【社会不安障害】あがり症対策に "ふくらはぎマッサージ" が効果 うつ病 不眠症も改善

【社会不安障害】あがり症対策に "ふくらはぎマッサージ" が効果 うつ病 不眠症も改善

心と体は密接な関係があり、自律神経のバランスがくずれると体を緊張させ、筋肉を硬くします。これが、首や肩、腰などがこりや痛みにつながりますが、この筋肉の緊張が顕著に現れやすいのが、実はふくらはぎなのです。【解説】山田和夫(横浜尾上町クリニック院長・東洋英和女学院大学教授・医学博士)


うつ症状は40代女性に爆発的に増えている

「心の病を抱える40代女性が1999年は4万人だったが、2014年には13万8000人とおよそ10万人も増えた」という驚きのデータがあります。
更年期を迎えるこの年代は、女性ホルモンの減少などにより、もともと自律神経(※自分の意志とは関係なく、体の機能を維持・調節する神経。交感神経と副交感神経がある)のバランスをくずしやすく、うつになりやすい傾向がありました。

近年、それにさらに拍車をかけているのが、40代女性を取り巻く生活環境です。
1999年以前の女性は、多くが専業主婦として子育てをし、働く場合も子どもが大きくなってからパートに出るなどしていました。

しかし、今の40代の女性たちは、フルタイムで働きながら子育てをしてきた最初の世代です。
フルタイムで働き続けていれば、会社での地位も上がりますし、責任も大きくなります。

そうすると子育てや家事の悩みに加え、職場でのストレスも大きな負荷となります。
このような環境で何年も耐えていたら、心のバランスをくずすのも当然です。

私のクリニックにも、その世代のうつのかたが多くいらっしゃいます。
そのかたに合った投薬治療やカウンセリング、食事療法などを提案していますが、自宅でできる簡単なケアとして、私が特に勧めているのが「ふくらはぎこすり」です。

うつの兆候としては、不眠、疲労がたまりやすい、気力がわかない、頭痛・頭重感、悲しい気持ちが続くなどが挙げられます。
このほか、体の変化としてよく見られるのが体の緊張です。

心と体は密接な関係があり、自律神経のバランスがくずれると体を緊張させ、筋肉を硬くします。
これが、首や肩、腰などがこりや痛みにつながりますが、この筋肉の緊張が顕著に現れやすいのが、実はふくらはぎなのです。

もともと足は、人体で最も下に位置し、心臓から遠く離れているため、血行不良になりやすい場所です。
交感神経が過緊張することで、血液循環が悪くなり、ふくらはぎも冷えて硬くなってしまいます。

体の緊張を楽にするには、マッサージが有効です。
体が楽になれば、心も軽くなります。

特に足やふくらはぎなど下半身のマッサージは、体をリラックスさせる副交感神経を刺激して、うつの症状の改善が期待できます。

2000人以上の治療にも役立った

ふくらはぎマッサージは一時期、本がベストセラーになり、最近は勧めている治療院などもありますが、多くは手でふくらはぎをもむやり方だと思います。
しかし、当院で勧めるふくらはぎこすりは、写真のとおり、いすに座ってふくらはぎを反対のひざに乗せ、こすり上げるやり方です。

もちろんこれには理由があります。
ふくらはぎの静脈の内側には弁があり、末端から心臓に向かって流れるようになっています。

さらに、筋肉が収縮することで、筋肉の静脈の血液が絞り出されて心臓に向かいます。
ところが、足の筋肉が緊張して硬くなっていると、静脈の血液を絞り出すことができません。

そのため血行不良となり、足が冷え、さらに筋肉は硬くなり、血液循環も悪くなるという負のサイクルが生じます。
この足の血液を人為的に心臓に向かわせようとする場合、足で行うふくらはぎこすりが最も有効です。

手でもむと血液を押し上げる力が弱いですが、ふくらはぎこすりでは効率的に、どんどん血液を心臓に向かって上げていけます。
力の弱い人でも適度な圧をかけられるため、筋肉も柔らかくほぐれてきます。

血液の流れがよくなると、ふくらはぎの冷えも改善します。
また、全身の血管はつながっていますから、停滞していた足の血液の流れがよくなると、全身の血液の流れもよくなります。

その結果、体温が上昇して、緊張がほぐれ、体のこりや痛みも軽減していくはずです。
ふくらはぎこすりは、臨床心理士である私の妻が、患者さんが自宅でも簡単に心身のケアができるようにと、ずいぶん前からふくらはぎに目をつけ、試行錯誤を繰り返して考案した方法です。

私のクリニックでは、特に社会不安症(あがり症)の患者さんが多く、これまでに2000人以上を治療してきました。
社会不安症はうつやパニック症を併発していることも多く、そうしたかたへの治療にもふくらはぎこすりは役立ってきました。

ふくらはぎこすりは、夜寝る前に行うのが最も効果的です。
副交感神経が優位になり、血圧が安定して、精神的にも落ち着いてきます。

心身がリラックスすることで寝つきやすくなり、睡眠の質も上がります。
心身の健康のために簡単に行える方法ですので、ぜひ皆さんも試してください。

山田和夫
横浜市立大学医学部卒業。精神科専門医、精神保健指定医。和楽会横浜クリニック院長などを経て、2013年、横浜尾上町クリニックを開業。横浜尾上町クリニック理事長であり、臨床心理士の山田和惠先生(写真左)とともに、「不安・うつは必ず治る」をモットーとして、うつ、社会不安症、パニック症などに適確な診断と最良の治療を行い、自宅でできるケア方法なども勧めている。近著『図解 やさしくわかる社会不安障害』(ナツメ社)ほか、著書多数。

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※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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