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【魚の目とタコの違い】痛い足トラブルの予防と対処法 自分での処置はNG!

【魚の目とタコの違い】痛い足トラブルの予防と対処法 自分での処置はNG!

足の皮膚にトラブルで多いのは、なんといっても水虫(白癬)と、タコ・ウオノメです。水虫は白癬菌という菌による感染症ですから治療が必要です。一方、タコ・ウオノメは日常的には困りませんが、靴に当たって痛い場合にはやはり治療が必要になります。【解説】高山かおる(済生会川口総合病院皮膚科主任部長)

足の皮膚トラブルは多い順に 水虫(白癬)・タコ・ウオノメ

私たちは毎日顔を洗い、洗顔後は化粧水や乳液をつけてお手入れします。
足はどうでしょうか。
毎日、足をきれいに洗っている人はどれくらいいるでしょうか。
ましてや、クリームなどでお手入れしている人は、そう多くはないでしょう。

しかし、足を清潔に保ち手入れをするだけで、足の皮膚トラブルの半分は予防できると思います。

足の皮膚にトラブルで多いのは、なんといっても水虫(白癬)と、タコ・ウオノメです。

水虫は白癬菌という菌による感染症ですから治療が必要です。

一方、タコ・ウオノメは日常的には困りませんが、靴に当たって痛い場合にはやはり治療が必要になります。

タコ・ウオノメの原因は、多くの場合、骨の異常や姿勢の悪さにあります。
外反母趾開張足ハンマートゥなどの変形があると、足が靴に圧迫され、同じところがこすれたり押されたりします。
それが原因でタコ・ウオノメができるのです。

さらにその原因をさかのぼれば、間違った歩き方や立ち方、靴の問題などが浮上してきます。

タコ・ウオノメに限りませんが、私たちはつい悪いところだけに目を向けがちです。
しかし、そこに現れた症状だけを治すのではなく、その原因にまで思いをはせないと、いつまでたっても痛い思いをくり返すことになります。

「タコ・ウオノメ」は足の変形が原因

足の指や指のつけ根あたりの皮膚が増殖し、硬く厚くなったものが、タコ・ウオノメです。

どちらもできるメカニズムは同じで、できる場所によって区別されます。

足に変形があったり、合わない靴を履いたりして、同じところが長時間圧迫されて摩擦を受けていると、皮膚はその刺激に対して防御反応を起こします。

具体的には、表皮の一番外側の角質層がケラチンというたんぱく質を余分に作り出し、圧迫や摩擦を受けているところを厚く覆って守ろうとするのです。

その角質の増殖が硬い骨の上にできるものがタコで、骨と骨の間のような軟らかいところにできるものがウオノメです。

タコは下に骨があるので外側に向かって厚く増殖し、ウオノメは骨と骨の間を内側に向かって食い込むように増殖していきます。

タコやウオノメは、靴に当たったり圧迫されたりしている部分ならどこにでもできますが、そのできる場所によって原因も特定できます。

タコとウオノメの違い

(1)タコとは

骨の上にでき外側に向かって厚くなる

タコは、医学的には胼胝(べんち)といいます。

同じ場所に圧力や摩擦がくり返し起こることで、角質層が厚く硬くなり、黄色みを帯びて盛り上がっていきます。
骨の上の比較的広い面にでき、皮膚の外側に向かって厚くなります。

痛みはありますが、そんなに強いものではありません。
どちらかといえば、痛いというより感覚が鈍くなっている感じです。
ただし、長時間歩いたりすると、炎症を起こして熱く焼けるような痛みを感じることがあります。

タコは足の裏の、足の第1指や第5指のつけ根や、第2指や第3指の中足骨頭部によくできます。
足の第1指やそのつけ根(母趾球)にできるタコは外反母趾、第5指のつけ根(小趾球)にできるタコは内反小趾の疑いがあります。

タコはウオノメに比べてできにくいですが、そのぶん、治るのにも時間がかかります。

(2)ウオノメとは

骨と骨の間にでき皮膚の内側に厚くなる

骨と骨の間や関節のくぼみなど、奥に食い込みやすい場所の角質が増殖してウオノメをつくります。

日本ではウオノメ、ドイツでは「鶏の目」と呼ばれるように、目の形に似ており、医学的には「鶏眼(けいがん)」といいます。

タコに比べると小さく、真ん中に芯(核)ができるのが特徴です。

タコが面であり、外側に向かって肥厚するのに対し、ウオノメは皮膚の内側(真皮内)に向かってくさび形の点になって肥厚し、やがて芯をつくります。
この芯が神経のある真皮層に達するため、外部からの刺激を受けると飛び上がるほど痛くなります。

ウオノメは、足の裏の指のつけ根の間や、甲側の足指によくできます。
ハンマートゥ開張足内反小趾など、足の変形がベースにあり、足が靴に当たって圧迫や摩擦を受け続けるとできます。

自分の足トラブルが見つかる【タコ・ウオノメMAP】

タコ・ウオノメの予防と対処法

タコもウオノメも、骨格の変形に伴う病変です。

外反母趾内反小趾ハンマートゥといった骨の異常があると、地面から受ける圧力が過度になったり、靴に当たりやすくなったりして、タコやウオノメができます。

タコやウオノメは、できる場所によってある程度原因を推測できますから、その対策が根本治療になります。
足に合わない靴が原因なら、靴を替えたりし、歩き方や靴の履き方も見直します。
外反母趾や内反小趾が原因なら、それぞれに応じた対応が必要になります。

厚くなったタコやウオノメを削る治療もありますが、痛みを緩和する対症療法にすぎません。

原因は、足に圧迫や摩擦がかかっていることですから、削るよりも、まず除圧をして圧迫や摩擦を取り除きます。

そうしない限り、何度でもタコやウオノメをくり返すことになります。

タコ・ウオノメのフットケア

インソールや保護パッドで除圧する

症状が軽いうちなら、その部分にタコ・ウオノメ用の保護パッドを貼るといいでしょう。
圧迫や摩擦を防いで、痛みを取ってくれます。

痛みがあって歩くのも大変なら、インソールを靴に装着して、病変部にかかる圧力を分散させます。
これは免荷療法の1つで、圧力のかかる部分の負担を軽減し、痛みを緩和します。

インソールにはクッション性があり、足のアーチも支えるので、足が疲れにくく、正しい歩行をしやすくなります。

既製品もありますが、症状がひどい場合は、自分の足の状態に合わせてオーダーメイドするといいでしょう。

また、足を保護したり、足にかかる負担を軽減したりするコンフォートシューズもおすすめです。

タコ・ウオノメを 自分で処置するのは危険

最近では、タコやウオノメを除去する、専用グッズ(カッター、やすり、角質軟化シールなど)も各種販売されています。

しかし、自分で削ったり専用シールで除去したりするのは、あまりおすすめできません。
自分で削ると、つい削りすぎて、そこから細菌が入ることがあるからです。

特にウオノメは、芯をほじくりだそうとして深く削りすぎ、炎症を起こしてしまうことがしばしばあります。

気をつけなければならないのは、糖尿病の患者さんです。
安易にタコやウオノメを削ると、そこから細菌感染し、壊疽を引き起こす原因になります。

また、ウイルス性のイボ(ウイルス性疣贅)をタコやウオノメだと思って削ると、ウイルスが飛散して感染が広がりますし、なにより出血してしまいます。
ちなみに足裏にできるウイルス性のイボは、表面がザラザラした小さなしこり状になっています。

こうした間違いを防ぐためにも、タコやウオノメがなかなか治らないようなら、医療機関を受診してください。
医療機関では、硬く肥厚したタコはコーンカッター(専用のカッター)やグラインダー(研削盤)で削り、ウオノメは痛みの原因になっている芯を摘出します。

【好評】
『巻き爪、陥入爪、外反母趾の特効セルフケア (フットケア外来の医師がすすめる「足のトラブル」の治し方) 』高山かおる(著)

解説者のプロフィール

高山かおる(たかやま・かおる)

済生会川口総合病院皮膚科主任部長、東京医科歯科大学附属病院臨床准教授。
1995年、山形大学医学部卒。
日本の大学病院では稀有な皮膚科のフットケア外来を開局する。
難治性の巻き爪、陥入爪、肥厚爪、タコ、ウオノメなどの疾患を抱える患者に対して、トラブルの根治を目指した、原因の追及、診察、専門治療のほか、セルフケアの指導を行う。
フットケア師によるフットケア、オーダーメイドのインソール作製などによる免荷療法など、それぞれの専門家と連携を取りながらの保存的治療も積極的に導入している。
専門は、接触性皮膚炎、フットケア、美容。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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