
森本英世(もりもと・ひでよ)
1949年、大阪府出身。
渡辺プロダクションの新人オーディションに合格し芸能界入り。
1969年、新田洋の芸名で歌手デビューし、TVアニメ主題歌『行け!タイガーマスク』、エンディングテーマ『みなし児のバラード』が250万枚の大ヒットを記録。
森本英世に改名し、「敏いとうとハッピー&ブルー」にリード・ボーカルで参加。
1973~1983年の10年間で『わたし祈ってます』『星降る街角』『よせばいいのに』が立て続けにミリオン・セラーに。
その後独立し、今日に至る。
本人作詞による、デビュー45 周年記念曲『涙にぬれる大阪の女(ひと)』が好評発売中。
タイガーマスクが60歳過ぎて始めた「体操」とは?
今年で、歌手生活45周年を迎えました。
21歳のときに、テレビアニメの『タイガーマスク』の主題歌を歌ったのが、私のデビューです。
それから3年後に、芸名を森本英世に変え、「敏いとうとハッピー&ブルー」にリードボーカルとして参加しました。
ムード歌謡、『わたし祈ってます』や『よせばいいのに』は、当時20代の私が歌っていたのです。
35歳でソロとして独立した後は、コンサートやディナーショーを中心に活動してきました。
2010年以降は、全国の施設を回り、タイガーマスクの主題歌を歌う活動もしています。
実は、ディナーショーでもリクエストがいちばん多いのが、このタイガーマスクの曲です。
「行けー、行けー、タイガー、タイガーマスク」と、会場の皆さんと一緒に盛り上がっています。
こうして、今も元気に仕事を続けられるのは、自分なりに食事に気をつけ、さまざまな運動を続けてきたからでしょう。
なかでも、7年前から毎朝欠かさず続けているのが、「ゴキブリ体操」です。
ゴキブリ体操とは、その名のとおり、ゴキブリがひっくり返ってジタバタしているように、手足を動かす体操のことです。
はたから見るとユーモラスな動きですが、これが実際にやってみるとけっこうきつく、運動量もあるのです。
きっかけは、私以上に健康のことに詳しい、マネージャーからの情報です。
マネージャーが、知人からこの体操のすばらしさを聞き、私にも教えてくれました。
当時の私は、ちょうど60歳になったところ。
なんでも、人間は60歳を過ぎることから、「1年ごとに3歳老いる」のだとか。
それを聞いて、自分もうかうかしていられないと、ゴキブリ体操を始めたわけです。
特に変化を感じた足への効果
私は毎朝、目が覚めたらすぐに、ベットの上でゴキブリ体操をするようにしています。
あおむけに寝たまま、手と足を上に上げて2~3分間、ブルブルと振動させます。
ひざは、自分がやりやすいように軽く曲げて行っています。
前述したように、ゴキブリ体操は意外と運動量があるので、学生時代に体操をやっていた私でも、最初は1分やるのが精一杯でした。
しかし、しだいに慣れてきて、2~3分はらくに続けられるようになったのです。
今では、ゴキブリ体操に続けて、ヨガのポーズも行っています。
毎朝、ゴキブリ体操を始めてからというもの、血の巡りや関節の動きがよくなりました。
以前にも増して、1日が元気に送れるようになっています。
特に変化を感じたのは、足への効果です。
年齢的なものだと思いますが、それまでは、ファンの前で舞台の階段を上るとき、足が重く感じることが多かったのです。
しかし、ゴキブリ体操を始めてからは足が軽くなり、トントントンと駆け上がることができるようになりました。
歩くのも速くなったみたいです。
自分では普通に歩いているつもりですが、気がつくと、いつの間にか、一緒に歩いていた人が小走りになっていることがあります。
年齢を重ねても、姿勢が「ピン」としているのは、この体操を続けているからだと思っています。
何曲も歌い続けてステージに立ち通しでも、最後まで腰や背すじがシャンとしていられます。
体の軸がぶれないので、曲の合間にターンをしたり、ステップも軽快に踏めます。
「これ、本当に地毛ですか?」
振り返ってみると、ゴキブリ体操を始めてからの7年間で、病気らしい病気はしていません。
やや高めだった血圧も下がって安定しています。
おかげでいつも、万全な体調でステージに立つことができるのです。
うれしいことに、65歳を過ぎても、シワやシミが増えていません。
髪の毛も今でもフサフサ。
これ本当に地毛ですか?と驚かれることがありますが、本当に地毛ですよ!友人からは「森本はいったい、いくつなんだ!」と驚かれています。
昔を知らない若い人からは40代後半と見られることもあり、さすがにこれは若く見られ過ぎです(笑)。
これからも、ゴキブリ体操に支えてもらいながら、いつまでも新鮮さを失わずに歌い続けたいと思っています。
