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【血圧が高め160~170】首のココを押すと血圧が下がる 降圧剤の副作用も回避

【血圧が高め160~170】首のココを押すと血圧が下がる 降圧剤の副作用も回避

首のスジを押し、体を温めて、首の後ろのコリを解消することで、さまざまな病気や病状が治ります。首のスジを押すことは、高血圧を改善するのにも威力を発揮します。私は、これまで患者さんに実際に試して、多くの人の血圧が下がった例を見てきました。【解説】班目健夫(青山・まだらめクリニック院長)

首のコリが解消して痛みやしびれが取れた

 首のスジを押し、体を温めて、首の後ろのコリを解消することで、さまざまな病気や病状が治ります。首のスジを押すことは、高血圧を改善するのにも威力を発揮します。私は、これまで患者さんに実際に試して、多くの人の血圧が下がった例を見てきました。

 65歳の男性のAさんは、血圧が高く降圧剤を勧められましたが、薬を飲まずに治したいと希望し、私のクリニックにやって来ました。
 血圧を調べてみると、最大血圧が170mmHg、最小血圧が110mmHgでした。触診すると、手足のみならず、体全体が驚くほど冷えていたのです。

 血圧が高く、体が冷えているのは、内臓や血管などをコントロールしている自律神経の中でも、体を緊張させる交感神経が優位になっていることを表しています。交感神経が優位になると、血管は収縮し、血流が悪化し、血圧が上昇します。
 そこで、首のスジを押すことを中心に、体のコリをほぐす施術を行いました。また、湯たんぽを使って日常的に体を温めるように指導しました。こうすることで、副交感神経を優位に導くためです。さらに、冷えを解消する漢方薬も処方しました。

 2週間後にAさんの血圧を測ると、最大血圧が110〜120mmHg、最小血圧が70〜80mmHgという基準値まで下がっていました。この時点で、体の冷えも改善していたのです。
 このように、降圧剤を飲まなくても、高血圧を改善することができました。

 50歳の男性のBさんの場合は、交通事故で右肩を負傷したのがきっかけで、血圧が上昇しました。最大血圧160mmHg、最小血圧100mmHgまで上がってしまいました。また、事故の負傷により、右腕も上がらなくなっていました。
 負傷すると、血圧が上がる場合がよくあります。ケガで痛みがあると、それから身を守るために、交感神経が緊張し、血圧が上がってしまうのです。

 このケースでも、治療法は同じです。体を温め、首のスジをほぐす治療を行いました。Bさんの場合は、初診時に私が首のスジを押しただけで、たちまち右腕が上がるようになりました。首のスジを押す刺激は、このように即効性もあるのです。

 さて、2週間後に血圧を測ったところ、Bさんは最大血圧が120mmHg、最小血圧が70mmHgまで降下。以降、血圧は上がらず、いい状態をキープしているそうです。
 首のスジを押し、体を温めることで、副交感神経が優位な状態になったからと考えられるでしょう。

 ちなみに、首の骨を構成する椎骨と椎骨の間からは、神経が出ています。その一つが、手や腕をコントロールしている神経です。
 Bさんの場合は、首のコリがひどくなって、それがこの神経を圧迫し、手のしびれや痛みが出て、腕が上がらなかったと考えられます。首のコリが解消して、神経が圧迫から解放され、痛みが解消したのです。

首のスジ押しのやり方

高血圧の薬もやめられる!

 ところで、皆さんは、高血圧をはじめ、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病になると、薬を一生飲み続けないといけないと思っていませんか。これは、全くの誤解です。

 そもそも、交感神経が優位になり、その状態が長引くことで、そうした病気が起こったのです。
 ですから、副交感神経の働きを優位な状態にすれば、病気は改善に向かいます。首のスジを押し、体を温めて、副交感神経を優位にしたら、医師と相談しながら、薬をやめることもできるのです。

 薬を飲み続けると、副作用が起こる場合もあります。その一つが、高血圧に処方される、降圧剤の一つの利尿剤です。
 利尿剤は腎臓に働いて、ナトリウムの排泄を促します。また、血液量をへらし血管への抵抗性を落として、血圧を下げます。すると、血圧が下がっても、血液の粘性が高まり、ドロドロになるのです。ドロドロの血液を流すために、交感神経が緊張します。
 その結果、高血圧の病態を悪化させることがあります。

 高血圧は、生活習慣病と呼ばれるように、ストレスや運動不足など、さまざまな生活習慣が大いに影響します。首のスジ押しと、体を温めることを取り入れ、生活を改善しましょう。

免疫力がアップ!ガス腹も解消!

そのほか、次のような例もあります。
 60歳の女性のCさんは、乳ガンの手術を受けたことがありました。仕事が激務のうえ、お母様の介護が大変になり、ものすごく忙しい毎日を過ごされていたそうです。そうした日々がたたったのか、身を潜めていたガンが再発。肝臓に転移していることが発覚したのです。

 すぐに仕事を辞めて治療に専念しましたが、今回は、手術ができず、抗ガン剤の治療になりました。
 すると、抗ガン剤の副作用に苦しめられました。体力が落ちて、ズキズキと激しい頭痛に襲われたそうです。抗ガン剤の影響で、体力が消耗しきっていました。さらに、首のコリは強烈で、体も冷えていたのです。

 Cさんの場合も、やはり首を温めることと、首のスジをほぐす治療を行いました。また、自宅でも、「首のスジ押し」と、体を温めることを実践してもらいました。
 すると、首のコリも冷えも解消し、睡眠時間がふえて、体調が回復。白血球中のリンパ球もふえ、免疫力が上がっているとわかりました。疲労感も取れてきて、お孫さんと楽しく遊べるほど、体力が戻ってきたそうです。さらに、頭重感もなくなり、頭がスッキリしてきたと喜んでいました。

 50歳の女性のDさんは、私が講師を務めた勉強会にたまたま参加されて、首のスジをほぐす治療を体験されました。首のスジを押した瞬間、Dさんは、「イタタタッ!」と叫び声を上げました。それほどに、首がこっていたのです。
 首のコリはすぐに取れましたが、次の瞬間、Dさんはトイレに駆け込みました。突然、おなかがグルグルと動きだしたそうです。Dさんは、ここ数年、おなかにガスがたまる、ガス腹に悩んでいたとのこと。それが、私から首のスジを押されたことで、急に便意を催しました。排便後は、おなかにたまっていたガスが抜けて、ウソのように胃腸がスッキリしたと喜んでいたのです。

 さらに、その日を境にして、頭の位置を急に変えると、目の前がグルグル回る「良性発作性頭位めまい症」がピタリと止まったとのこと。
 これらの効果は、首のスジを押したことで、副交感神経のバランスがよくなったことでもたらされたのでしょう。
 副交感神経のバランスがよくなれば、めまいが止まったり、胃腸の働きが整ったりと、いろいろな症状に大きな効果を発揮します。

解説者のプロフィール

班目健夫
1954年、山形県に生まれる。1980年、岩手医科大学医学部卒業後、同大学院進学、第一内科入局。
1984年、医学博士号取得。2004年より東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック講師。
2011年、青山・まだらめクリニック自律神経免疫治療研究所を開設。
西洋医学の専門領域は内科、肝臓学、消化器内科。西洋医学と東洋医学のいいところを取り入れた統合医療を実践している。

●青山・まだらめクリニック
https://www.dr-madarame.com/

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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