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【前立腺炎との違い】前立腺肥大とは?症状と治療法をわかりやすく解説

【前立腺炎との違い】前立腺肥大とは?症状と治療法をわかりやすく解説

前立腺は、膀胱のすぐ下にある男性生殖器の一つで、膀胱内から発した尿道が、前立腺の中心を貫くように通っています。なかでも、最も尿道に近い部分が「内腺」で、その外側に「外腺」があります。このうち、腫れて肥大するのは、尿道に近い内腺です。【解説】古堅進亮(新都心クリニック東京前立腺センター院長)イラスト/古谷充子

解説者のプロフィール

古堅進亮
東京医科大学卒業後、八王子医療センター、立正佼成会附属佼成病院泌尿器科医長を経て、2011年、新都心クリニック・東京前立腺センター院長に就任。経尿道的前立腺切除術、TURP手術(日帰り手術)、前立腺炎、前立腺ガン、膀 胱炎、性感染症、ED外来、尿もれ治療、夜尿症治療などに力を入れている。

前立腺肥大症とは?尿閉とは?

 尿の出だしが鈍い、勢いがなくなる、夜中にトイレに起きる、残尿感が強い、直後に下着を汚す――。
 中年以降の男性が抱える排尿のトラブルは実に多様です。

 このような排尿トラブルの、ほとんどの原因になっているのが、「前立腺肥大症」です。
 前立腺肥大症は、加齢とともに増える男性の疾患で、早い人では40代後半から、60代では約60%、80代では約90%が発症すると考えられています。

 前立腺は、膀胱のすぐ下にある男性生殖器の一つで、膀胱内から発した尿道が、前立腺の中心を貫くように通っています。
 なかでも、最も尿道に近い部分が「内腺」で、その外側に「外腺」があります。このうち、腫れて肥大するのは、尿道に近い内腺です。

 一般に、前立腺肥大症の「腫れ」の正体は良性の腫瘍で、転移することはありません。生命にかかわる病気ではないものの、腫れて大きくなった前立腺の内腺によって、尿道が圧迫されてしまうことが問題なのです。
 尿道の圧迫によって、周囲には血流障害が起こり、排尿をコントロールする神経の働きも低下、膀胱も刺激されます。
 その結果、尿が出にくくなる(排尿症状)、頻尿、残尿感などの症状が現れます。このつらい症状によって、日々の生活の質が低下することになるのです。

 また、最初は症状が軽くてもしだいに進行し、重症になると、尿がまったく出なくなり、激痛を伴う「尿閉」になることもあります。
 一方、前立腺の内腺が腫れると、その外側にある外腺も圧迫されます。精液全体の20%が前立腺で作られますが、精子はこの外腺で作られます。
 外腺への圧迫が続くと、精液をつくる際に出るカルシウムが沈着して結石ができます。結石ができると、前立腺の働きが妨げられ、精子が乏しくなって受精能力が低下してしまうのです。

 このように、前立腺肥大症にかかると、排尿機能に加えて生殖機能も衰えてしまい、男性の機能がことごとく弱く、削がれてしまうのです。
 実は、前立腺が年齢とともに肥大する理由については、いまだに、はっきりとは解明されていません。
 考えられるのは、加齢とともに男性ホルモンの分泌が減少し、相対的に女性ホルモンが増加することで、体内のホルモンバランスが変化し、それが前立腺の肥大化につながっているということです。
 ほかにも、肥満、喫煙、飲酒、肝硬変や高血圧なども、前立腺の肥大と関係が深いといわれています。

前立腺の位置(イラスト)

前立腺の異常(イラスト)

「国際前立腺症状スコア」というチェックリスト

 前立腺の肥大の程度には、個人差があります。
 意外に思われるかもしれませんが、大きく肥大したケースよりも、それほど肥大していないケースのほうが、症状が強く出ることがわかっています。
 前立腺肥大症の手術は、肥大の大きさよりも、症状がどれくらい重いかを重視して選択されるため、肥大の程度が小さい患者さんのほうが、手術を受ける確率が高いのです。
 ちなみに、欧米の男性に比べて男性ホルモンが少ない日本人男性は、肥大の程度が小さく、症状が強い傾向があります。
 自分がどの程度の症状なのかを知る方法としては、「国際前立腺症状スコア」というチェック法を用いるのが一般的です。
 これは自己診断にも活用できますが、泌尿器科の診断にも活用される、世界的な前立腺肥大症の診断法です。
 最近1ヵ月間の排尿トラブルを思い浮かべながら、七つの質問に答えてみてください。
 その結果、合計点数が1~7点までが軽症、8~19点が中等症、20点以上が重症の前立腺肥大症と判定されます。ただし、尿がほとんど出ない「尿閉」の症状がある場合は、点数にかかわらず重症と判断されます。

急増!慢性前立腺炎の原因と症状、治療法について

 前立腺肥大症のほかにも、注意すべき排尿疾患があります。男性の2人に1人がかかるといわれている、「前立腺炎」です。
 なかでも、慢性前立腺炎は、前立腺炎全体の90%を占め、精神的なストレスや座位作業の連続などが原因で起こり、特に働き盛りに多くみられます。
 慢性前立腺炎になると、結石ができ、排尿困難や排尿障害に悩まされます。加えて、肛門、股関節(鼠蹊部)、下腹部に違和感や強い痛みが生じます。
 排尿トラブルが続くようなら、前立腺肥大症に加えて慢性前立腺炎も疑い、専門医の下、抗生物質をはじめとする適切な治療(2〜4週間)を受けることをお勧めします。下半身を冷やさないように気を付けることも大切です。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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