医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営

風邪の引き始めの対処法 医師が実践する「白ごま油うがい」の効果とやり方

風邪の引き始めの対処法 医師が実践する「白ごま油うがい」の効果とやり方

のどの菌を洗い流すだけなら、塩水うがいなどでも可能です。しかし「白ごま油うがい」は、のどの菌を洗い流すと同時にのどや口の中を潤します。特に風邪の季節に効果を発揮します。私が患者さんにお勧めしている白ごま油うがいの効果、そして作り方とうがいの方法までご紹介します。【解説】戸舘亮人(ナチュラルファミリークリニック院長)


解説者のプロフィール

戸舘亮人(とだて・あきひと)
ナチュラルファミリークリニック院長。
日本内科学会、日本呼吸器学会、日本アレルギー学会専門医。
西洋医学、東洋医学、漢方薬、代替医療から、個々に合わせてオーダーメイドの治療を提供している。

ほかの油にはない優秀な解毒&浄化作用がある

「先生、続けていたら、肌や髪がツヤツヤしてきましたよ」
「声がきれいになりました」
「カゼをひきにくくなりました」

これは、太白ゴマ油など白いゴマ油でうがいをする「白ゴマ油うがい」をお勧めした患者さんが教えてくれた感想の一部です。

当院は内科やアレルギー科などを診療科としており、患者さんご自身でも体をよくしていただくという方針で治療を行っています。
その一環として「白ゴマ油うがい」をお勧めしています。

白ゴマ油は、一般的な褐色のゴマ油と違って、透明に近く、ゴマ油独特の香ばしさもありません。
ほとんど無臭で、特有のうま味はあるものの、さっぱりとしています。

同じゴマ油なのに、なぜここまで違うのか。
それは、製法が違うのです。

普通のゴマ油は高温で焙煎してから搾るのに対し、白ゴマ油は生のゴマから搾ります。
これを使ってうがいをする白ゴマ油うがいは、実はインドの伝承医学であるアーユルヴェーダで勧めている毒出し法です。

アーユルヴェーダでは、白ゴマ油に、すぐれた解毒・浄化作用があるとされます。
この解毒・浄化作用をもつ油は白ゴマ油だけで、よく目にする褐色のゴマ油や、オリーブオイルなどの油では代用できません。

のどの菌を洗い流すだけなら、塩水うがいなどでも可能です。
しかし白ゴマ油うがいは、のどの菌を洗い流すと同時に、のどや口の中を潤します。
のどや口が渇く季節には、特にこの効果が重要です。

さらに、のどや口の粘膜から白ゴマ油の成分が吸収されて、全身を整えます。
その結果として、冒頭にあるような効果が得られます。

白ゴマ油うがいの効果

ほかにも、白ゴマ油うがいには、幅広い効果があります。
まず、のどの痛みや渇き、不快感、声がれ、鼻炎、鼻づまりなどを予防・改善します。

それと同時に、むし歯や歯周病、口臭、口内炎など、口の中の症状にも効果的です。
もちろん歯周病などは、このうがいだけで防げるわけではありませんが、正しいケアとともに行うと、予防・改善効果が高まります。

肌や髪をつややかにすることは、冒頭でもふれましたが、合わせて肌のシミ・シワ・たるみを軽減したり、肌のハリも増したり、抜け毛や白髪を予防・改善したりもできます。
また、全身の代謝を高めて免疫力をアップしたり、冷え症を改善したりするのにも役立ちます。

かすんでいたのが見えやすくなったり、声が聞き取りやすくなった、血圧のコントロールがよくなったというケースもあるようです。

それだけではありません。
病巣感染にも効果を発揮します。

これは体のどこかにある慢性の炎症が、健康な器官に悪影響を与えて違う病気を引き起こすというものです。
病巣となるのは、口蓋扁桃病、上咽頭炎、副鼻腔炎、中耳炎など口や耳に多いです。

ですから私はこれらの病気を持つ患者さんには、解毒、浄化作用のある白ゴマ油うがいを勧めることが多いのです。

風邪の季節には白ゴマ油うがいがいい!

私が白ゴマ油うがいを知ったのは2年ほど前で、自分でも試して、よいものだと実感できたので、患者さんたちに自信を持ってお勧めしています。
私自身は、カゼをひきそうなときや冬季を中心に行っています。

もともと私は、あまりカゼをひかないのですが、たまにあるカゼのひき初めに白ゴマ油うがいを行ったら、たちまち治ったので驚きました。
「油でうがい」と聞くと、「口の中がギトギトしそう」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

白ゴマ油はサッパリしていて、口とのどがすっきりします。
それでいて、潤いはしっかり残るので、口のカサカサやのどのイガイガ感もなくなって、冬は気持ちよさが長く続きます。

ポイントは100℃を超えないこと

熱するときの注意点は、90℃に近づいたら早めに火から下ろし、余熱で100℃にすることです。
白ゴマ油は生なので、解毒・浄化作用を得るには熱する工程は必須ですが、100℃を超えてしまうと、その効果が落ちてしまいます。

また、うがい後のポイントとしては、水で口をゆすがないことです。
口の中、とくに舌の下は、体への吸収率が非常に高い部分になっています。
そこにうがい後も白ゴマ油を留まらせれば、いい成分が体内に吸収されていきます。

白ゴマ油うがいを、あなたも取り入れてみませんか。

白ゴマ油の作り方

必要なもの
・白ゴマ油(太白ゴマ油など)
・鍋
・料理用温度計
・じょうご(あれば)
・保存容器(瓶などの密閉できるもの。あらかじめ煮沸消毒しておくこと)

①まずは中火
保存容器に入るだけの量の白ゴマ油を鍋に入れて中火にかけます。

②90℃で火から下ろす
温度を測り、90℃まで上がったら火から下ろし、布巾の上などに鍋を置きます。
予熱で100℃になるまで待ちます。

③そのまま冷めるまで待つ
冷めたらじょうごなどを使って保存容器に移します。密閉して冷暗所で保存してください。

白ゴマ油うがいのやり方

①大さじ1杯(約15ml)の白ゴマ油を口に含みます。

②顔を上に向けてガラガラと30秒。

③正面に戻して左と右に各30秒クチュクチュと口をゆすぐ。
終わったらティッシュなどに白ゴマ油を吐き出します。



●早朝もしくは16~18時ごろに行うと効果的
●1日に何回行ってもOK
●冷暗所で保存すると3ヵ月ほど利用可能

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


風邪・インフルエンザに効果「プロポリス」とは? 有効成分は抽出法で違う?

風邪・インフルエンザに効果「プロポリス」とは? 有効成分は抽出法で違う?

プロポリスは、ハチの巣への細菌の侵入を防ぎ、その増殖を防いでくれる物質です。いわば、家を守る防御壁なのです。私たちがこのプロポリスを摂取する際には、それがどのようにして抽出されたのかが、一つの重要なポイントとなります。プロポリスの抽出法によって含有される有効成分が異なるからです。【解説】門田重利(富山大学名誉教授)


咳や発熱、風邪の初期症状にはこのツボ!蒸しタオルで首の「刺熱穴」を温めるとよい

咳や発熱、風邪の初期症状にはこのツボ!蒸しタオルで首の「刺熱穴」を温めるとよい

西洋医学では、カゼの原因の大半は、ウイルスであると考えられています。そのため、うがいと手洗いでウイルスを除去することがカゼの予防には効果的とされ、対症療法として薬が処方されます。私たち鍼灸師は、カゼの初期症状に対しては、発汗を促し、熱を下げる治療を行います。【解説】木戸正雄(日本鍼灸理療専門学校教務部長)


【インフルエンザと漢方】初期に効能を発揮する「麻黄湯(まおうとう)」とは

【インフルエンザと漢方】初期に効能を発揮する「麻黄湯(まおうとう)」とは

インフルエンザの初期なら、私は麻黄湯という漢方薬を処方します。優れた解熱効果があり、インフルエンザの型によってはタミフル以上に有効だったと日本小児感染症学会で報告されています。インフルエンザは決して軽く見ることはできませんが、初期のうちに手当てをすれば怖くありません。【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)


【乾布摩擦の効果とやり方】免疫力アップでインフルエンザに負けない体に!

【乾布摩擦の効果とやり方】免疫力アップでインフルエンザに負けない体に!

インフルエンザの発症・重症化を防ぐのは、体に備わる免疫力です。全身に乾布摩擦をするのはめんどうですが、体幹部だけなら、着替えのついでに簡単に行えます。肌がほんのりと赤みを帯びるまで、優しくこすればじゅうぶんです。【解説】渡邉真弓(医学博士・鍼灸マッサージ師)


「発酵玉ねぎ」を食べ始めて気づいた体の変化とは…?

「発酵玉ねぎ」を食べ始めて気づいた体の変化とは…?

これまで便秘を治すために、腸にいいと言われるものを食べたり、飲んだりしましたが、いちばんおいしくて簡単で、効果のある発酵食品にたどりつくことができました。発酵の楽しさは、自分で菌を育てて、おいしくて体によいものができあがること。料理をする楽しみが増えました。【体験談】清川伸子(会社員・40代)


最新の投稿


立ち仕事でむくんだ足に塩カイロが効果!酷かった生理痛も軽くなった

立ち仕事でむくんだ足に塩カイロが効果!酷かった生理痛も軽くなった

2週間後には、日中に頭がスッキリするのを感じました。今思えば、以前の私は常に眠気を感じていた気がします。その後、すぐにふくらはぎが軟らかくなりました。そして3週間目には、足がむくまなくなったのです。今は靴がきつく感じることはありません。仕事中の気持ちにゆとりができました。【体験談】今村由利(仮名・会社員・28歳)


間欠跛行が改善!首・腰のこわばりをリセットする「ひざ倒し」のやり方

間欠跛行が改善!首・腰のこわばりをリセットする「ひざ倒し」のやり方

首のこわばりをほぐし、背中や腰の緊張が緩めば、間欠跛行の改善も期待できます。いったん固まってしまった首の緊張をほぐすのは、実は、簡単ではありません。この体操を行うと、首のこわばりがリセットされ、全身の筋肉の緊張を一挙にほぐすことができます。【解説】梶原千譽(カジハラ治療院院長)


【良性発作性頭位めまい症】手のひらの反射区を押す方法で症状が改善した

【良性発作性頭位めまい症】手のひらの反射区を押す方法で症状が改善した

手のひらを押し始めてすぐに腰の痛みがやわらぎ、この数年は治療を受けることもなくなりました。以前はめまいが起こる前に「めまいが来るな」という前兆があったのですが、今はそれすらなくなりました。50歳前後の頃より、58歳になった今のほうがよいくらいではありませんか。【体験談】新田博子(仮名・会社員・58歳)


腰痛のセルフケア「わきの押し回し」で20年使ったコルセットが不要に!

腰痛のセルフケア「わきの押し回し」で20年使ったコルセットが不要に!

特につらかったのが、洗い物をしたり、風呂場の掃除をしたりするなど中腰の姿勢になるときです。それに加え腕が上がらないので、洗濯物を干すのもひと苦労で、家事を満足にこなせませんでした。施術を受けながらセルフケアを続けたところ、わずか1ヵ月間で腰痛はうそのように軽くなりました。【体験談】中村芳美(仮名・無職・70歳)


脊柱管狭窄症が招くロコモティブシンドロームの進行・症状を抑える体操「ロコトレ」のやり方

脊柱管狭窄症が招くロコモティブシンドロームの進行・症状を抑える体操「ロコトレ」のやり方

「ロコモティブシンドローム」は、骨、筋肉、関節、神経などの運動器に障害が起こり、歩いたり体を動かしたりする機能が低下して、要支援・要介護になるリスクが高い状態をいいます。このロコモを引き起こす病気の一つに、腰部脊柱管狭窄症があります。【解説】重松英樹(奈良県立医科大学整形外科学内講師)