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頻尿・尿もれを改善する男の骨盤底筋体操「ながら肛門締め」のやり方

頻尿・尿もれを改善する男の骨盤底筋体操「ながら肛門締め」のやり方

50~60代以上の中高年男性に多く見られる前立腺肥大症という病気をご存じでしょうか。前立腺は精液を作る場所で、膀胱の下部、尿道を囲むように存在する臓器です。健康な人の前立腺はクルミ大のサイズですが、40代半ばからこれが硬くなり、それから徐々に大きくなっていくといわれています。【解説】持田蔵(西南泌尿器科クリニック院長)

解説者のプロフィール

持田蔵(もちだ・おさむ)
●前立腺医療センター 西南泌尿器科クリニック
福岡県福岡市城南区別府3-1-6
TEL 092-852-2131
http://www.seinanuc.com


西南泌尿器科クリニック院長。
日本泌尿器科学会専門医・指導医。
前立腺肥大症手術の映像をリアルタイムで会場に映し出すライブデモンストレーターも務める。

おしっこの問題は前立腺が引き起こす

50~60代以上の中高年男性に多く見られる前立腺肥大症という病気をご存じでしょうか。
前立腺は精液を作る場所で、膀胱の下部、尿道を囲むように存在する臓器です。

健康な人の前立腺はクルミ大のサイズですが、40代半ばからこれが硬くなり、それから徐々に大きくなっていくといわれています。
前立腺肥大はこうして起こるのです。

この病気になる原因はまだ解明されていませんが、加齢に伴ってテストステロン(男性ホルモンの一つ)の分泌量が低下し、ホルモンのバランスがくずれることが影響していると考えられています。
前立腺肥大症の主な症状は、おしっこの悩みです。

「おしっこが近い」「出にくい」「出し切った感じがしない」「トイレに行く前にもれてしまう」などが代表的でしょうか。
これはまだ初期症状で、進行すると膀胱や腎臓にさまざまなダメージが及びます。


前立腺肥大症かも?と思ったら泌尿器科の受診を

また、自分では全部出し切ったつもりでも、実は膀胱に尿が残ることもあります(残尿)。
慢性的に残尿があると、「トイレに行ったのに、またすぐ行きたくなる」という頻尿の症状が出るばかりか、残った尿に細菌が混じって膀胱炎のリスクも高まります。

尿もれ、頻尿、残尿などの症状は、さまざまな原因によって起こりますが、中高年男性の場合には、前立腺肥大症が引き起こす過活動膀胱(膀胱が過敏になり、自分の意に反して収縮してしまう病気)が原因の場合が多いです。
こうした症状にお悩みで、年齢的に前立腺肥大症が疑われるようなら、ぜひ泌尿器科を受診してください。

ただし、前立腺肥大症には生活習慣も大いにかかわっています。
前立腺肥大症を改善するために自分でできることが、たくさんあるのです。

前立腺肥大症を改善するためのセルフケア

まず大事なのは、運動と食生活の改善です。
特に肥満の人は、前立腺肥大症になりやすいことが指摘されています。
そして肥満を解消すると、前立腺肥大症の改善にもつながります。

私は患者さんに、自宅でできる簡単な筋力トレーニングをお勧めしています。
筋トレは男性更年期特有の勃起不全(ED)やうつ症状の改善にも有効です。

食生活では、糖質や脂質のとりすぎに注意してください。
甘いものやお酒、ご飯・パン・めん類などの炭水化物は、ほどほどにしましょう。

大豆食品を積極的にとるのもお勧めです。
大豆イソフラボンを多く含む納豆、豆乳、きな粉などの大豆製品を食べると、前立腺肥大症の症状が出にくいといわれています。

男性にも有効な「骨盤底筋体操」

また、頻尿や尿もれでお困りの人には「骨盤底筋体操」がお勧めです。
骨盤底筋とは、腸や膀胱、前立腺などの臓器を下からハンモックのように支えている筋肉の総称です。

もともと骨盤底筋体操は、男性よりも女性の尿失禁予防に有効とされています。
なぜなら女性は体の構造や出産の影響から骨盤底筋が衰えやすいからです。

つまり、それらが尿失禁につながるため、筋力低下防止のために骨盤底筋体操を行う人が多くいます。
そのため、体の構造が違って出産のない男性に骨盤底筋体操は効果が薄いと長年考えられていたのですが、実は男性にも効果があることが判明しました。

男性が骨盤底筋体操を行うと、膀胱や前立腺の血流が促されます。
それと同時に、尿道括約筋(会陰部にあって排尿時に膀胱の開け閉めを行う門の役割をする筋肉)の収縮性も高まり、尿もれしにくくなるのです。

男の尿もれ・頻尿を改善する骨盤底筋体操のやり方

骨盤底筋体操のやり方は簡単です。
まず、鼻から大きく息を吸い、ゆっくりと吐いてリラックスします。

その後、肛門を約10秒間、ギュッと締めた後、ゆるめるだけです。
立った姿勢、座った姿勢、寝た姿勢、いずれでもできます。

男性で骨盤底筋体操を行うことに抵抗がある人も多いかもしれませんが、「ながら」で行えば周囲の人にバレることもありません。
ポイントはくり返し、たくさん行うことです。

前立腺肥大症が進行している場合は治療が必要ですが、骨盤底筋体操を継続して行えば、尿もれをはじめ、おしっこの悩みの改善に役立つでしょう。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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