お風呂上がりの足拭きで、白癬菌 カンジダの感染を防げる
皆さんはお風呂から上がったとき、足をしっかり拭いていますか。
バスマットで足裏だけ拭いて終わり、
なんて簡単なことですませていませんか。
せっかく足をきれいに洗っても、
足拭きがおざなりでは、病気を呼び込むことにもなりかねません。
水分が皮膚に残ったままだと、その水分が蒸発するときに熱を奪い、
皮膚が乾燥しやすくなります。
また、指の間に水分が残っていると不衛生になり、
湿疹ができたり、白癬菌やカンジダなどの感染の温床になったりします。
お風呂から上がったら、軟らかいタオルで指と指の間、
爪の周りなども1本1本ていねいに拭き取りましょう。
皮膚や爪を傷つけないように、
こすらず、タオルに水分を吸収させるように、
押さえながら拭き取ります。
よく乾いた清潔なタオルで拭くのはもちろんですが、
バスマットもこまめに洗濯し、よく陽に干して乾燥させます。
正しい足の保湿方法

ワセリンなどで爪まで保湿するとよい
お風呂上がりの足をそのままにしておくと乾燥しやすくなり、
トラブルの原因になります。
皮膚がしっとりしているうちに、
クリームなどをつけて保湿しましょう。
足のスキンケアは、保湿が中心です。
お風呂上がりだけでなく、
普段から保湿効果のあるクリームでしっかり保湿してください。
膚が乾燥しているとバリア機能が低下し、
かゆみや湿疹の原因になることがあります。
クリームをつけるとき、乾燥しやすいすねやかかとにはつけても、
指や足裏はおろそかになりがちです。
足裏から指先まで、
まんべんなくクリームをつけてください。
皮膚を傷めないように、皮膚の繊維(横じわ)に沿ってやさしくすり込むといいでしょう。
その際、見落とさないでほしいのが爪です。
特に空気が乾燥しているときは、爪も乾燥します。
爪の上や周囲にもクリームをすり込んでください。
保湿にはワセリンや尿素、ヒルドイド がオススメ
使うクリームは、手元にあるハンドクリームで十分ですが、
保湿効果を特に求めるときは、ワセリンや尿素入りクリームがいいでしょう。
ワセリンは石油から精製された油で、
医療機関でも皮膚疾患の保湿剤としてよく使われています。
皮膚の表面に油の膜を張って皮膚の乾燥を防ぐとともに、
外部の摩擦や刺激から皮膚を保護します。
乾燥によるかゆみ、ひび割れ、ささくれなどにも効果があります。
ワセリンは伸びがあまりよくないので、
少量を手に取ったら両手でこすってよく伸ばします。
皮膚が湿った状態のときにつけると、なじみやすくなります。
尿素は尿のなかから発見された物質で、
角質をつくるケラチンというたんぱく質を分解する働きがあります。
硬くなった角質や、かかとのザラザラなどを取り、
肌をなめらかにします。
さらに、水分と結合しやすい性質を持っているので、
肌を保湿してしっとりさせます。
つまり、保湿と角質除去の両方の作用があるのです。
そのほか、血行を促進する作用のあるビタミンE配合のクリーム、
ヒルドイド(ヘパリン類似物質)という保湿力の高い成分を含んだクリームなども
乾燥肌にはおすすめです。
最近では、爪専用のオイルやクリームも市販されています。
爪にトラブルのある人は、
そういったものでお手入れするのもいいでしょう。
足のマッサージで保湿効果を高める
クリームで保湿する際には、ただクリームを塗るのではなく、
足をマッサージしながら塗るといいでしょう。
クリームとマッサージの相乗効果で、
皮膚のうるおいがさらに増します。
足のマッサージは、フットケアの一環としてよく行われます。
指圧やリンパマッサージ、
リフレクソロジー(足の裏を刺激する反射療法)、
アロマセラピーなどと組み合わせて行われることもあります。
自宅で行う場合は、
ふくらはぎから足首、かかと、足裏、つま先まで、
クリームをつけながらまんべんなくマッサージしてください。
基本は、手のひらや指の腹で軽く圧をかけながら、
皮膚をなでたりさすったりします。
足裏は、少し強めに押してもいいでしょう。
指は、つけ根から指先のほうに円を描きながらマッサージします。
皮膚にこうした軽い刺激を加えると、
血液やリンパ液の流れがよくなり、体内で不要になった老廃物の排出が促されます。
また、筋肉や腱(骨と筋肉をつなぐ組織)などの緊張がほぐれて、
疲れやこりが改善します。
筋肉がほぐれて血行がよくなれば、体が温まり、
自律神経(血管や内臓の働きを意思とは関わりなく調整している神経システム)
のバランスも整います。
また、リラクセーション効果も得られるので、
ストレスの解消にもなります。
こうして足のケアをしたあとは、靴下を履いてください。
冷えや乾燥を防ぎ、保湿クリームが皮膚に浸透するのを助けます。
足マッサージのやり方

次の記事では足のセルフケアのポイント(4)「正しい爪の切り方」についてご紹介しましょう。

【好評】
『巻き爪、陥入爪、外反母趾の特効セルフケア (フットケア外来の医師がすすめる「足のトラブル」の治し方) 』高山かおる(著)
解説者のプロフィール

高山かおる(たかやま・かおる)
済生会川口総合病院皮膚科主任部長、東京医科歯科大学附属病院臨床准教授。
1995年、山形大学医学部卒。
日本の大学病院では稀有な皮膚科のフットケア外来を開局する。
難治性の巻き爪、陥入爪、肥厚爪、タコ、ウオノメなどの疾患を抱える患者に対して、トラブルの根治を目指した、原因の追及、診察、専門治療のほか、セルフケアの指導を行う。
フットケア師によるフットケア、オーダーメイドのインソール作製などによる免荷療法など、それぞれの専門家と連携を取りながらの保存的治療も積極的に導入している。
専門は、接触性皮膚炎、フットケア、美容。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。