている企業がどんどん増えています。

日常生活の中でもマインドフルになれる

マインドフルネスとは、「今、ここ」の現実に、リアルタイムかつ客観的に気づいていることです。
心を「今、ここ」にとどめ、「今、ここ」の現実に気づこうとすれば、心は「今、ここ」に戻ります。

例えば、耳をすませてどんな音が聞こえるのか気づけば、その瞬間はマインドフルネスです。
自分がこの記事を読んでいるという現実に注意を向け、気づきを確かなものにすれば、すぐにマインドフルになることができます。

こう言うと「なんだ、そんなこと」と思うかもしれませんが、ストレスの多い日常生活の中では、これは容易なことではありません。
今、マインドフルになっても、苦情の電話がかかってきた途端に「どうしよう?」となり、不安や憂鬱といった感情にとらわれてはマインドフルではないのです。

上司に叱責された自分をマインドフルに客観視できなければ、恨みと自己嫌悪にまみれてしまうかもしれません。
そうならないためには日頃から、マインドフルネスのやり方や瞑想を実践し、マインドフルネスの力をつけておきましょう。

苦情の電話で右往左往している自分、または上司に叱責されて落ち込んでいる自分にマインドフルに気づけたなら、一歩引いた視点から冷静な観方ができるはずです。

すると、
「ああ、ネガティブに考えすぎていたなあ。
もっと前向きに考えてみよう」
と思えてきます。

これはマインドフルな客観視がもたらした自然なポジティブ思考です。

無理やりなポジティブ思考ではなく、自然とポジティブになれるのがマインドフルなのです。
普段の生活の中でマインドフルネスを鍛えることができます。

例えば、食事。
テレビやスマホを見ながら食べたり、「この後、何をしよう」などと考えたりせずに、食べることに集中し、味わっておいしく食べる、たったこれだけでマインドフルネスは鍛えられるのです。

ハーバード大学などの研究では、瞑想を行うことで、脳の中で記憶の中枢を司る場所である海馬の体積が5%大きくなることがわかりました。
また、小脳や脳幹なども増加することがわかっています。

ぜひマインドフルネスを生活に取り入れてみてください。
これまでとは違う人生が開けてくるはずです。

マインドフルネスのやり方

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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