みその酵素を壊さずにそのまま摂取できる
私が主宰する料理教室では、身近な食材を使って、健康で美しい体を作る知識と調理方法をお伝えしています。
その中で重要なカギとなっているのが、「酵素」です。
酵素は、体内で起こるさまざまな化学反応を促進する物質です。
体の中でも作られますが、その量は常に充足しているわけではありません。
しかも、加齢とともに、体内での合成量はどんどん減っていきます。
酵素が不足すると、代謝が低下し、免疫力(体の防御機構)が落ちて、病気にかかりやすくなってしまいます。
体内の酵素不足を補うためには、外部から酵素をとり入れる必要があります。
つまり、酵素を多く含む食品を積極的に食べることが望ましいのです。
酵素が多い代表的食品といえば野菜や果物ですが、これらは体を冷やす作用があるため、とりすぎはお勧めできません。
そこで注目したいのが、「みそ」。
日本の伝統的な発酵食品であるみそには、非常に多くの酵素が含まれているからです。
みそのとり入れ方として、おそらく100%近いかたが思い浮かべるのは、みそ汁だと思います。
ところが、調理時に高温で加熱する一般的なみそ汁では、植物性たんぱく質などの栄養素はとれても、酵素の力は生かせません。
酵素には、75℃以上になると活性が失われるという弱点があるからです。
そこで、私が考案したのが、「50℃みそ汁」です。
これは、基本の具材である切り干し大根とコンブに50℃のお湯を注ぎ、そこにみそを溶かすというものです。
みそが高温にならないので、これならみそが持つ酵素をそのまま摂取できます。
具材として使う切り干し大根とコンブは、ビタミン、ミネラルが豊富な食材です。
加熱しなくても、甘味とうま味がとれるという利点があります。
実際、50℃みそ汁を飲み始めた生徒さんの多くは、肌がきれいになった、やせた、血圧やコレステロール値が下がった、アトピーが改善した、便秘が解消したなど、さまざまなよい効果を実感しています。
また、尿のトラブルに対しても効果があり、夜間頻尿が治ったという声もよく聞きます。
これは、自律神経のバランスを整える作用が、酵素にあるからだと考えられます。
ミネラルバランスを整え頻尿を改善する
ストレスなどで高ぶった交感神経の興奮を抑え、副交感神経とのバランスが取れれば、眠りが深くなり、夜間に目を覚ますことが少なくなります。
事実、不眠に悩んでいた生徒さんからは、睡眠導入剤が不要になったという声も多く聞かれます。
さらには、男性の夜間頻尿には、前立腺の肥大が関係していることも多いのですが、その前立腺の働きは自律神経がつかさどっています。
自律神経の働きがよくなった結果、前立腺の働きが改善され、夜間頻尿がなくなるのは十分に考えられることです。
加えて、50℃みそ汁はミネラルがたいへん豊富で、ナトリウムとカリウムのバランスを整えます。
私たちの体は、ナトリウムとカリウムのバランスがくずれると、頻尿やさまざまな不調が起こりますが、この点でも、50℃みそ汁は有益なのです。
ちなみに、私も以前はクシャミをしたりすると尿がもれそうになることがよくありました。
それが、50℃みそ汁を飲むようになってからは、こうした症状がいっさいなくなり、とても助かっているのです。
まずは1~2ヵ月、いつものみそ汁を50℃みそ汁に変えてみてください。
きっと体が変わってくるのを実感できるはずです。
50℃味噌汁で期待できる効果

・便秘解消
・ダイエット
・美肌
・快眠
・高血圧・高血糖の改善
・アトピーの改善
・生理痛や生理不順の改善
・免疫力アップ
・気持ちが落ち着く
など
下準備なしですぐできる!50℃みそ汁の作り方




具を変えても美味!排泄力が高まる【アレンジ50℃みそ汁】
50℃みそ汁は、切り干し大根とコンブ以外でも作れます。その場合も、最大のポイントは「50℃の湯を使う」こと。50℃は、指を入れるとちょっと熱いと感じる程度です。
干しシイタケ&煮汁&みそ の作り方
体内に蓄積した動物性たんぱく質を分解して排出する


季節の野菜スープ&みそ の作り方
野菜がたっぷりで満腹


すりおろしゴボウ&みそ の作り方
便秘解消にお勧め


ワカメ&おから&みそ の作り方
食物繊維がたっぷり


解説者のプロフィール

人見惠子
ミレット・スタイル代表。
体質改善料理指導家
自らの肌トラブル改善のため、あらゆる調理法を研究し、食生活が不調を改善することを実感日々の食生活で体内にたまった老廃物の排出を促し、健康で美しくやせ体質へと導く料理教室を開催。
●ミレット・スタイル
http://www.millet-style.com/