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【二枚爪・緑色爪】爪の縦線は老化?身近な爪トラブルの原因とセルフケア

【二枚爪・緑色爪】爪の縦線は老化?身近な爪トラブルの原因とセルフケア

病気とはいえないまでも、日常的によく見かける爪のトラブルがあります。そのなかには、生理的な変化によって起こるものや、常在菌による日和見感染を起こしているものなどがあります。心配ないものと対処が必要なものがありますが、代表的なものを簡単に紹介します。【解説】高山かおる(済生会川口総合病院皮膚科主任部長)


病気とはいえないまでも、日常的によく見かける爪のトラブルがあります。

そのなかには、生理的な変化によって起こるものや、常在菌による日和見感染(免疫の働きが低下しているときに病原性の弱い微生物に感染すること)を起こしているものなどがあります。
心配ないものと対処が必要なものがありますが、代表的なものを簡単に紹介します。

二枚爪

乾燥が原因で爪の先端の表面がむけて剥離している状態

爪の先端の表面がむけて、剥離するものです。

爪は皮膚の一種ですが、皮膚の一番表面にある角質層に当たる部分がはがれた状態です。
その一番大きな原因は、乾燥です。

爪は爪床から水分をもらっていますが、その水分が爪の先端まで行き渡らず、爪が乾燥してはがれてしまうのです。
かかとが乾燥してガサガサするのと同じ現象です。

手の爪によく起こりますが、足の爪にも起こることがあります。
心配することはありませんが、ストッキングなどに引っかかったりするので、爪にクリームなどを塗って保湿するといいでしょう。

縦線

年を取るほど縦の線が濃くなっていく

爪にできる縦のすじ(線)のことで、年を取るほど線が濃くなってきます。

ある皮膚科の先生が加齢に伴う爪の変化を調べたところ、縦線が多くなることがわかりました。
ちなみに、爪の変化で、高齢だから起こるというものはほかになかったそうです。

高齢になって、顔にしわが増えるのと同様に、老化によって起こる生理的な変化の1つと見ていいでしょう。

ですから、放置してかまいませんが、気になるようなら保湿クリームでケアしてください。

緑色爪(グリーンネイル)

緑膿菌に感染し緑色になった状態

緑膿菌という、どこにでもいる弱毒の菌によって起こる日和見感染の1つです。

炎症を起こした痕など、爪甲が爪床から少しはがれてすき間ができることがあります。
そういったすき間から爪の間に入り込み、感染します。
感染した部分が緑色になることから、緑色爪といいます。

手や足を清潔に保っていれば自然に治ることが多いですが、ひどい場合は治療が必要です。

爪カンジダ症

爪の白濁、変形が見られる状態。爪白癬と間違えやすい

カンジダという、真菌の一種による日和見感染です。
爪がなんらかの理由で不健康な状態になると、普段は悪さをしない常在菌が弱いところに侵入して、感染を起こします。

爪カンジダ症は、爪の周りに炎症を起こす爪囲炎から始まります。
爪の周囲に痛みや赤みが出て、爪が白濁したり変形したりすることもあります。
これも爪白癬と間違いやすいので注意が必要です。

爪カンジダ症は長い時間、足がぬれたりすると起こりやすくなります。薬による治療が必要です。

マニキュア・ネイルをしていると緑色爪、爪カンジダ症になりやすい

女性の場合、手や足の爪にマニキュアやネイルをしていると、こうした日和見感染に気付かないことがあります。

また、爪を伸ばしていると爪が不潔になりやすく、菌がつきやすくなります。
若い女性の緑色爪や爪カンジダ症は、一種のおしゃれ障害だともいえます。

解説者のプロフィール

高山かおる(たかやま・かおる)

済生会川口総合病院皮膚科主任部長、東京医科歯科大学附属病院臨床准教授。
1995年、山形大学医学部卒。
日本の大学病院では稀有な皮膚科のフットケア外来を開局する。
難治性の巻き爪、陥入爪、肥厚爪、タコ、ウオノメなどの疾患を抱える患者に対して、トラブルの根治を目指した、原因の追及、診察、専門治療のほか、セルフケアの指導を行う。
フットケア師によるフットケア、オーダーメイドのインソール作製などによる免荷療法など、それぞれの専門家と連携を取りながらの保存的治療も積極的に導入している。
専門は、接触性皮膚炎、フットケア、美容。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。

【好評】
『巻き爪、陥入爪、外反母趾の特効セルフケア (フットケア外来の医師がすすめる「足のトラブル」の治し方) 』高山かおる(著)

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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