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【緑茶の効果】1日5杯でNASHを予防できる!脂肪肝を防ぐお茶の飲み方

【緑茶の効果】1日5杯でNASHを予防できる!脂肪肝を防ぐお茶の飲み方

現在、急増している脂肪肝は、お酒を飲まなくてもなる非アルコール性脂肪肝です。これまでの研究で、非アルコール性脂肪肝の発症に活性酸素が関係していることがわかっています。これを防ぐのが、緑茶に含まれるカテキンです。カテキンはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があります。【解説】栗原毅(栗原クリニック東京・日本橋院長)

解説者のプロフィール

栗原毅(くりはら・たけし)
栗原クリニック 東京・日本橋院長。
北里大学医学部卒業。
前慶應義塾大学大学院教授、前東京女子医科大学教授。
2008年より現職。医療過疎地とテレビ電話を利用した遠隔治療を行うなど、予防医学の実践者として活躍。
『糖尿病は歯ブラシで治せる』(マキノ出版)、『緑茶を食べると、なぜ糖尿病や認知症に効くのか』(主婦の友社)など書著多数。

●栗原クリニック 東京・日本橋
東京都中央区日本橋3-2-6岩上ビル2F
TEL 03-3516-2200
http://k-sarasara.com/

世界中で研究され万病に有効な緑茶

 緑茶の健康効果は非常に高く、そのため世界中で研究が盛んに行われています。
 糖尿病、脂質異常症、肥満、がん、脳卒中、認知症、歯周病、インフルエンザ、不眠など、まさに万病を予防すると言ってもいいほど幅広い効能があることが、実証されています。

 私の専門である肝臓の病気も、例外ではありません。
 緑茶に含まれるカテキンは、脂肪肝や肝炎を予防し、肝硬変、肝がんの発症リスクを抑えることがわかっています。
 ここでは、日本人に急増している脂肪肝を中心に、緑茶の効能をお話ししたいと思います。

 健康な人の肝臓には、3〜5%の中性脂肪があります。これまでは、それが30%を超えると、脂肪肝と診断されました。 ところが、30%までたまる前に、脂肪が肝機能に悪影響を及ぼすことがわかり、現在は、10%以上になると脂肪肝と診断されるようになったのです。

 そして現在、急増している脂肪肝は、お酒を飲まなくてもなる非アルコール性脂肪肝です。

 糖質をとりすぎると、肝臓はブドウ糖をグリコーゲンの形にして肝臓や筋肉に蓄えます。それでも余るブドウ糖は、中性脂肪に変換されて肝細胞の中に蓄積され、必要なときにエネルギーとして使われます。

 しかし、使われるよりも作られる脂肪のほうが多いと、肝臓にどんどん脂肪がたまっていき、非アルコール性脂肪肝となります。

 これを放置すると、肝細胞が脂肪で膨らんで壊れ、炎症を起こすようになります。これがNASHと呼ばれる非アルコール性の脂肪肝炎です。

 現在、日本人の4人に1人は脂肪肝だと推測されています。このうちの1〜2割は10年のうちにNASHになり、さらに肝硬変や肝がんに進展していくこともあるのです。

 また、脂肪肝になって肝機能の働きが低下すると、栄養がきちんと代謝されなくなり、ブドウ糖やコレステロールなどが血液中に過剰になります。
 すると、糖尿病、脂質異常症、高血圧などを合併しやすくなります。

 脂肪肝は、軽く見られがちですが、このように肝臓の病気だけでなく、メタボリックシンドロームや生活習慣病のベースに、脂肪肝があるのです。

茶葉を丸ごと食べるとよい

これまでの研究で、NASHの発症に活性酸素が関係していることがわかっています。
 活性酸素は、ストレスや紫外線、喫煙、食品添加物など、さまざまなものから発生する悪玉酸素です。

 これを防ぐのが、緑茶に含まれるカテキンです。カテキンはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があります。抗酸化作用とは、活性酸素による酸化ストレスを抑える作用のことです。

 特にカテキンには、肝臓で発生する活性酸素を消去したり、肝臓への脂肪の蓄積を抑制する作用のあることがわかっています。

 また、摂取した糖質や脂質を燃えやすくして脂肪の燃焼を促したり、エネルギーの消費を高めて体脂肪を減らす働きもカテキンにはあります。そうしたことからも、脂肪肝を防いだり、肥満や糖尿病を改善する効果が期待できるのです。

 国立がん研究センターでは1990年から約19年間、9万人を対象に死因と生活習慣の関連を追跡調査しました。その結果、緑茶を5杯以上飲む人は死亡リスクが低下する、すなわち長生きすることがわかりました。

 お茶の産地である静岡県の健康寿命は、女性は全国1位、男性は2位です(平成22年度)。また、同じ県内の掛川市や藤枝市は、がんの死亡率が抜きん出て低いことが知られています。お茶をよく飲む県民性が、みごとに健康に反映されています。

 ですから、お茶を飲む習慣は大事です。しかし、お茶に溶け出るカテキンは、30%ほどしかなく、多くは、茶葉に残っています。したがって茶葉を丸ごと食べたほうが、緑茶の効果をあますところなく活用できるのです。

 それには、粉末タイプの緑茶を溶かして飲んだり、煎茶をミルサーなどで粉砕して、飲むだけでなく料理やお菓子に利用するといいでしょう。
 サラダやパスタ、ヨーグルトなどに振りかけるだけで、おいしく、簡単にカテキンがとれます。

 お茶は入れ方によって溶け出す成分が違います。熱いお茶にはカテキン、ぬるめのお茶にはテアニンが溶け出ます。
 今、注目のテアニンにはリラックス作用があり、血圧を下げたり、不眠を改善する効果があります。

 お茶は1日5杯以上飲むといいでしょう。飲みすぎの害はありません。私は1日1リットルのお茶を、毎日飲んでいます。

脂肪肝を防ぐ緑茶の飲み方

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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