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【バターコーヒーの効果 】ギーの必要量はアーユルヴェーダのタイプ別に違う!

【バターコーヒーの効果 】ギーの必要量はアーユルヴェーダのタイプ別に違う!

ギーは、食塩不使用バターを加熱して水分を飛ばし、乳たんぱくと乳糖を取り除いて作られた純粋な乳脂肪です。料理に用いるのはもちろん、傷や皮膚炎の治療として肌にぬったり、点眼、点鼻薬に用いたりするなど、昔からさまざまな用途で活用されてきました。【解説】西川眞知子(アーユルヴェーダ・ライフコンサルタント)

料理のほか薬としても用いられてきたギー

インドで5000年以上の歴史を持つ伝統医学「アーユルヴェーダ」。

そのアーユルヴェーダで非常に重要視される、
「ギー」というオイルがあります。

ギーは、食塩不使用バターを加熱して水分を飛ばし、
乳たんぱくと乳糖を取り除いて作られた純粋な乳脂肪です。
うっとりするような甘い香りを持ち、美しい黄金色をしています。

不純物を含まないギーは、暑いインドでも変質することなく、長期保存ができます。
料理に用いるのはもちろん、
傷や皮膚炎の治療として肌にぬったり、
点眼、点鼻薬に用いたりするなど、昔からさまざまな用途で活用されてきました。

食べたものや感情の未消化物「アーマ」

「聖なるオイル」であるギーは、
インドの神々に供える、祭壇用ランプの燃料としても使われてきました。

興味深いことに、バターを燃やすともくもくと煤が出ますが、
ギーを燃やしても煤は出ません。

完全燃焼する、非常にクリーンなエネルギー源だというギーの特長は、
私たちの体内でも重要な意味を持っています。

アーユルヴェーダでは、消化力を「アグニ」と呼びますが、
アグニとは火の神の名です。

消化力(火)が弱く、食べたものや感情をきちんと消化・燃焼できないと、
体内に未消化物が残ります。

この未消化物は「アーマ」と呼ばれ、
アーマがたまることで心身のバランスがくずれ、病気になると考えられているのです。

ギーは、アグニの火力を強め、
アーマ(煤)を作らずに、すべてをオージャス(活力。生命エネルギー)に変えてくれる、
優秀な燃料なのです。

細胞のコゲとサビを防ぎ若さを保つ

アーマは、現代の医学でいえば、
AGEs(最終糖化産物)に当たります。

AGEsは、糖とたんぱく質が結合して体温で変性した物質で、
「細胞のコゲ(糖化)」です。

体内に蓄積すると、
動脈硬化や骨粗鬆症、白内障、シミやシワ、認知症などを引き起こす原因になることから、
老化の元凶物質として、注目されています。

7世紀ごろにまとめられたアーユルヴェーダの古典文献には、
「ギーは記憶力、知力、消化力、精力、オージャスを増やし、
毒素、錯乱、疲労、不幸、発熱を取り除く、最も優れた脂」と記されています。

つまり、ギーにはAGEsの排出を促し、
脳の老化や精力減退を防いで、
若々しさと心身の健康を保つ作用があるのを、
長年の経験から突き止めていたということです。

さらに、ギーには抗酸化力が高いビタミンAとビタミンEが豊富なため、
活性酸素による「細胞のサビ(酸化)」を防ぐ効果もあります。

肥満の原因となる、中性脂肪の分解・燃焼を助ける中鎖脂肪酸や共役リノール酸も含まれていますから、
ダイエットのサポートにも役立ちます。

近年のインドでは、ギーは総コレステロールを減らし、
HDL(いわゆる善玉コレステロール)を増やすという研究もあります。

カパタイプはギーの摂取は「大さじ1杯」程度がお勧め

こうしたギーの特長を生かして、
アーユルヴェーダのデトックス法の一つに、
朝、スプーン1杯のギーをとり、体内にたまったアーマを排泄させる方法があります。

ギーには酪酸など腸内環境を改善する成分が含まれていますから、
腸に負担をかけずに、気持ちよくデトックスができるのです。

私自身も、アーマのたまりやすい春と秋に、
毎年、ギーを活用したプチ断食を行い、心身のデトックスをしています。

また、アーユルヴェーダでは、体質を大きく三つに分けてとらえます。

風のエネルギーが増えやすい「ヴァータ」、
火のエネルギーが増えやすい「ピッタ」、
水のエネルギーが増えやすい「カパ」の三つです。

ギーは、基本的に、のんびり穏やかで、しっとりと落ち着いたカパの性質を持っています。

そのため、乾燥と冷えがあり、気ばかり焦って眠りが浅く、いつも「バタバタして落ち着かない」ヴァータが多いタイプと、

暑がりで情熱的で短気な「物事をピタッと決めつけてとらえがち」なピッタが多いタイプの人の心身のバランスを取るのに、ギーは適しています。

一方で、もともとカパが増えやすいタイプの人は、
あまりギーをとりすぎないほうがよいのです。

落ち着きも度がすぎると、鈍重という短所になってしまいます。

カパタイプの人は、ギーの摂取は1日大さじ1杯程度までにするのがお勧めです。

バターコーヒーならカパタイプにもOK

今回の特集では、ギーをコーヒーに加えて飲むということですが、これは非常によい組み合わせのアイディアだと感心しました。

「ギー」の作り方と、「バターコーヒー」の作り方は下記の記事を参照してください。

というのも、苦味・渋味は、カパのマイナス面を補う働きがあるからです。

特に、朝に飲むコーヒーは、過剰なカパを減らす効果が高いと言われています。

苦味のあるコーヒーとともにギーをとるバターコーヒーは、
どんな体質の人でも、ギーのよさを実感できる、とてもよい飲み方だとお勧めできます。

解説者のプロフィール

西川眞知子(ニシカワ・マチコ)
●アーユルヴェーダネイチャーケア学院
TEL 03-6228-6778
http://www.jnhc.co.jp/

アーユルヴェーダネイチャーケア学院代表。
アーユルヴェーダ・ライフコンサルタント。
上智大学外国語学部を経て、仏教大学卒業。
第24代ミス横浜。
幼少期の病弱を自然療法で克服したのをきっかけに、大学時代にインドやアメリカを歴訪し、ヨガや自然療法に出合う。その経験と研究を基に「日本ならではのアーユルヴェーダ」を提唱。
著書多数で近著に『アーユルヴェーダで我慢しないアトピー生活』(農文協)、『ヨガのポーズの意味と理論がわかる本』(マイナビ)好評発売中。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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