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目を良くするには食事改善が大事!天然だしで作る「視力向上スープ」

目を良くするには食事改善が大事!天然だしで作る「視力向上スープ」

多くの病気は、食事を変えることでよくなります。目の病気はそれが顕著です。現代人の食生活は、エネルギー過多な一方で、バランスを欠いています。不足している栄養があると、体はそれを補おうとして、食べ過ぎてしまいます。【解説】山口康三(回生眼科院長)

目の病気には食生活の見直しが必要

多くの病気は、食事を変えることでよくなります。目の病気はそれが顕著です。
現代人の食生活は、エネルギー過多な一方で、バランスを欠いています。
不足している栄養があると、体はそれを補おうとして、食べ過ぎてしまいます。

このような過食ぎみの人、肉や脂っこい物、味の濃い食品、砂糖(甘い物)、乳製品、カフェイン飲料などをとり過ぎる人、歩くのが嫌いで運動不足の人などは、全身の血液循環が悪くなっています。

こうした患者さんの眼底検査を行うと、目の奥の、網膜血管の血流が滞っています。
網膜血管は全身のなかでも、特に極細の毛細血管となります。
そのため、血流の悪さが、目の細胞や組織の栄養・酸素不足となり、多くの目の病気を引き起こすのです。

ですから、目の病気の改善には、生活習慣、なかでも食生活の見直しが大変重要です。
緑内障や糖尿病網膜症、黄斑変性など、西洋医学では治療が難しいといわれる目の病気も、私が勧める食事に変えたら、急激に改善している例は多々あります。

お勧めは天然だし(視力向上スープ)をとること

とはいえ、長年続けてきた食生活を急に変えるのは難しいものです。
舌がいつもの濃い味に慣れ、マヒしてしまっているからです。

そこで、私がお勧めするのが、天然だし(視力向上スープ)をとることです。
煮干し(イワシ)、あご(トビウオ)、コンブで作った天然だしを食事の前に飲んだり、食事にとり入れたりしてください。
2週間も続けると、だしの旨みで舌の機能が回復し、味の濃い物や甘い物などを過剰に求めなくなります。
体がほんとうに必要とする物を欲しくなるのです。

加工食品が巷にあふれている現在、私たちに不足している栄養素はミネラルです。
天然だしには、カルシウムやマグネシウム、亜鉛、鉄分などのミネラルが豊富に含まれています。
継続的に摂取して、体が必要とする栄養素を補給できれば、無駄に食事の量を増やさなくても自然と満足できるようになります。

過食しなくなり、味の濃い食品をとらなくなると、肉や甘い物などを食べる量も全体的に減り、網膜の血流がよくなります。
それが、目の病気の改善へと、しだいに結びつくのです。

天然だしの作り方

症例(糖尿病網膜症・黄斑変性・網膜中心静脈閉塞症)

症例を、いくつかご紹介しましょう。

糖尿病網膜症

糖尿病のAさん(男性・65歳)は、血糖値のコントロールがうまくできず、6年前、両目に糖尿病網膜症を発症しました。
当時のヘモグロビンA1cは12.6%(過去1~2ヵ月の血糖状態がわかる指標、基準値は4.6~6.2%)で、視力は右0.4、左0.1と低下していました。眼底検査では、網膜に出血や白斑(滲出物)、むくみが見られ(写真①参照)、物が見えづらくなったとのことでした。

そこで、天然だしをとってもらうことにしました。
その影響で、過食ぎみだった食事の量が減り、甘い物も欲しくなくなったそうです。
徐々に血糖値は下がり、網膜の出血や白斑、むくみも改善してきました。

約1年後には、ヘモグロビンA1cは5.5%と基準値になり、眼底検査では網膜もきれいな状態になっていることが確認できました(写真②参照)。
視力は右が1.2、左が0.7と回復しています。
現在もAさんのヘモグロビンA1cは5.5%前後を維持。糖尿病網膜症の心配は消えました。 

黄斑変性

Bさん(女性・74歳)は、5年前、左目の視力が低下し、視野の中心に膜ができて見えづらくなりました。
大学病院の眼科では黄斑変性と診断され、月1回の眼球内注射(血管内皮増殖因子の阻害剤)という治療となります。
しかしBさんは、その治療が嫌で、私の医院に来られました。

眼底検査を行うと、左目の黄斑部に円形の大量の出血と白斑が認められました(写真③参照)。
視力は左目が0.2と低めでした。
Bさんは、高齢の母親の介護を1人でしているため、睡眠時間が4時間と少なく、かなり疲れた様子でした。
甘い物やアルコール類、乳製品(牛乳・チーズ)の摂取が多く、運動もほとんどしていません。

そこで、漢方薬の治療に加え、天然だしの摂取、未精白のご飯と野菜食を中心とし、水分摂取を増やすように伝えました。
また、1日1万3000歩のウォーキングと、十分な睡眠時間を確保するよう指示しました。

Bさんは、こうした食事や運動をまじめに実践。
その結果、約2ヵ月半後の再診では、黄斑部の出血と白斑がほぼ消えていました(写真④参照)。0.2だった左目の視力は0.8まで改善していたのです。
その後も、Bさんに黄斑変性の再発はありません。

網膜中心静脈閉塞症

5年前、右目が見づらくなったCさん(女性・45歳)。

大学病院の眼科で検査してもらうと、右目に眼底出血があり、網膜中心静脈閉塞症と診断されました。
網膜中心静脈閉塞症とは、視神経の内部の静脈が閉塞し、眼底全体に出血を起こす病気です。
網膜全体の血流が再開せず、網膜の機能が損なわれて、視力が回復しないことも多い怖い病気です。 

Cさんが、私のところに来院されたときの右目の視力は0.08まで落ちていました。
ホルモン剤や抗菌剤など、10種類もの薬を服用されていたので、それらが大きな原因になっていると考えられます。

そこで、必要な薬以外はやめてもらい、天然だしの食事指導などを行い、漢方薬を処方しました。そうしたところ、10ヵ月後には出血が完全に消失し、右目の視力も0.2に回復。
その後、0.8まで視力が戻り、再発はしていません。

このように、天然だしなどで食事を改めた患者さんは、難しい目の病気が続々と改善しています。
まずは、天然だしを食事にとり入れることから始めてください。

解説者のプロフィール

山口康三(やまぐち・こうぞう)
●回生眼科
栃木県下野市医大前4-8-1
TEL 0285-44-1166
http://kaisei-ganka.byoinnavi.jp/pc/index.html

回生眼科院長。
1981年、自治医科大学医学部卒業。
横浜市立市民病院、神奈川県立厚木病院などを経て、1991年より現職。
日本総合医学会副院長。日本総合医学会食養学院院長。日本眼科学会専門医。
西洋医学と東洋医学の接点を求め、食事療法を中心とした綜合医学の診療を行う。
著書に『白内障・緑内障が少食でよくなる』(マキノ出版)など多数。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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