むくみが軽減し顔色がよくなる

私が院長を務める乳ガン術後ケア専門のクリニックでは、毎月一回、プラリマリーウォーキング®の講座を開催しています。
私自身がもともと岡本啓司先生の治療院で腰痛を治してもらったことから、岡本先生の理論や考え方には非常に共感を持っており、かかと体重®で歩くプライマリーウォーキングを乳ガンの術後の患者さんの治療に取り入れることにしたのです。
乳ガンの手術をすると、むくみや上半身の違和感、ツッパリ感を感じる人が多くいらっしゃいます。
姿勢も悪くなるので、血液やリンパの流れをよくすることが大事なのです。
患者さんがプライマリーウォーキングを行うと、むくみの軽減といった効果のほかに、姿勢がよくなり、血流が改善し、顔色がよくなるので、明るさと朗らかさを取り戻す人が多いことを実感しています。
さらに「今までと同じ生活ではまた病気になってしまう」という大きな気づきを得て、体のケアに目を向け、人生を前向きに進んでいけるようになるのです。
乳ガンの患者さんに限らず、プライマリーウォーキングは多くの人の健やかな人生に役立つのではないかと考えています。
筋肉を鍛えるよりまずは姿勢の改善
私は岡本先生と同じように、健康のために筋肉を鍛えるということに疑問を持っており、まずは姿勢を改善することが大事だと思っています。
今はパソコンやスマホを扱う時間が長くなり、姿勢の悪い人が増えています。
その結果、あちこちに痛みが出て、整形外科や整骨院に行っても、根本的な治療にはならず、すんなり治らない人も多いのではないでしょうか。
そんなかたにはぜひプライマリーウォーキングを行っていただき、自分で自分の体を整えていただきたいと思います。
また、姿勢が悪いと、肩こりや腰痛といった整形外科の分野だけでなく、体全体に悪影響を及ぼします。
肺を圧迫して呼吸が浅くなり、自律神経が乱れる、血液やリンパの流れが滞り、内臓機能が悪くなるといった可能性もあるでしょう。
生活習慣をよくするというと、食生活、睡眠、運動などが挙げられますが、姿勢もきわめて重要なのです。
ふだんの姿勢や歩き方を変えるプライマリーウォーキングを知っていると、ケガや病気の予防になり、元気な人生が送れるようになるのではないかと思います。
これからも多くの人にプライマリーウォーキングを実践していただきたいと思います。
解説者のプロフィール

猿丸修平
ブレストクリニック築地院長。1995年、近畿大学医学部卒業。愛知県がんセンター乳腺外科レジデント、癌研究会癌研究所乳腺病理部、山王メディカルプラザオンコロジーセンター、聖路加国際病院乳腺外科を経て、2008年、聖路加国際病院で手術や治療、検査を受けた女性のための乳腺専門クリニックの、ブレストクリニック築地を開設し、現在に至る。日本外科学会外科専門医、日本乳癌学会乳腺専門医。
●ブレストクリニック築地
東京都中央区明石町11-6 加健築地ビル4F
TEL 03-3541-3551
http://www.luke-bc.net/bctsukiji/