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病院に行くべき【めまいの特徴】受診のポイントと良医の見分け方

病院に行くべき【めまいの特徴】受診のポイントと良医の見分け方

めまいの発症には、生活環境や社会的な要因、過去の病気、ケガなどが複雑にからんでいます。めまいの原因は、耳や脳、心臓の病気、頸椎の変形、動脈硬化など全身にわたります。ストレス、寝不足、毛染め、化学物質など、現代人の生活環境の中に、めまいの引き金となる要因もあります。【解説】坂田英明(川越耳科学研究所クリニック院長)

めまいの多くは心配いらない

「めまい」とは、自分や周囲の物が動いていないのに、動いているように感じる、錯覚ないしは異常感覚を指します。
めまいの原因は、耳や脳、心臓の病気、頸椎(首の骨)の変形、動脈硬化など全身にわたります。
また、ストレス、寝不足、毛染め、化学物質など、現代人の生活環境の中に、めまいの引き金となる要因もあります。

めまいの大半は、大きな心配がいらないものです。
しかし、なかには脳出血や脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる病気)など、生命にかかわる重篤な病気が隠れている、危険なめまいもあります。
その場合は、ただちに専門医を受診し、治療を行う必要があります。

ある日、突然やってくるめまいに、落ち着いて対処するには、ふだんからめまいの知識を身に付けておくことが大切です。

めまいは大きく分けて2タイプ

めまいが起こったとき、それが危険なめまいなのか、危険でないのか。
それは、めまいの現れ方で、ある程度は推し量ることができます。

そこでまず、めまいのタイプからお話ししましょう。
めまいは大きく分けて、次の二つのタイプがあります。

1.回転性のめまい→大半は安心

自分や周囲の物が、グルグルと激しく回っているように見えるめまいです。
激しい症状のため、立つ、歩くなどの動作が困難になったり、吐き気や耳鳴りが起こったりします。

いきなり目がぐるぐると回り吐き気がすれば、不安になるでしょう。
しかし、回転性のめまいのほとんどは、内耳に原因があって起こるもので、生命の危険はない、安心なめまいです。

2.浮動性のめまい→危険なケースもある

体がフワフワし、足元がフラフラして雲の上を歩いているように感じられるめまいです。
内耳の異常のほか、脳の病気でも起こります。

めまいに加え、激しい頭痛、手足のしびれやマヒ、ろれつが回らないなどの症状をともなう場合、脳の病気が疑われます。
生命に関わる危険なめまいなので、脳神経外科や神経内科を至急受診してください。

回転性のめまいでも、同様の合併症状があれば、迷わず病院を受診しましょう。

原因の多くは耳にある


次に、めまいの原因は、大きく二つに分けられます。

1.耳からくるめまい

めまいの原因で、圧倒的に多いのは耳からくるものです。
耳は聴覚をつかさどる感覚器ですが、もう一つ、体の平衡感覚(体のバランスを保つ機能)を保つという大切な役割があります(下の内耳の図参照)。

耳の奥の内耳には、蝸牛、前庭、耳石器、三半規管があります。
蝸牛は鼓膜から伝わった音の振動を電気信号に変えて脳に伝える働きをしています。

耳石器は、体の傾きや直線運動を感知する器官です。
耳石器の中には、砂のような小さな結晶(耳石)が入っており、その動き方を感覚細胞がとらえて、体の傾きや直線的な動きを認識します。

三半規管は、頭や体の回転や、そのスピードを感知する器官です。
三半規管の内部はリンパ液で満たされており、リンパ液の流れ方から、頭がどのような速さで、どの方向に動いたかという情報をとらえます。

三半規管と前庭器がとらえた体の動きや傾きなどの情報は、前庭神経を介して小脳に集められます。
大脳は小脳の情報を整理し、全身に体のバランスを保つよう指令を出します。

これら内耳の器官のどこかに障害が起こると、平衡感覚が乱され、めまいが起こります。
代表的なものに、回転性のめまいが起こるメニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などがあります。

2.脳からくるめまい

脳梗塞、脳出血、椎骨脳底動脈循環不全など、脳の障害が原因でめまいが起こります。
回転性めまいや、フワフワするめまいが主です。

ストレートネックもめまいを引き起こす

また、首からくるめまいも見逃せません。
首の骨である頸椎の変形や老化が原因で、めまいが起こることがあります。

脳に血液を送っている内頚動脈と椎骨動脈のうち、椎骨動脈は頸椎の中を通っています。
今、スマートフォンを長時間見るなどして、うつむき姿勢が続き、頸椎のカーブが失われた「ストレートネック」になっている人が増えています。

すると、頸椎内部の椎骨動脈が圧迫され、平衡感覚を保っている脳幹や小脳への血流が減少し、椎骨脳底動脈循環不全と呼ばれる、フワフワするめまいが起こるのです。
加齢などにより、椎骨動脈の動脈硬化が進行した場合も、同様のめまいを引き起こします。

めまいの発症には、耳や脳の病気のほか、生活習慣病やストレス、睡眠不足なども密接にかかわっています。
そのため、生活習慣や食事を見直し、リスクファクターを減らして、めまいを改善することが大切です。

詳しくは、別記事(めまいを起こさないの生活のコツ)にあります。

めまいの良医は問診を大切にする

もし、急にめまいが起こったら、次のように対処します。

①めまいがしない姿勢をとる
②衣服をゆるめる
③目は閉じないで一点を見る
④治療中の人は、吐き気止めなどの頓服を服用する
⑤風通しのいいところで休む


軽いめまいでも、念のため病院で検査、治療を受けておけば安心でしょう。
その場合、総合病院を受診すると、症状から適切な診療科がわかります。

脳神経外科では、MRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピュータ断層撮影)などの機器で脳の病気の有無を、内科では血圧や心電図などで心臓病の有無をみます。
これらの検査で脳などに異常がなければ、耳鼻咽喉科を受診することになりますが、耳鼻科医だからといって、めまいのエキスパートとはかぎりません。

めまいの専門医がいる「めまい外来」か、日本めまい平衡医学会が認定した、「めまい相談医」のいる耳鼻咽喉科を受診するとよいでしょう(めまい相談医のリストは「日本めまい平衡医学会」のホームページを参照)。

良医を選ぶ最大のポイントは、「問診を大事にしているかどうか」です。
めまいの発症には、生活環境や社会的な要因、過去の病気、ケガなどが複雑にからんでいます。
めまいの原因を突き止めるために、丁寧な問診を行う医師を選びましょう。

診察の際、症状について詳しく伝えると、診断と治療に役立ちます。
下の表の項目を参考に、メモを用意して行くことをお勧めします。

受診のポイント

解説者のプロフィール

坂田英明(さかた・ひであき)
●川越耳科学研究所クリニック
埼玉県川越市脇田町103
川越マイン・メディカルセンター川越2階
TEL 049-226-3387
http://www.jikagaku.jp/

川越耳科学研究所クリニック院長。
1988年、埼玉医科大学卒業。
ドイツ・マグデブルグ大学耳鼻咽喉科研究員、埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科副部長、目白大学教授等を経て2015年より現職。
専門はめまい、耳鳴り、難聴、イビキ、睡眠時無呼吸。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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