心身が不調な人は目も不調
私は、群馬県桐生市で断食道場を開いています。
ここで、心身にさまざまな不調を抱える人たちに、断食を指導しています。
断食の目的は、「出す」ことだと私は考えています。
体内にたまり、心身に悪影響を与えているものを出して、体をよい状態にすること。
そのための方法が、食事を減らしたり、一定期間抜いたりすることなのです。
さて、私の道場には、ダイエットをしたい人や、糖尿病や高血圧の人、またガンなどの難病の人がいらっしゃいます。
そうした人の多くに共通しているのは、疲れ目や眼精疲労、白内障や緑内障など、目の不調もあるということです。
現代に生きる私たちは、どうしてもパソコンやスマートフォンを見る機会が多くなります。
すると当然、手元ばかりを見るので、毛様体筋(目のレンズである水晶体の厚さを調整し、ピント合わせをする)が疲労し、目がかすんだり、見えづらくなったり、目の疲れを感じたりするわけです。
ずっと同じ姿勢で作業をすると、肩や首がこるでしょう。
目も同じで、手元ばかりを見て、遠くを見ることが少なくなれば、やはりコリが生じるのです。
体内にたまった毒が目に悪影響を及ぼす
そして、目の不調の最大の原因は、私たちの体が酸性に傾き過ぎているということです。
道場で取り入れているマクロビオティック(玄米菜食を中心とした食事療法)では、体が酸性になると、病気を引き寄せると考えます。
体が酸性に傾く原因は、肉や魚、卵や白砂糖、酒などの過剰摂取です。
また、東洋医学では肝臓の疲れが、目の不調と深く関係しているとされます。
肝臓に負担をかけるのは、添加物が多く含まれた食品や、動物性のたんぱく質などです。
目の不調を改善するには、体内にたまり過ぎた、こうした「毒」を排出することが大切です。
そこで、道場を訪れる人に、断食療法の実践や食生活の改善のほか、必ずといっていいほど行ってもらうのが、「番茶シップ」です。
驚くほど大量の目ヤニが出た!

番茶は、目の手当て法として、マクロビオティックの世界では古くから行われています。
方法は簡単です。
天然塩を少々加えた番茶に脱脂綿を浸し、それを目に当てて温めるだけです。
また、少量の番茶を直接目につけ、まばたきをして目を洗う「番茶洗眼」もあります。
なぜ、この方法で目の不調を改善できるのでしょうか。
理由の一つは、温熱効果により目の周辺の血行がよくなることです。
目の不調は肩こりのようなもの、と言いましたが、コリをほぐすには温めて血流をよくすることが効果的です。
そして、もう一つの理由は番茶が、強いアルカリ性だということです。
体が酸性に傾き過ぎないよう、歯止めをかけることが期待できます。
さらに、番茶は殺菌力が高く、体にたまった毒を体外に出すとされます。
また、少量入れる天然塩にも排毒効果のほか、目を引き締める効果があります。
実際、私自身、番茶シップと番茶洗眼で、下がった視力と白内障を克服した一人です。
中学生のころ、アトピー性皮膚炎を発症しステロイドの治療を始めました。
そのころから、目が見えにくくなり、1.0あった視力は0.1まで下がってしまい、さらに軽い白内障にもなってしまったのです。
目が見えにくく不便でしたが、解決法がわからず、そのまま生活していました。
そして、20歳を超えた頃、私の師匠で断食療法の指導家である、故・牧内泰道先生に出会ったのです。
牧内先生から、番茶シップと洗眼を教わり行ったところ、2日目の朝、自分でも驚くほど大量の目ヤニが出ました。
後で知ったことですが、これは目にたまった毒素が排出された証拠なので、心配はいりません。
そして、毎日欠かさず行ったところ、1ヵ月ほどで視力が元の1.0に戻ったのです。
白内障は元から症状が軽かったこともあり、まったく気にならなくなりました。
今は、本や資料を多く読むため、視力は0.7くらいですが、日常生活にまったく支障はありません。
こうした経験から、私は番茶シップをお勧めしています。
手軽な方法なので、ぜひ試してみてください。
番茶シップ・番茶洗顔のやり方

解説者のプロフィール

藤野幾三
桐生断食道場道場長。
食養(マクロビオティック)、ヨガの指導者。断食療法により、さまざまな体調不良に悩む4000人以上の人を回復に導いてきた。
●桐生断食道場
http://refresh-kiryu.com/