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腹圧性尿失禁は扁平足が原因?尿もれ改善法「靴底ティッシュ」のやり方

腹圧性尿失禁は扁平足が原因?尿もれ改善法「靴底ティッシュ」のやり方

尿もれの中でも「腹圧性尿失禁」は、セキをしたとき、クシャミをしたとき、重いものを持ったときなど、ちょっとおなかに力が入ったときによく起こる症状です。週に2回も3回も下着を替えないといけないような尿もれの場合には、大いに気になるはずですし、改善策が必要でしょう。【解説】関口由紀(女性医療クリニックLUNAグループ理事長)

骨盤が倒れると腹圧が膀胱を直撃する

尿もれは女性に多い症状で、40代以上の女性の3人に1人が経験をしたことがあると考えられています。
尿もれの中でも、「腹圧性尿失禁」は、セキをしたとき、クシャミをしたとき、重いものを持ったときなど、ちょっとおなかに力が入ったときによく起こる症状です。

したがって、チョロッと尿がもれた経験が一度くらいあったとしても、気にすることはないのです。
とはいえ、週に2回も3回も下着を替えないといけないような尿もれの場合には、大いに気になるはずですし、改善策が必要でしょう。
私のクリニックにも、尿もれに悩んで訪れる女性が後を絶たず、これまでに5万人以上の方を診察してきました。

尿漏れの悩みがある患者さんの共通点は「ペタンコ足」

そうした中で、私は多くの患者さんに、ある共通点があることを見出したのです。
それは、ペタンコ足、つまり土踏まずがなくなっている、いわゆる偏平足の人が多いということです。

もちろん、すべての患者さんに、初めから「足を見せてください」とお願いするわけではありません。
診察室に入ってきたときに、なんとなく歩き方がおかしいので、そういう人の足を見てみると、たいていがペタンコ足であり、尿もれの悩みを抱えているのです。

では、ペタンコ足だと、なぜ尿もれが起こりやすいのでしょうか。
足にはいくつもの骨があり、本来ならこれらの骨が筋肉・腱・靭帯でつなぎ合わされて、アーチ状になっています。

このアーチがしっかり形成されていれば、正しい姿勢を取ることができるのですが、ペタンコ足の人はアーチが崩れているため、姿勢が悪くなりやすいのです。
姿勢が悪くなれば、骨盤にゆがみが生じ、前後どちらかに傾いてしまいがちです。

たとえばネコ背になると、骨盤は後ろに傾くようになります。
すると、骨盤底筋が伸びてゆるみ、骨盤底筋にうまく力が伝わらなくなり、尿もれを引き起こします。

また、逆に反り返ったような姿勢になると、骨盤は前に傾くようになります。
すると、ぽっこりおなかになって、腹横筋が伸び、連動している骨盤底筋も収縮できずにゆるんでしまい、尿もれが起こるのです。

尿もれを防ぐには、骨盤が正常な位置にあることが大切です。
正常な位置にあれば、腹圧がかかっても、圧が逃げるような構造となります。

しかし、骨盤が倒れると、腹圧がダイレクトに膀胱にかかるので、尿もれしやすくなります。
このように、ペタンコ足は、骨盤のゆがみを生じさせる尿もれの引き金なのです。

みなさんの足は、ペタンコ足になってはいないでしょうか?

ペタンコ足のチェック法

土踏まずにボールペンの先が3cm入らない人は要注意

ペタンコ足かどうかは、簡単にチェックできます。
直径1㎝ほどのボールペンを用意し、足の内側から土踏まずにボールペンの先を差し込んでみてください。

先端から3㎝くらい、スッとボールペンが入れば、正常に土踏まずのアーチが形成されていますが、入らなければペタンコ足の可能性が高いということになります。

ただし、ペタンコ足だったからといって、がっかりする必要はありません。
日頃から靴専門店で売っているような、しっかりとしたアーチを補助する中敷きがついた靴をはくように習慣づければ、本来のアーチを取り戻すことができるでしょう。

とはいえ、アーチを重視した靴は高額で、手に入れづらいかもしれません。
あるいは、アーチがなくてもデザインの気に入った靴をはきたい場合もあると思います。

「靴底ティッシュ」のやり方

そこで、手軽にできるのが、ティッシュペーパーを利用する方法です。

ティッシュペーパーを5枚重ねて半分に折るのを4回くり返すと、約5㎝角の小さなクッションができます。
これを土踏まずのかかと寄りに置き、そのまま足を入れて靴をはくのです。

こうすることにより、足の舟状骨が持ち上げられ、骨盤をしっかり立てることができるようになります。

実際、この「靴底ティッシュ」を続けていくと、ペタンコ足だった人も姿勢がよくなり、骨盤のゆがみが改善します。
そして、半年ほどで尿もれがなくなったという人が多いのです。

姿勢の悪さは尿もれの大きな原因です。
骨盤が前後に倒れないよう、常に姿勢を正すことを意識していただきたいと思います。

解説者のプロフィール

関口由紀(せきぐち・ゆき)
女性医療クリニックLUNAグループ理事長。
1989年、山形大学医学部卒業。泌尿器科専門医、漢方専門医、横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学非常勤教授。2005年、横浜市に女性医療クリニック・LUNAを開設。中高年女性のトラブルに多方面から対応するとともに、女性泌尿器科、女性内科、婦人科、乳腺外科、皮膚科による総合的な健康サポートを目指す。著書に『女性ホルモンの力でキレイをつくる本』(朝日新聞出版)などがある。

●女性医療クリニックLUNAグループ
http://www.luna-clinic.jp/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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