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長野県が長寿日本一になった理由 腸内環境を整える食事がカギ

長野県が長寿日本一になった理由 腸内環境を整える食事がカギ

元気で長生きするには、必然的に腸を正常で健康な状態に保つことと、なにをどのように食べるかが重要になってきます。腸と体を健康にするには、生命エネルギーに満ちた、命の糧となる食物をとることが大事です。これを私は「気能値の高い食品」と呼んでいます。【解説】森下敬一(お茶の水クリニック院長)

解説者のプロフィール

森下敬一
お茶の水クリニック院長。
1928年生まれ。東京医科大学卒業。新しい血液生理学を土台にした自然医学を提唱し、慢性病、難病に苦しむ数多くの人々を根治させ、国際的評価を得ている自然医学の最高権威。国際自然医学会会長、中国・瀋陽(しんよう)薬科大学客員教授、ジョージア・トビリシ国立医科大学名誉教授、韓国・朝鮮大学校大学院教授などを務める。『腸から体がよみがえる「胚酵食」』(共著・青春出版社)など著書多数。

●お茶の水クリニック
東京都文京区本郷1-7-3 唐木ビル3階
TEL 03-3814-6786
http://morishita-med.jp/

赤血球は腸でつくられる!

腸の働きというと、まず食べ物の消化・吸収を思い浮かべると思いますが、もう一つ極めて重要な働きがあります。
それは、血液をつくり出す「造血機能」です。

人体では骨髄で血液がつくられるというのが定説ですが、私は1960年に医学革新集団の一員として、腸の絨毛組織(小腸内壁のヒダにある突起)からの赤血球母細胞の形成を顕微鏡で発見・撮影することに成功しました。
腸で血液が誕生する「腸管造血」のプロセスを解明したのです。

腸管造血をひとことで言うと、「食物を原料に腸で赤血球がつくられ、その赤血球によって体細胞がつくられる」ということ。
食が血となり、血が肉となるのです。

したがって、元気で長生きするには、必然的に腸を正常で健康な状態に保つことと、なにをどのように食べるかが重要になってきます。

私は40年以上前から、世界各地の長寿地域を実地調査してきました。
その結果、100歳を超えても元気で健康な長寿者は皆、「粗食」(精白されていない穀類と野菜などを中心とした食事)と「少食」を続けてきたことがわかったのです。

食べすぎは、胃腸に大きな負担をかけます。
食べすぎると腸は食物の消化・吸収に追われ、造血器官としての役割を果たせなくなってしまいます。
そして、消費し切れなかった栄養素は腸内環境を悪化させ、老廃物となって血液を汚します。

汚れた血液が体内を巡ると、さまざまな病気や不調が引き起こされます。
食べ物の中でも、肉や卵などの動物性タンパク質は、体内で元素転換され、一度炭水化物に還元されてから自分自身の体タンパク質(体を構成しているタンパク質)につくりかえられます。

これは胃腸に多大な負担をかけます。
腸内で異常発酵が起こり、老廃物や毒素も大量発生して、血液も汚れてしまうのです。

健康長寿に必要なのは、「美食大食肉食」ではなく「粗食少食菜食」です。
日本人には、玄米、野菜、豆や大豆加工食品、海藻、小魚類、発酵食品、自然塩など天然の調味料で構成された伝統的な日本食こそが、健康長寿に最適な食事なのです。

小腸には血液を作るという大事な機能がある

カロリーや栄養素では腸を健康にできない

そのことを示す好例が、47都道府県の長寿県ランキングの変遷です。
皆さんは長寿の県というと沖縄県をイメージしませんか。

確かに沖縄県は、以前は日本一の長寿県でした。
しかし、男性は1990年以降、みるみる順位を落とし、2013年にはなんと30位まで転落。

今や短命のグループに入るのです。
かつてはトップだった女性も全国3位まで落ちてしまいました。

沖縄県が長寿県だったのは、昔ながらの粗食菜食を旨とする高齢者が平均寿命を押し上げていたからです。
しかし、沖縄では戦後すぐに欧米風の食生活が押し寄せ、肉やファストフード、砂糖や脂肪たっぷりのデザート類が定着しました。

こうした食生活は、じわじわと若者たちの腸内環境を悪化させ、血液を汚していきました。
その結果、長寿日本一の座から転落したのです。

一方で、現在、男女ともに長寿日本一は長野県です。
長野県の肉の消費量は全国44位と最低レベル。

そして、野菜の消費量と塩の消費量はトップクラスです。

塩分の取りすぎは体に悪いは誤解!カギは「気能値の高い食品」

「塩分の取りすぎは体に悪い」という説が広く信じられていますが、これは誤解であることがこのデータからわかります。

地球上の最初の生物は海から誕生し、人間の血液や胎児が育つ羊水に含まれるミネラルや塩分バランスは、海水とほぼ同じであることからもわかるとおり、塩は生命に欠かせないものです。
しかも、人類は海中での進化の過程で、必要のない塩分は排出する仕組みを整えてきました。

自然塩を取っている限りは、塩分の取りすぎを心配する必要はないのです。
塩分には体内を浄化したり、体熱を上げて免疫力を保ったりなど、重要な作用があります。

腸内環境を悪化させる肉を多食せず、野菜をたっぷりと食べ、浄化作用の強い塩分をしっかりとる食生活が、長野県民の寿命を押し上げているのです。
現代の栄養学では、カロリーや栄養素が重視されています。

しかし、これは単なる食品の成分を分析したものに過ぎません。
同じ食品でも、その人の体質や体の状態によって吸収のされ方が違いますし、その食品が真の意味で血となり、肉となるかは、カロリーや栄養素では計算できないのです。

腸と体を健康にするには、生命エネルギーに満ちた、命の糧となる食物をとることが大事です。
これを私は「気能値の高い食品」と呼んでいます。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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