気能値の高い食物で自分の気能値も上がる
腸と体を元気で健康にするには、食べた人の血となり、肉となる生命エネルギーに満ちた食物をとる必要があります。
では、食物が持つ生命エネルギーの強さを知るには、どうすればよいのでしょうか。
私は、食物が持つ生命力を数値化した「気能値」という指標を考案しました。
目に見えない生命エネルギーを調べるには、波動を測定します。
波動とは、原子核の振動による波形エネルギーのこと。
すべてのものは必ず、固有の振動数で振動しており、その波動がエネルギーとして、周囲にも影響を及ぼします。
食物で言えば、理想的な波動のものを食べれば、その波動に共鳴・共振して、食べた人の生命エネルギーも高まります。
逆に、波動の低いものを食べれば、それに影響されて、食べた人の生命エネルギーが下がったり、乱れたりするわけです。
気能値は、測定器から発せられた標準波動に、対象物の波動がどこまで接近しているかを調べて、数値が決まります。
気能値が高い食品はそれだけエネルギーに満ちているので、人体にとって有益です。
人体の健康状態や生命エネルギーの強さも、気能値を測定することによって知ることができます。
そこで私は、クリニックを受診された患者さんたちをはじめ、世界各地の長寿地域に暮らす元気な百寿者(100歳以上の人)たち、標準的な健康状態の赤ちゃんから高齢者まで、大勢の人々の気能値を調べてきました。
すると、非常に興味深いことがわかったのです。
気能値は、人体の各臓器や、脳、神経系、自然治癒能(抗ガン力や抗ストレス力)など、人体の諸機能を細分化して測定することができます。
ガン患者たちの気能値を調べると、当然ガンが発生している臓器は気能値が低いのですが、それ以外で、ガン患者に共通して気能値が大きくマイナスになっている臓器がありました(下の図参照)。
それは、腸と自律神経系です。
やはり腸は、健康の要であることがわかります。
自律神経系は全身の器官をコントロールして体内環境を整える役目がありますから、自律神経の働きが乱れると、ガンなどの病気につながることも納得できます。

100歳超で30〜50歳の自然治癒力!
また、私は0歳から85歳までの一般の日本人の方々の気能値を測定し、加齢とともに気能値がどう変化するかを調べました(下のグラフ参照)。
生まれた直後の赤ちゃんは、内臓や脳神経系、自然治癒能など、全項目の気能値がプラス20の最高値で、生命エネルギーに満ちあふれています。
これが、年齢を重ねるごとに低下していきます。
80代を過ぎると、内臓や脳神経系の気能値はゼロに近づいていき、自然治癒能も1/4程度まで落ちてしまいます。
ところが、世界各地の長寿地域で暮らす百寿者たちの気能値は、日本人のデータと大きく異なっていました。
彼らは100歳をとうに超えているのに、自然治癒能に関しては平均的な日本人の30~50歳並みの高さを維持していたのです。
体に発生した病気や異常を自ら治す自然治癒力を高く保っているからこそ、高齢になっても病気を寄せつけず、元気でいられるということです。
長寿地域に暮らす人々は、その土地が持つエネルギーの恩恵も受けています。
実際、私も実地調査に訪れた後、元気になって帰国する経験を何度もしました。
いいエネルギーに満ちた場所には、その空気や水、その土地で取れた作物にも生命エネルギーが満ちあふれており、そこにいるだけで元気になるのです。

肉や加工食品を避け自然塩や野菜を取る
ただ、誰もが生命エネルギーに満ちた地域に住めるわけではありません。
そこで重要になるのが、食物の気能値です。
気能値の高い食品を積極的に取ることで、自分の生命エネルギーも強化されていきます。
下の表に主な食品の気能値をまとめました。
食品の中でも、最も気能値が高いのは、きれいな海水を濃縮した自然塩や岩塩などです。
自然塩の多くは気能値が90%を超え、生命エネルギーの塊といえるほどです。
ただし、海水から種々のミネラル分を取り除き、塩化ナトリウムだけを抽出した精製塩は、気能値が非常に低いです。
これらは止めて、自然塩を取るようにしましょう。
自然塩を取る限り、摂取量にはあまり神経質になる必要はありません。
また「減塩して殺菌剤添加」の加工食品も新型の低気能値食品です。
砂糖は、ミネラル分を豊富に含む黒糖は気能値が高いですが、精製された白砂糖や、工業的に作られた人工甘味料は気能値が非常に低く、食べた人の生命エネルギーを下げてしまいます。
一般に、ファストフードやインスタント食品などの加工食品は気能値が低く、食品添加物などの化学薬剤はどんなものでも気能値がマイナスなので、これらをできるだけ避けることがたいせつです。
穀類や豆類、野菜などの植物は、全般的に気能値が高いです。
これは、植物には光合成をして、太陽エネルギーを自分で生体エネルギーに変換する力が備わっているためです。
ただし、穀物は精白度によって気能値が変わってきます。
米の場合は、命の源である胚芽が含まれた玄米の気能値が非常に高く、精白度が高くなるにつれて気能値も下がります。
また、有機・無農薬栽培など自然に近い状態で育てられた植物のほうが、気能値は高くなります。
反対に、気能値が低い食品の代表格が、肉類です。
肉の内部には、動物の生命活動によって排泄されるはずだった老廃物や毒素が残っています。
このため肉類は生命エネルギーが低く、食べると腸に消化吸収の負担がかかるのです。
動物性タンパク質をとるなら、肉よりも魚を積極的にとるように心がけましょう。
魚介類が肉より気能値が高いのは、彼らが生命を誕生させた海水中で生活しているからです。
新鮮な海産物の気能値は、一般に肉類より3倍程度高いと覚えておきましょう。
食事の全体的な組み立てについては、気能値が高い玄米を主食にしましょう。
そして副食は、気能値の高い野菜・豆類・根菜・海藻類をメインとし、ぬか漬けなどの漬物や梅干しを添えます。
調味料は、天然のもの(ミソ、しょうゆ、自然塩、醸造酢、黒砂糖)を選びましょう。
気能値が50以下の低い食品は絶対に食べてはいけない、ということはありませんが、食べる場合は気能値が高い食品も必ず同時に食べて、平均点を上げるようにしてください。
食品別「気能値リスト」

解説者のプロフィール

森下敬一
お茶の水クリニック院長。
1928年生まれ。東京医科大学卒業。新しい血液生理学を土台にした自然医学を提唱し、慢性病、難病に苦しむ数多くの人々を根治させ、国際的評価を得ている自然医学の最高権威。国際自然医学会会長、中国・瀋陽(しんよう)薬科大学客員教授、ジョージア・トビリシ国立医科大学名誉教授、韓国・朝鮮大学校大学院教授などを務める。『腸から体がよみがえる「胚酵食」』(共著・青春出版社)など著書多数。
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