長野県が長寿日本一の理由は?腸内環境を整える「気能値」の高い食物が健康のカギ

長野県が長寿日本一の理由は?腸内環境を整える「気能値」の高い食物が健康のカギ

腸の働きというと、まず食べ物の消化・吸収を思い浮かべると思いますが、もう一つ極めて重要な働きがあります。それは、血液をつくり出す「造血機能」です。元気で長生きするには、必然的に腸を正常で健康な状態に保つことと、なにをどのように食べるかが重要になってきます。【解説】森下敬一(お茶の水クリニック院長)


森下敬一
1928年生まれ。東京医科大学卒業。新しい血液生理学を土台にした自然医学を提唱し、慢性病、難病に苦しむ数多くの人々を根治させ、国際的評価を得ている自然医学の最高権威。国際自然医学会会長、中国・瀋陽(しんよう)薬科大学客員教授、ジョージア・トビリシ国立医科大学名誉教授、韓国・朝鮮大学校大学院教授などを務める。『腸から体がよみがえる「胚酵食」』(共著・青春出版社)など著書多数。

赤血球は腸でつくられる!

腸の働きというと、まず食べ物の消化・吸収を思い浮かべると思いますが、もう一つ極めて重要な働きがあります。
それは、血液をつくり出す「造血機能」です。

人体では骨髄で血液がつくられるというのが定説ですが、私は1960年に医学革新集団の一員として、腸の絨毛組織(小腸内壁のヒダにある突起)からの赤血球母細胞の形成を顕微鏡で発見・撮影することに成功しました。
腸で血液が誕生する「腸管造血」のプロセスを解明したのです。

腸管造血をひとことで言うと、「食物を原料に腸で赤血球がつくられ、その赤血球によって体細胞がつくられる」ということ。
食が血となり、血が肉となるのです。

したがって、元気で長生きするには、必然的に腸を正常で健康な状態に保つことと、なにをどのように食べるかが重要になってきます。

私は40年以上前から、世界各地の長寿地域を実地調査してきました。
その結果、100歳を超えても元気で健康な長寿者は皆、「粗食」(精白されていない穀類と野菜などを中心とした食事)と「少食」を続けてきたことがわかったのです。

食べすぎは、胃腸に大きな負担をかけます。
食べすぎると腸は食物の消化・吸収に追われ、造血器官としての役割を果たせなくなってしまいます。
そして、消費し切れなかった栄養素は腸内環境を悪化させ、老廃物となって血液を汚します。

汚れた血液が体内を巡ると、さまざまな病気や不調が引き起こされます。
食べ物の中でも、肉や卵などの動物性タンパク質は、体内で元素転換され、一度炭水化物に還元されてから自分自身の体タンパク質(体を構成しているタンパク質)につくりかえられます。

これは胃腸に多大な負担をかけます。
腸内で異常発酵が起こり、老廃物や毒素も大量発生して、血液も汚れてしまうのです。

健康長寿に必要なのは、「美食大食肉食」ではなく「粗食少食菜食」です。
日本人には、玄米、野菜、豆や大豆加工食品、海藻、小魚類、発酵食品、自然塩など天然の調味料で構成された伝統的な日本食こそが、健康長寿に最適な食事なのです。

カロリーや栄養素では腸を健康にできない

そのことを示す好例が、47都道府県の長寿県ランキングの変遷です。
皆さんは長寿の県というと沖縄県をイメージしませんか。

確かに沖縄県は、以前は日本一の長寿県でした。
しかし、男性は1990年以降、みるみる順位を落とし、2013年にはなんと30位まで転落。

今や短命のグループに入るのです。
かつてはトップだった女性も全国3位まで落ちてしまいました。

沖縄県が長寿県だったのは、昔ながらの粗食菜食を旨とする高齢者が平均寿命を押し上げていたからです。
しかし、沖縄では戦後すぐに欧米風の食生活が押し寄せ、肉やファストフード、砂糖や脂肪たっぷりのデザート類が定着しました。

こうした食生活は、じわじわと若者たちの腸内環境を悪化させ、血液を汚していきました。
その結果、長寿日本一の座から転落したのです。

一方で、現在、男女ともに長寿日本一は長野県です。
長野県の肉の消費量は全国44位と最低レベル。

そして、野菜の消費量と塩の消費量はトップクラスです。
「塩分の取りすぎは体に悪い」という説が広く信じられていますが、これは誤解であることがこのデータからわかります。

地球上の最初の生物は海から誕生し、人間の血液や胎児が育つ羊水に含まれるミネラルや塩分バランスは、海水とほぼ同じであることからもわかるとおり、塩は生命に欠かせないものです。
しかも、人類は海中での進化の過程で、必要のない塩分は排出する仕組みを整えてきました。

自然塩を取っている限りは、塩分の取りすぎを心配する必要はないのです。
塩分には体内を浄化したり、体熱を上げて免疫力を保ったりなど、重要な作用があります。

腸内環境を悪化させる肉を多食せず、野菜をたっぷりと食べ、浄化作用の強い塩分をしっかりとる食生活が、長野県民の寿命を押し上げているのです。
現代の栄養学では、カロリーや栄養素が重視されています。

しかし、これは単なる食品の成分を分析したものに過ぎません。
同じ食品でも、その人の体質や体の状態によって吸収のされ方が違いますし、その食品が真の意味で血となり、肉となるかは、カロリーや栄養素では計算できないのです。

腸と体を健康にするには、生命エネルギーに満ちた、命の糧となる食物をとることが大事です。
これを私は「気能値の高い食品」と呼んでいます。

次項から、真の意味で体にいい気能値の高い食品について解説していきます。

→気能値の高い食品の解説はコチラ

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連するキーワード


腸内環境 腸内フローラ

関連する投稿


【腸内環境を整える食事】気能値の高い「自然塩・玄米・野菜」を食べるとよい

【腸内環境を整える食事】気能値の高い「自然塩・玄米・野菜」を食べるとよい

気能値が高い食品はそれだけエネルギーに満ちているので、人体にとって有益です。新鮮な海産物の気能値は、一般に肉類より3倍程度高いと覚えておきましょう。食事の全体的な組み立てについては、気能値が高い玄米を主食にしましょう。【解説】森下敬一(お茶の水クリニック院長)


【便秘を改善】ココアの有効成分「カカオプロテイン」が腸内細菌を改善する!新研究で続々判明

【便秘を改善】ココアの有効成分「カカオプロテイン」が腸内細菌を改善する!新研究で続々判明

カカオの有効成分が、血圧をはじめとした血液・血管への影響しているとお話ししましたが、実はそれ以外にも、驚くべき結果が得られました。高カカオ分のチョコレートを食べることで、認知機能が向上する可能性があることが明らかになったのです。【解説】大澤俊彦(愛知学院大学教授)


【横綱・白鵬も実践】腸内環境を整えて細胞を若返らせる「断食(ファスティング)」のやり方

【横綱・白鵬も実践】腸内環境を整えて細胞を若返らせる「断食(ファスティング)」のやり方

ミネラルファスティングを行う前や行った後も穀菜食を続けていれば、60兆個の細胞が正しく働くための環境整備に役立ち、ひいては「腸の掃除力」も高まっていくわけです。【解説】山田豊文(杏林予防医学研究所所長)


便秘・ガス腹が改善した!オナラの臭いが軽減した!【酢ニンニク】を読者モニターが実践!

便秘・ガス腹が改善した!オナラの臭いが軽減した!【酢ニンニク】を読者モニターが実践!

ニンニクと酢のダブルの抗酸化作用によって、腸内の活性酸素が除去されると、腸内の悪い菌が減り、いい働きをする菌が増えます。「腸は第2の脳」とも言われ、心身の健康に大きな影響を及ぼします。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授・医学博士)


【アボカドで便秘を解消】地中海式和食で絶好腸「腸が元気になる食事」(1)

【アボカドで便秘を解消】地中海式和食で絶好腸「腸が元気になる食事」(1)

腸内環境を整えることは、いつまでも病気知らずの健康体でいるためには不可欠。健康は腸からつくられるといっても過言ではありません。今回ご紹介するのは、腸をぐーんと元気にする、名づけて「地中海式和食」です。【解説】松生恒夫(松生クリニック院長)【料理】検見﨑聡美(料理研究家・管理栄養士)


最新の投稿


【視力回復】朝3分の眼球運動で集中力・運動能力・成績がアップできる

【視力回復】朝3分の眼球運動で集中力・運動能力・成績がアップできる

目のトレーニングというと、どうしても「アスリートでもない私には関係ない」と受け取られがちです。勉強やスポーツが苦手な子ども、忙しいお母さん、働き盛りの社会人、目の衰えが気になる中高年など、一般のかたにこそ、ぜひやっていただきたいトレーニングなのです。【解説】飯田覚士(日本視覚能力トレーニング協会 代表理事)


【視力回復】プロボクサー村田諒太選手も実践!「眼球運動」のやり方

【視力回復】プロボクサー村田諒太選手も実践!「眼球運動」のやり方

顔は動かさずに、目だけを右、左、右、左……。朝3分の「眼球運動(目の体操)」をすると、日常生活のさまざまな場面でその効果を期待できます。プロボクサー村田諒太選手の目のトレーニングも指導する飯田覚士さんが提案! 人生を変える「朝の新習慣」です。【解説】飯田覚士(日本視覚能力トレーニング協会 代表理事)


【幸せを呼ぶ手相学】大学教授が考案!手相を吉相に変える「指くみ」のやり方

【幸せを呼ぶ手相学】大学教授が考案!手相を吉相に変える「指くみ」のやり方

「運命は変えられない」多くの人はこう誤解しているのではないかと思います。運命は変えられます。自分で切り開くものです。運勢とは、幸運を呼び込み、不運を克服するものです。【解説】加藤主税(椙山女学園大学名誉教授・手相学者)


【姿勢矯正】体が硬くてもできる猫背改善方法 “ひざの裏伸ばし”で後ろ姿が若返る!

【姿勢矯正】体が硬くてもできる猫背改善方法 “ひざの裏伸ばし”で後ろ姿が若返る!

若くても、ネコ背でトボトボと歩いている人は老けて見えますし、高齢でも、背すじがピンと伸びた人は、実年齢よりも若く見えます。よい姿勢は、見た目の若々しさを生むだけではありません。健康の面でも、メリットがあります。【解説】三矢八千代(八千代スタジオ主宰・日本体育大学非常勤講師)


【視力が回復】視力0.02が0.7まで回復!足の指の“間”を押してメガネも必要なくなった

【視力が回復】視力0.02が0.7まで回復!足の指の“間”を押してメガネも必要なくなった

24歳のとき眼科で検査をすると、視力検査表のいちばん大きい記号がはっきり見えず、視力は左右とも0.02と言われました。足の指のまた押しを続けて、1年くらいたったあるとき、自分の目の変化に気づきました。自宅にあった視力検査表で測ってみたら、両目とも0.7まで見えていました。【体験談】鈴木弓子(仮名・事務員・44歳)