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【皮膚科医推奨】抜け毛対策のシャンプー法 原因は免疫力低下で若い人に薄毛が急増中

【皮膚科医推奨】抜け毛対策のシャンプー法 原因は免疫力低下で若い人に薄毛が急増中

近年、中高年や高齢者だけでなく、子どもや若い世代にも抜け毛や薄毛に悩む人が増えてきました。大きな原因は、免疫力(病気に抵抗する力)の低下です。そこで私が抜け毛や薄毛対策に患者さんに勧めているのが「きな粉シャンプー」です。【解説】永峯由紀子(永峯クリニック銀座院長)

解説者のプロフィール

永峯由紀子(ながみね・ゆきこ)
●永峯クリニック銀座
東京都中央区銀座7-10-5
ランディック第3銀座ビル3階
http://nagamineclinic.com/

永峯クリニック銀座院長。
東京大学大学院修了。
医学博士。専門は形成外科・皮膚科、ペインクリニック科。
女性のライフスタイルに即した、きめ細やかな診療に定評がある。

免疫力の低下が抜け毛や薄毛を招く

近年、中高年や高齢者だけでなく、子どもや若い世代にも抜け毛や薄毛に悩む人が増えてきました。
大きな原因は、免疫力(病気に抵抗する力)の低下です。

加齢だけでなく不規則な生活による運動不足や睡眠不足、食事の乱れ、冷えやストレスなどで免疫力が低下します。
すると、血液循環が悪くなり十分な酸素と栄養が、髪の毛を作り出す細胞である頭皮の毛母細胞にまで届かず、抜け毛や薄毛を誘発します。

また、紫外線や乾燥など直接的なダメージによって、頭皮そのものの免疫力が落ちて頭皮がもろくなり、髪が抜け落ちてしまうのです。

さらに、閉経前後の女性は毛母細胞の活動にかかわる女性ホルモンが、急激に減少します。
一つの毛穴から生える髪の本数が減ったり、髪そのものがやせたりして、全体的に薄毛になってしまうのです。

出産後、一時的に脱毛するのも似た理由です。
発毛や育毛の方法としては、頭皮マッサージや塗り薬、飲み薬もありますが、まずは頭皮の状態を清潔、健康にし、毛母細胞を活性化することが重要です。

そのために、体を冷やさないようにして体温を上げる、栄養バランスの取れた食事をする、睡眠をしっかり取る、禁煙するなど、免疫力を高める生活習慣を心がけることが基本です。

シャンプーの使い方が頭皮の荒れを招くことも

シャンプーやカラーリング剤などに含まれる、合成界面活性剤や化学物質などから頭皮を守ることも必要です。
合成界面活性剤は、汚れを落とす力は強いのですが、毛髪と頭皮に負担を与えることもあります。

実際、患者さんの頭皮を見ると、シャンプーの間違った選び方や使い過ぎによる頭皮の荒れが原因で、フケやかゆみを発症しているケースも少なくありません。
このような状態では、健康な髪が生えてくることはありません。

そこで私が抜け毛や薄毛対策に患者さんに勧めているのが「きな粉シャンプー」です。

昔の人は大豆のゆで汁で洗髪していた

きな粉の原料である大豆には、サポニンという成分が含まれています。
サポニンは天然の界面活性剤の一種で、毛髪の汚れだけでなく、毛穴の奥に詰まった皮脂の汚れをやさしく取り除きます。

自然の力で頭皮を健康にして、発毛を促進するのです。
昔は、大豆のゆで汁を石けん代わりにして、髪を洗っていたようです。

さらにきな粉には、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする「イソフラボン」が豊富に含まれています。
きな粉シャンプーによって、育毛に役立つ女性ホルモン様物質を、頭皮に直接与えられるのです。

つまりきな粉シャンプーは、毛穴に詰まった皮脂の汚れを除去し、同時に毛母細胞の働きを活性化するイソフラボンを吸収させるという、一挙両得の働きをすると考えられます。

きな粉シャンプーのやり方

やり方は簡単です。

きな粉をぬるま湯で溶かして頭皮全体にふりかけ、指の腹で地肌にやさしくもみ込み、仕上げにお湯でよくすすぐだけです。
ポイントは、事前に丁寧にブラッシングをすることです。

ブラシで髪や頭皮についている皮脂や汚れを浮き上がらせ、お湯でしっかり洗い流してください。
これは、普通のシャンプーで洗うときにも、ぜひ行うとよいでしょう。

髪の洗い上がりが断然違います。
なお、どうしても普通のシャンプーで洗いたい場合は、週に1~2回程度、少量を使って洗うようにしましょう。

きな粉シャンプーは大豆アレルギーの人でも行えますが、まれに体質に合わない場合があります。
頭皮にかゆみなどを感じたら、すぐに中断しましょう。

これからの季節は紫外線が特に強いので、外出時は日傘や帽子で頭皮を守ってください。
紫外線は、髪や地肌の乾燥や、局所免疫異常の原因にもなります。

頭皮まで栄養がいきわたるように、体を温め、適度な運動も心がけましょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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