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甘いものの食べすぎは体にどんな影響がある?糖質ゼロなら大丈夫?

甘いものの食べすぎは体にどんな影響がある?糖質ゼロなら大丈夫?

砂糖の取りすぎで副腎疲労を起こすと、アドレナリンが不足して、気分が沈み込み、うつ症状になることもあります。食欲不振や便秘、下痢などの消化器の異常やパニック発作などの原因にもなります。朝起きるのがつらい、寝ても疲れが取れない、という状態が続くのは、副腎疲労の典型的な症状です。【解説】溝口徹(新宿溝口クリニック院長)

解説者のプロフィール

溝口徹(みぞぐち・とおる)
●新宿溝口クリニック
東京都新宿区新宿2-3-11 御苑前311ビル5F
TEL 03-3350-8988
http://www.shinjuku-clinic.jp/

新宿溝口クリニック院長。
福島県立医科大学卒業。
2003年、日本初の栄養療法専門クリニックとして新宿溝口クリニックを開設。
精神疾患、ガンやアレルギーをはじめとする多くの疾患の治療にあたるとともに、患者や医師向けの講演活動を行い、日々栄養療法の普及に努めている。
近著『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』(光文社新書)のほか、『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』(青春出版社)、『疲労も肥満も「隠れ低血糖」が原因だった!』(マキノ出版)、『花粉症は1週間で治る!』(さくら舎)など著書多数。

砂糖のとりすぎで、糖尿病と副腎疲労が起こる

私のクリニックに訪れる患者さんは、
多くの治療法を試したものの、思うような効果が得られなかったかたが少なくありません。

日々そのような患者さんたちの治療に当たるうちに、
「甘いものが大好き」という共通項があることに気がつきました。

砂糖がたっぷり使われているケーキやチョコレート、また甘いジュースや清涼飲料水などを好み、
間食やおやつとして毎日食べている、という人が多かったのです。

血糖値を急激に上げる「砂糖」が症状を引き起こしている!
そして改善を妨げている!砂糖が大きな原因なのだと気づいたのです。

人体にとっては、血糖値が安定している状況が理想的です。

しかし、砂糖を食べて血糖値が急激に上がると、
血糖値を下げるホルモンのインスリンがすい臓から大量に分泌されます。

そして、血糖値が急激に低下します。
これを脳は「危険」と判断して、防御反応として、副腎という臓器から血糖値を上げるためのホルモンを分泌します。

砂糖を取るたびにホルモンを出すので、すい臓と副腎に負担がかかります。

すると、しだいにホルモンが不足してきます。

その結果起きるのが、糖尿病と副腎疲労です。

副腎疲労が取れることでアレルギーが解消する 

砂糖をやめることで、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、
ぜんそくなどのアレルギー症状が劇的に改善することがあります。

理由は副腎が分泌するホルモンのなかに、アレルギーに対抗するホルモンが含まれているからです。
砂糖をやめて副腎疲労が解消すると、アレルギー症状が改善するのです。

副腎から分泌されるアドレナリンというホルモンには、
交感神経を刺激して気分を高揚させたり、集中力を高めたりする作用があります。

砂糖の取りすぎで副腎疲労を起こすと、
アドレナリンが不足して、気分が沈み込み、うつ症状になることもあります。

そのほか、副腎疲労は、食欲不振や便秘、下痢などの
消化器の異常やパニック発作などの原因にもなります。

朝起きるのがつらい、寝ても疲れが取れない、
という状態が続くのは、副腎疲労の典型的な症状です。

私のクリニックでは、栄養療法を重視しています。
患者さんには血糖値を上げないための糖質制限と、
不足している栄養を補うための栄養指導を行っています。

砂糖をやめることができた患者さんは、
つらい症状が嘘のように改善していくのです。

砂糖をやめることで様々な症状が改善する

糖質ゼロの人工甘味料も×

ここで、
「砂糖さえやめればいいんだ。人工甘味料なら、血糖値も上がらないからいいでしょう」と言う人がいます。

実はこれも「NO」なのです。
代表的な人工甘味料には、アスパルテームやマルチトールなどがあります。

例えば、アスパルテームは砂糖の100〜200倍の甘みがあると言われていますが、食べても血糖値は上がりません。
「『甘いものを食べたい』という欲求を叶えて、血糖値は上がらない。いいことずくめじゃないか」と思うでしょう。
ところが、体はそう単純ではないのです。

人工甘味料の甘みにも反応して、インスリンは分泌されます。
しかし、血糖値は上がりません。

この状態は体にとって異常事態です。

血糖値が上がっていないのにインスリンが分泌されているわけですから、低血糖状態になります。
そうすると、体は「甘いもの」を欲します。

つまり、砂糖こそ取っていないものの「甘いもの中毒」からは抜けられていないのです。

清涼飲料水が好きな人が、ノンカロリーの糖質ゼロの清涼飲料水に替えたからといって、
ダイエットに成功したケースをあまり聞いたことがないと思います。

そういう人はけっきょく、甘いもの依存からは抜けられていないため、
何か別の甘いものを食べている可能性が高いのです。

甘いものを食べると免疫力が下がる!

また、近年、「甘み刺激」が口の中で起きると、
鼻やのどで作られる抗菌たんぱくの合成が抑制されてしまうことがわかってきました。

甘みを口の中で頻繁に感じていると、
食べ物や空気中に含まれる細菌やウイルスに対抗することができなくなり、病気に感染しやすくなります。

甘いもの中毒は免疫力が下がるのです。
これは糖分のあるなしは関係ありません。

ちなみに、抗菌たんぱくの合成を活性化させるのは「苦み」です。
日本人が食事の後に渋いお茶を飲むのは、実は抗菌の面では理にかなっていたことになります。

どうしても甘みを加えたい場合、
比較的いいのが、天然由来の甘味料であるステビアかラカンカです。
これらは腸内環境を乱さないため、少量なら取っても大丈夫です。

試しに1週間、砂糖や人工甘味料などの甘いものを意識して遠ざけてみてください。

クリニックで食事指導を実践した患者さんの中には、
1週間で驚くほど体質が変わり、アレルギー症状がほぼなくなった人もいます。

甘いものが心身の健康の大きな妨げになっているのです。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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