
「鼻水が出ない」「鼻も詰まらない」
東日本大震災のあと、多くのかたが放射能汚染の心配をされたと思います。私もその一人です。とりわけ、食べ物には気を遣いました。
「家族に安全な物を食べさせたい」という思いから、主食にもなるパンを自分で作ろう、酵母も自家製にしたい、と思い立ちました。ところが、私には、パンを膨らませる酵母の知識がありませんでした。
「酵母について、詳しく知るにはどうしたらいいのだろう」と思っていたときに、以前、テレビ番組で、ウエダ家さんが酵母について話していたのを思い出したのです。それで早速、ウエダ家さんの講座に通い始めました。
講座では、パンのために自家製酵母を起こすだけではなく、発酵そのものについて深く学ぶことができました。
自然界では、乳酸菌とが共生しているということも知り、「酵母を育てる」ではなく、「乳酸菌と酵母を育てる」という認識に変わりました。ウエダ家さんでは、乳酸菌と酵母を合わせてCOBOと呼んでいます。
それ以来、コンブや果物、野菜などから乳酸菌と酵母を作り、日々の生活に取り入れています。
乳酸菌と酵母は、私にさまざまな変化を与えてくれました。
目に見えて明らかなのが、花粉症の改善です。
私は20年以上、ひどいスギ花粉症に苦しんできました。アレルギーの血液検査をすると数値が高過ぎて、判定の枠からはみ出すほどでした。スギ花粉が飛散する2~4月にかけては、鼻、目、耳の中、のどの奥がかゆくて眠れません。
また、目の縁の粘膜が赤く腫れ上がり、目がいつも充血していました。ひどい日は、鼻水が一日中流れ出るので、ゴミ箱を抱えて歩くほどでした。そんな日は頭痛も起こり、外出もままならなかったのです。それでも薬は極力飲みたくないので、花粉症に効果があるという薬草茶を飲んで、やり過ごしていました。
そんな重度の花粉症が軽くなったことに気づいたのは、一昨年です。
毎春、天気予報で花粉飛散のお知らせが始まるころには、「もうとっくに飛んでますよ」といいたいくらい、私の目や鼻は敏感に反応していました。
ところが、一昨年の春は違いました。花粉の飛散情報をテレビで見たとき、「え? もう飛んでたの? 全然平気!」という状況だったのです。その後も、症状が全く出ないわけではありませんでしたが、かなり軽く済みました。
花粉症の症状が「ほぼない」ところまで体質改善
そして、今年の春。なんと花粉症は、「ほぼない」といっていいくらい症状が出ていません。飛散予報が「すごく多い」という日でも、ちょっと鼻をすするくらいです。外出しても平気ですし、薬草茶も全く飲まなくなりました。
16歳になる娘は、0歳のときからの花粉症で、副鼻腔炎も併発していました。黄色い粘度の高い鼻水が出て、春になると鼻が詰まって、ほんとうにつらそうでした。昨春、娘から「鼻水が出ないし、鼻も詰まらない」と聞いたときには、自分のこと以上にうれしく思いました。
私も娘も、乳酸菌と酵母を取り入れることで、体質が改善したのだと思います。

花粉を気にせず外出できる!
ズボンが緩くなった!疲れにくくなった!
果物や野菜には旬があるので、作れない時期があります。その点、コンブは乾物なので、一年中安定して作ることができます。そのため我が家では、「コンブ酵母」は、最も身近な存在になっています。
基本のだしは、すべてコンブ酵母です。汁物や煮物はもちろん、カレーなどにも使います。海藻臭さはなく、旨みが濃いので、洋食にも中華にも合うのです。
特に、野菜と組み合わせると、素材の力を引き出して甘みや旨みが強くなる気がします。一晩漬けただけのコンブだしと比べたことがありますが、違いは歴然でした。
旨みの強い物を食べると、適量で満足感が得られるので、食べ過ぎることがありません。食材が自然に甘くなるので、料理に砂糖をほとんど使わなくなりました。
その結果、気づいたら6㎏もやせていました。
いつごろから体重が減り始めたのかは、わかりません。いつもはいているズボンが緩くなったので、体重を量ってみました。すると、もともと62㎏だった体重が6㎏も減って、56㎏になっていたのです(身長は162㎝)。どうりで体が軽いわけです。
食習慣が変わったことで、疲れにくい体に変わり、毎日とても元気に過ごせるようになりました。ほんとうによかったと思っています。
過食が減り体内にため込んだ炎症が減少(やくも診療所院長 石井恵美)
コンブ酵母で食材の旨みを引き出して食べると満足感が得られ、過食が減ったとのこと。ここに、森さんの体の変化をもたらすカギがあると思います。
漢方では、体内に余剰の炎症があると、春にそれが体表や穴(目や鼻、耳、のどなど)に、熱の症状としてあふれるとされます。過食が減り、不要な物が自然に減っていったことで、長年ため込んでいた余剰の炎症の減少につながったのではないでしょうか。