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滑舌は「割りばしトレーニング」で良くなる!声が若返る方法

滑舌は「割りばしトレーニング」で良くなる!声が若返る方法

話をしていると、聞き返されることが多い。声がこもって小さい。舌が回らない。言葉につまる。声がかすれたり、しわがれたりしてきた。思わず、自分のことだとうなずかれたかたも多いのではないでしょうか。これらは、年齢を重ねると誰もが経験する、いわば声の老化現象です。【解説】上野由紀(上野ヴォーカルアカデミー校長)

上野由紀
45年以上続く上野ヴォーカルアカデミーの3代目校長を務める。発声、発話方法、音痴矯正、ヴォイストレーニングなどのレッスンを一般向けに指導するとともに、元プロ歌手(1980年代にデビュー)の経験を生かし、歌手、声優等プロを目指す人たちの養成も行い、多方面で活躍。

声を出すための筋力を効果的に鍛える

話をしていると、聞き返されることが多い。
声がこもって小さい。

舌が回らない。
言葉につまる。
声がかすれたり、しわがれたりしてきた。

思わず、自分のことだとうなずかれたかたも多いのではないでしょうか。
これらは、年齢を重ねると誰もが経験する、いわば声の老化現象です。

私はヴォイストレーナーとしてこれまでに2万人以上の人たちの声を聞いてきましたが、声が老けている人は外見や印象も老けて見えます。
また、冒頭のような声の老化にまつわる悩みを抱えていると、コミュニケーションが取りにくくなり、気持ちまで老け込んでしまう例が多いのです。

でも、ご安心ください。
今回ご紹介する「割りばしトレーニング」を行えば、どなたでも、自宅で簡単に若々しい声を取り戻すことができます。

割りばしトレーニングは、「上野ヴォーカルアカデミー」の前校長である私の兄、故・上野直樹が30年以上前に考案した、話し声をよくすることに特化した発声訓練法です。

なぜ、発声訓練に割りばしなのでしょう。
そもそも話し声をよくするためには、四つの条件が必要になります。

一つ目が「呼吸がしっかりしていること」。
これは、息を素早く出し入れする腹式呼吸を心がけるようにすることで、声の通りがよくなります。

そして、残りの三つの条件が、「舌の動き」「声帯の働き」「口の開き」が、それぞれよいことです。
すべての老化現象は筋肉の衰えから始まると言われますが、舌を動かす筋肉が衰えてくると、舌がうまく動かずに滑舌が悪くなるわけです。

声帯もしかりで、加齢でのどの筋肉が衰えてくると、声帯の開閉がスムーズにいかなくなり、声が出にくくなります。
口の周りやあごの筋肉が衰えて、口の開閉がスムーズにいかなくなると、モゴモゴとしたはっきりしない話し方になっていきます。

これらの筋肉を鍛えるのに、割りばしが役立ちます。
割りばしをかんだり、鼻の下に挟むことで口の中や口周りを安定させ、発声訓練をすると、声を出すために必要な筋肉が、効果的で安全に鍛えられるのです。

今回は、3種類の割りばしトレーニングをご紹介します。
それぞれの詳しいやり方については、別記事(割りばしトレーニングのやり方)を参照してください。
ここでは、各トレーニングの効果についてご説明しましょう。

シワやほおのたるみにも効果がある

割りばしトレーニング1:舌を鍛える

これは、舌を鍛え、滑舌をよくするトレーニングになります。
高齢になると、滑舌のよさは若さを印象付ける大きな要素になります。

舌がもつれて何を言っているかわからない、言葉がはっきりしないという人には特にお勧めのトレーニングです。
滑舌だけでなく、食べ物をかむ力や、飲み込む力が衰えた人の改善にも役立ちます。

年を取って舌の動きが悪くなると、あごの動きで舌の動きを補って話そうとします。
この話し方が、お年寄りのモゴモゴした声の一因です。

そのため、このトレーニングでは、割りばしを左右の奥歯でかんであごを固定し、舌を上下に動かしながら発声します。

割りばしトレーニング2:声帯周りを鍛える

声が枯れる、声が弱弱しい、声がこもるなど、自分でも声が老けたと自覚があるかたに特にお勧めのトレーニングです。
毎日続ければ、高音も低音もきれいな、若々しい声が出せるようになるでしょう。

割りばしを鼻の下に挟んでひょっとこ口にし、唇をしっかりした状態にしてから、発声するのがポイントです。
口の周りの筋肉やあごの筋肉に力が入っているかをよく意識して、声帯周りの筋肉を鍛えてください。

割りばしトレーニング3:口周りの筋肉を鍛える

前歯で割りばしをかんでくちびるを安定させた状態で、くちびるを縦と横にしっかり動かして発声するのがポイントです。
このトレーニングを行うと、口を正しく開いて発音できるようになり、聞き取りやすい声になります。

このトレーニングを行うと唾液がよく出ますが、唾液が出ると口内が潤い、声帯にもよい影響を及ぼします。
気にせずに唾液はどんどん出して、出た唾液は飲み込みましょう。

口周りの筋肉をしっかり動かすため、声がはっきりするだけでなく、顔の筋肉が鍛えられ、あごやほおのたるみの改善、シワ取り効果も期待できます。
また、口に近い耳付近の血流もよくなるため、このトレーニングを始めてから、耳鳴りや難聴が改善した人もいるのです。

以上の割りばしトレーニングは若い世代の声の悩み、例えば滑舌が悪い、話し下手、声に魅力がないなどにもお勧めできます。
ぜひ、お試しください。

割りばしで老け声や話し方の悩みを解消!

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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