【頻尿・尿漏れ対策】男性にも女性にも効果 膀胱を鍛える"快感おしっこ"トレーニング
尿もれや頻尿など、排尿トラブルを予防し、改善するためにお勧めしたいのが、「快感おしっこ」をする習慣です。【解説】渋谷秋彦(神楽岡泌尿器科院長)イラスト/古谷充子
最初の尿意でトイレに行かない
尿もれや頻尿など、排尿トラブルを予防し、改善するためにお勧めしたいのが、「快感おしっこ」をする習慣です。
快感おしっこの定義は、1回の排尿量が300mL程度、排尿時間は30秒弱です。1日に6~7回程度トイレに行くとして、総量は2L程度になります。
まず、快感おしっこの準備をします。1日の尿の総量からわかるように、食事に含まれるものを除いて、2L程度の水分が必要です。
「そんなに?」と思われるかもしれませんが、一気に飲む必要はありません。朝起きてから、晩ごはんまでに1時間かけて200mLをちびちびと飲むことをくり返せばよいのです。
逆に、一気に飲むのは心臓や腎臓に負担がかかるので、お勧めしません。水分は、水のほか、お茶やコーヒーなどカフェインを含んだもの、スイカなど水分の多い果物でも構いません。ただし、アルコールは含みません。
そして、トイレに行くタイミングです。大人の膀胱は、だいたい500mLくらいは尿をためることができます。最初に尿意が訪れるのは、個人差はありますが、膀胱におよそ150mLの尿がたまったときです。
不快おしっこをくり返している人は、このタイミングでトイレに行ってしまいます。しかし、膀胱にはまだ2~3倍、尿をためる容量があります。
ここで排尿すると、いきむ必要があり、膀胱や尿道に負荷をかける「不快おしっこ」になってしまうのです。最初の尿意は、テレビを見たり、仕事をしたり、別のことをしていると気にならなくなります。
そして、今している作業に集中できなくなるほど、尿意が強くなるときがきます。それが、300mL、トイレに行くタイミングです。
便器に座り、あるいは前に立ち、リラックスして脱力します。すると、副交感神経が優位になり、膀胱が自然に収縮し、尿道括約筋の緊張がゆるみ、尿が勢いよく出ます。このとき、体のどこにも力は入っていません。
途切れることなく排尿すると、だいたい30秒かけて膀胱が収縮し、約300mLの尿が出ます。実際に、出ている量を計るのが望ましいのですが、難しい人はビール缶の八分目、紙コップに軽く2杯分くらいをイメージしてください。方法は、男女ともに一緒です。
快感おしっこは膀胱のリハビリ
入院などで、寝たきりが続くと足腰の筋肉が衰えて、歩きにくくなります。体は、使わないと退化するのです。そのため、リハビリが必要になります。
膀胱も一緒です。きちんと膨らませて、収縮させてあげなければ、本来の機能を失ってしまいます。快感おしっこを習慣化することは、膀胱のリハビリです。難しいことはありませんので、ぜひ今日から実践してみてください。
この記事のエディター
関連記事
骨盤底筋を鍛えるための体操は、現在多くの医療機関で推奨されています。しかし、やり方をプリントされた紙を渡されるだけなど、わかりずらく続けにくい場合がほとんどです。そこでお勧めしたいのが、おしぼり状に巻いたタオルを使った「骨盤タオル体操」です。【解説】成島雅博(名鉄病院泌尿器科部長)
足の甲に包帯を巻いて2~3日後には、足がむくまなくなりました。以前のように、足がむくんで靴が痛いということもありません。むくみが解消したおかげか、明け方に尿意を感じて目が覚めることがなくなりました。そのため、従来どおり、熟睡するリズムが戻ったのです。【体験談】上田雅代(仮名・看護師・57歳)
効果はすぐに実感しました。食べ始めて2~3日で、夜のトイレの回数が2回に、1~2週間で1回に減ったのです。この変化には、自分でも驚きました。私は、毎朝職場で重機をチェックし、点検表をつけています。今は、老眼鏡を使うのは薄暗い曇りの日だけで、晴れた日は老眼鏡を使っていません。【体験談】佐藤徳雄(重機オペレーター・71歳)
足の甲にある「抜け道血管」も、足の冷えやむくみ、夜間頻尿の原因となります。正式には「動静脈瘻」といい、解剖学の教科書にも記載されている血管です。本来なら指先の毛細血管まで流れていくはずの動脈血が、抜け道血管を通って静脈に流れ込むと、足先は血流不足になって冷えてしまいます。【解説】佐藤達朗(サトウ血管外科クリニック院長)
夜間頻尿が1回減ると、睡眠時間は2時間延びるといわれています。塩分過多の人は、減塩するだけで、睡眠の質が大幅に改善するわけです。夜間頻尿の患者さんに、自分でできる対処法として、減塩といっしょにお勧めしているのが、昼間に行う「かかと落とし」です。【解説】松尾朋博(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器科学助教)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家