MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
気分の落ち込みやEDは男性更年期障害も疑え!改善に軽い“筋トレ”がいい

気分の落ち込みやEDは男性更年期障害も疑え!改善に軽い“筋トレ”がいい

男性にも「更年期障害」があるのをご存じでしょうか。男性の更年期障害は、加齢に伴うテストステロン(男性ホルモンの一つ)の分泌量の低下が主な原因となり、50~60代以降の中高年男性に現れる心と体の不調をいいます。【解説】持田蔵(西南泌尿器科クリニック院長)

男性にも更年期障害がある!

男性にも「更年期障害」があるのをご存じでしょうか。
男性の更年期障害は、加齢に伴うテストステロン(男性ホルモンの一つ)の分泌量の低下が主な原因となり、50~60代以降の中高年男性に現れる心と体の不調をいいます。

男性は50代くらいから職場で重責を担うようになったりして、心労が増える人が少なくありません。
さらに60代以降は定年退職を迎えるなど、この時期の男性を取り巻く環境の変化も発症の引き金になります。

男性更年期障害に伴う主な症状は、別記事で解説した前立腺肥大症に伴う排尿障害、それに加えてED(勃起不全)、睡眠障害、意欲の減退や気分の落ち込み(抑うつ状態)などです。
関節や筋肉の痛み、発汗などが出ることもあります。

男性更年期障害は一般にはあまり知られておらず、理解されにくいですが、近年は専門外来を設ける泌尿器科や内科、メンタルクリニックも増えました。
特に、排尿障害やEDなど泌尿器系の問題が深刻な人が多いため、泌尿器科を受診する人は多くなっています。

一方、気分の落ち込みなどメンタル症状が強い場合、メンタルクリニックの受診を考える人もいます。
ここで注意してほしいことがあります。

男性更年期障害を専門的に診ているメンタル専門の医師であれば問題ないですが、そうでない場合、男性更年期障害を疑わずにうつ病を疑って、抗うつ薬が処方されることがあります。
抗うつ薬は男性更年期障害には欠かせないテストステロンの分泌を低下させて、EDの原因にもなります。

ですから、抑うつ状態の背後に男性更年期障害がある場合、抗うつ剤を服用すると症状が改善しないばかりか、ほかの不調を招くかもしれません。
この点は、注意しましょう。

さて、中高年男性の多くが悩む症状の一つがEDです。
EDは動脈硬化をはじめとする血管障害、神経の障害、心理的な要因などさまざまな原因によって起こりますが、更年期障害による男性のED改善にお勧めなのは、筋力トレーニングです。

筋トレといってもムキムキになることが目的ではないので、ハードなトレーニングをする必要はありません。
この場合の目的は、ホルモンを分泌させることなのです。

運動と筋トレで糖尿病の数値が改善しEDが解消

当院の患者さんを一例として紹介すると、ある70代の男性Aさんは糖尿病や肥満があり、かねてから内科の主治医に運動を勧められてきました。
しかし、なかなか実行できなかったそうです。

そんな折り、EDや尿の出が悪くなる症状に深く悩まれて当院を受診されたので、これを機会にと、運動と筋トレを強くお勧めしました。
するとAさんは毎朝30分のウオーキングと、夕方に軽い筋トレとして階段昇降などを日課とするようになりました。

半年ほど熱心に実践すると、糖尿病の数値が改善し、肥満も解消しました。
オシッコの出もよくなり、EDまでもが解消したと大喜びされていました。

実際に性交渉があるかどうかはさておき、多くの男性にとって、高齢でも「勃起できる」ことは人としての自信につながります。
異性への関心や積極性が回復し、気持ちが若返った、夫婦仲がよくなったなどの声もよく聞かれます。

「80歳過ぎで、また性交渉できるようになった!」と興奮して語っていた患者さんもいました。
なぜ筋トレでEDが改善できるかをご説明しましょう。

筋トレを行うと、乳酸という物質がたまります。
乳酸は、体のさまざまな機能を調節する「成長ホルモン」の分泌を盛んにします。

成長ホルモンが活性化すると、性機能を高めるテストステロンが分泌されるからです。
また、成長ホルモンは血管を丈夫にする作用があるので、血流が深く関係するEDの改善に役立ち、動脈硬化の予防にもなります。

加えて、適度な運動はメンタル面にもよい影響を及ぼすことが明らかになっています。
筋トレは、太もも前面の大腿四頭筋など、大きな筋肉から鍛えるのがコツです。
そのほうが、成長ホルモンの増加に役立つのです。

大腿四頭筋を鍛える運動としてはスクワットがよく知られていますが、ここでは中高齢者でも無理なく行える「足ブンブン体操」をご紹介します(やり方は下図)。
筋トレとともにウオーキングなど有酸素運動を行うと、肥満の解消や心肺機能の改善に役立ち、さらに効果的です。

その場合「先に筋トレしてから、有酸素運動」という順番にすると、成長ホルモンが出て、脂肪燃焼の効率が高まります。
男性更年期障害や前立腺肥大症の治療とともに、筋トレなど運動の習慣を身に付けると、EDが解消する中高年男性は多くいらっしゃいます。

体の変化を実感すると、気持ちも明るくなり、体の不調の改善にもつながります。
なにか一つよくなると、いろいろと好転して、男性更年期障害を乗り越えていく人が多いです。

ED撃退&勃起力アップ!足ブンブン体操

1.
イスの真後ろに立って、両手または片手で背もたれを持ちます。

2.
左足を床から浮かせ、約4秒かけてゆっくりと左側に足を上げます。
バランスをくずさない程度の高さまで上げましょう。

3.
約4秒かけてゆっくりと足を下ろして元に戻します。
右足でも同様に行います。

・片足10回ずつで1セット
・1日に2~3セット行う

解説者のプロフィール

持田蔵(もちだ・おさむ)
●前立腺医療センター 西南泌尿器科クリニック
福岡県福岡市城南区別府3-1-6
TEL 092-852-2131
http://www.seinanuc.com


西南泌尿器科クリニック院長。
日本泌尿器科学会専門医・指導医。
前立腺肥大症手術の映像をリアルタイムで会場に映し出すライブデモンストレーターも務める。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
トマトには強力な抗酸化作用を有するリコピンが豊富に含まれています。リコピンは精巣内に高濃度で存在することが明らかになっています。私たちの研究ではトマトジュースを継続的に飲むことで、実際に精子が元気になることが確認できました。【解説】岩本晃明(医療法人財団順和会山王病院リプロダクション・婦人科内視鏡治療センター医師)
更新: 2018-09-03 23:36:51
更年期障害は、女性にのみ生じるものと考えられてきましたが、近年、男性にも起こることがわかってきました。それが「男性更年期障害」です。男性ホルモン「テストステロン」が減ることで性機能の低下や精力減退だけではなく、さまざま不定愁訴が起こるのです。早い人は、40歳くらいから始まります。【解説】林督元(弘邦医院院長)
更新: 2018-09-12 11:28:00
MCTオイルコーヒーを始めて2カ月で25kgやせました。服のサイズはもちろん、靴のサイズまで小さくなりました。さらに驚いたことに、精力がアップしたのです。やせるまで、ここ10年近くもセックスはご無沙汰だったのが、MCTオイルでやせてからは20代の頃のように精力が復活しました。【体験談】金森重樹(企業グループオーナー)
更新: 2018-09-07 17:25:17
最新記事
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2019-05-27 18:00:00
なぜ、クルミが耳鳴り解消に効くのでしょうか。東洋医学的には、耳鳴りの原因は血や水の巡りの悪さにあるとされるので、クルミの利尿作用が効果をもたらしたといえます。一方、西洋医学的に考えると、注目すべきは、クルミに含まれるα ─ リノレン酸の働きです。【解説】小川哲夫(小川医院理事長)
更新: 2019-05-26 18:00:00
日本の発酵食品(しょうゆ、みそ、日本酒など)を作る上で、こうじはなくてはならないものです。こうじは、蒸した米や麦、大豆などに、こうじ菌という微生物を繁殖させたものでこうじ菌が作った栄養成分がぎっしり詰まっています。こうじについては多少の知識がありますので、少しお話しさせてください。【解説】浅利妙峰(糀屋本店女将) 
更新: 2019-05-25 18:00:00
「腰が痛い!」幅広い年齢層に蔓延する腰痛。しかし、病院に駆け込んで、骨や神経に異常が見つからない場合は「非特異的腰痛症」と診断されます。非特異的、つまり、原因不明の腰痛という意味。なんとも不思議な病名です。「腰が痛い」という異常があるから病院に来ているのに……。【解説】戸田佳孝(戸田リウマチ科クリニック院長)
更新: 2019-05-24 18:00:00
これまで、疲労が起きるのは、「エネルギーがなくなるから」「疲労物質が筋肉にたまるから」と考えられてきました。しかし、最新の研究によって、疲労が起きるほんとうの理由は、「自律神経の中枢である、脳がサビつくから」ということが、わかっています。【解説】梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)
更新: 2019-05-23 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt