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【高血圧の新常識】減塩にはソバより牛丼!塩は夕食でとり和食は要注意!

【高血圧の新常識】減塩にはソバより牛丼!塩は夕食でとり和食は要注意!

一般に血圧の常識と思われていることでも、間違っている情報が数多くあります。ここでは、血圧を下げるために役立つ食事をテーマに、どんな常識が誤りで、何が正しいのかお話ししましょう。【解説】桑島巌(東京都健康長寿医療センター高血圧外来顧問)

血圧の常識と思われていることでも間違っている情報が多い

一般に血圧の常識と思われていることでも、間違っている情報が数多くあります。
ここでは、血圧を下げるために役立つ食事をテーマに、どんな常識が誤りで、何が正しいのかお話ししましょう。

血圧を下げるためには減塩が必要です。
この常識に間違いはありません。

1日の塩分摂取量は、理想的には6g。
しかし、それを実現するのはなかなか難しいかもしれません。

6gを目指して、少しでも塩分をへらそうとするとき、まずポイントになるのはほんとうに塩分の多い食事を避けることです。
サラリーマンなどは、昼や夜に外食が多くなりますから、特に外食の塩分量に注意しなければなりません。

ソバやウドンは夕食で食べよ!夕食にとった塩分は排出されやすい

「ウドンやソバは、低カロリーなので健康にいい」と思っている人が多いかもしれません。
しかし、ウドンは製造過程で塩を使っています。

つゆにもしょうゆを使っているうえ、キツネウドンであれば、油揚げを煮るときにも塩がたっぷり使われているのです。
ソバは、麺自体はいいにしても、やはり、つゆには塩分が多く含まれています。

代表的な外食(1人前)に含まれる塩分を調べると、八宝菜定食7.6g、マーボー豆腐定食6.3g、月見ソバ6.0g、ショウガ焼き定食5.8g、キツネウドン5.4g、焼きソバ4.5g、ラーメン4.5g、カツ丼4.3gとなっています。
ウドンやソバ以外では、中華料理の定食は塩分がかなり多いことがわかります。

一方、意外に含まれている塩分が少ないメニューもあります。
ピザ1.2g、ハンバーガー1.4g、ギョウザ1.5g、グラタン2.0g、牛丼2.4g、チャーハン2.6g、カレーライス2.7gなどです。

ですから高血圧の減塩には、ソバより牛丼がいいということもいえるのです。
最近、「常に減塩したほうがいい」という常識がひっくり返るような研究データが発表されました。

夕食にとった塩分は、尿として排出されやすいのです。
逆に、朝、昼の塩分は蓄積されやすいとされています。

つまり、朝や昼には極力塩分を控え、夜は、多少なら塩分のきいた食事を楽しんでもいいといえるでしょう。
ソバやウドン、ショウガ焼き定食を食べたいなら、夕食にとったほうがいいということになります。

味噌汁は具を増やすといい

よく生活習慣病では、欧米風の食生活が悪いといわれ、和食が推奨されます。
しかし、和食は塩分の多い食品が多いので、高血圧にはいいとはいえません。

タクワン、タラコ、佃煮、塩辛、塩サケ、干物などの塩分の多い和食は、血圧が下がるまでは我慢したほうがいいでしょう。
塩分の多いみそやしょうゆも、注意が必要です。

みそ汁には、一般的に1杯1.2gの塩分が含まれています。
これを半分にへらすことを目標としてください。

減塩みそも勧められますが、もう1つお勧めしたいのが、みそ汁の具をふやすことです。
具をふやすことで、塩分の薄い料理の物足りなさをカバーできます。

特に、旬の野菜や、降圧効果のあるイモ類、キノコ類、豆類はお勧めです。
そのほか、みそ汁には定番のワカメや豆腐、タマネギやニンジン、モヤシなどもたっぷり入れるといいでしょう。

しょうゆも減塩しょうゆがお勧めですが、次に紹介する手作り減塩しょうゆなら、塩分を約70%へらすことができます。

手作り減塩しょうゆで塩分を約70%へらす

①だししょうゆ
しょうゆ3、だし汁5、酢2の割合で混ぜ、小さめの空きボトルに入れます。
ポン酢風の味で、冷ややっこや炒め物によく合います。

②レモンしょうゆ
しょうゆ6、レモン汁4を混ぜる方法です。
こちらは天然の酸味のきいた味で、鍋物にはもってこいです。

いずれも冷蔵庫で保存し、1週間で使い切りましょう。

体が要求する以上の水分は必要ない!

ところで、血液をサラサラにするために、水をたくさん飲むという健康法を実践している人も多いのではないでしょうか。
しかし、高血圧の患者さんにとって、これほど危険な、誤った常識はありません。

水を飲みすぎると、体は水ぶくれのような状態になります。
体内に水分が多すぎると、腎臓から余計な水分を体外に排出しなければなりません。

このため、血液量がふえ、血圧が上がります。
同時に腎臓にも大きな負担がかかります。

夏の外出時やスポーツなどで汗をかいて、のどが渇いたときには水分補給をする必要があります。
しかし、高血圧の人が、体が要求する以上の水分をとる必要はないのです。

「ナトリウム」の項目をチェックする習慣をつけることも大切

また、買い物をするとき、それぞれの食品の食品成分表の「ナトリウム」の項目をチェックする習慣をつけることも大切です。
ナトリウム量の約2・5倍が、その食品の塩分量になります。

例えば、インスタントラーメンのナトリウム量を2gとします。
これを食塩量に換算すると、2g×2・5=5gとなります。

インスタントラーメン1杯で、1日の塩分摂取量に近いことがわかります。
食品成分表でナトリウム量をチェックすれば、その食品を食べてもよいかどうかを決める有力な目安となるはずです。

今回紹介した情報を参考に、ぜひ正しい知識に基づいた減塩を心がけてください。

解説者のプロフィール

桑島巌(くわじま・いわお)
●東京都健康長寿医療センター
東京都板橋区栄町35番2号
03-3964-1141
http://www.tmghig.jp/hospital/

東京都健康長寿医療センター高血圧外来顧問。東京医科大学兼任教授。
1971年、岩手医科大学医学部卒業。専門は、老年者の高血圧、血圧日内変動、高血圧性心疾患。著書に『高血圧の常識はウソばかり』(朝日新書刊)ほか多数。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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