「OHBA式シャンプー」のやり方
■最初に、頭への血液の通り道を開いてあげましょう

❷耳の裏の骨のすぐ下のくぼみを、親指の腹で小さな円を描くようにもみこむ
■シャワーのお湯で予備洗い

❸髪を分け取り地肌に手を当て、お湯をためながら、頭皮の皮脂や汚れを洗い流す
■シャンプー液をつける

❹液を手のひらにのばして、耳の上から髪をかき分けながら頭頂部までつける
■頭皮を小刻みに上に動かす「首の後ろ→頭頂部」ルート

❺首の後ろの頭皮に指をふわーっと密着させ、1、2、3のリズムで上に動かす

❻指を少し上にずらして、同様に1、2、3のリズムで頭皮を頭頂部に向かって動かす

❼頭頂部で指が交差する位置になるまで、⑥を繰り返す
■「耳の後ろ→頭頂部」ルート

❽耳の後ろから始めて、頭頂部まで、指の位置を変えながら⑥を繰り返す
■「耳の上→頭頂部」ルート

❾耳の上から始めて、頭頂部まで、指の位置を変えながら⑥を繰り返す
■「おでこの髪の生え際→頭頂部」ルート

❿おでこの髪の生え際は薄毛になりやすいゾーン。ふわーっとやさしく丁寧に

⓫指の位置を少し上にずらして、1、2、3のリズムで頭皮を上に動かす

⓬指の位置が頭頂部にくるまで、指で頭皮を上に持ち上げる動きを繰り返す
■2巡目は、指を開いてクルクル回す

⓭指の腹をクルクル回す動きにして、⑤〜⑫を繰り返す。泡がしっかり立っているのを確認して、力を入れない、ガサガサ音をたてない、急がない。頭皮全体に血液が行き渡るイメージで
■じゅうぶんにすすぐ

⓮手のひらにお湯をためながら、ていねいに流す
「ゼログラムタッチ」で細胞が喜ぶと頭皮が輝く
私は、お客様の頭に触れると、そのかたの健康や精神状態が、手を通じて察することができます。頭皮は、そのかたの置かれている環境を映し出す鏡のようなものです。
ゼログラムタッチを極めていくことで、それぞれの頭皮の状態を「ブヨブヨした感じ」「クッションのよう」「マシュマロのようなきめ細やかさ」といった、繊細な部分まで感じ取れるようになりました。
人間はいったんそういうことをわかり始めると、どんどん感覚が鋭敏になり、お客様の健康状態までわかってしまうのだと思います。
そして、おもしろいことに、思いを込めたゼログラムタッチで細胞が喜んでくれると、マイクロスコープで120倍に拡大された頭皮を見たときに、その喜びの状態が、目で見てわかります。
みずみずしく、ふっくらと透明感があり、とてもきれいな光を帯び、私の「細胞が元気になってほしい」という思いが通じた瞬間です。
まさに、〝セル・ジョイ〟、細胞が喜んでいる姿です。その喜びを、お客様といっしょに共有できたときは、格別です。頭皮の表情も、お顔の表情も、全然違うのです。頭皮を見る機会があるかたは、下の写真を、ぜひ参考にしてください。
技術がいくら優れていても、「お客様が気持ちよくなって、元気になってほしい」という思いがなければ、細胞には伝わりません。私はそうした思いやりを込めて行うゼログラムタッチにより、「細胞が喜び正常になる」と確信しています。
皆さんもゼログラムタッチを実践することで、薄毛・抜け毛の予防にはもちろん、心からリラックスして、ストレスの解消にも役立てていただければと思います。
■マイクロスコープで拡大して見ると、違いは一目瞭然

頭皮のきれいな写真。頭皮は青白く細かいシワが寄って、毛穴の周辺に輝きの輪「ブリリアントホール」が出ている
介護施設で、満員電車で、新しい「しぐさ」になれば
現代社会では、日々の忙しさから、つい行動や言動が乱暴になりがちです。人が人に触れる機会も少なく、相手に対しての触れ方の加減がわからない時代となっています。
例えばそれは、介護施設で、介護ヘルパーさんと、介護される側との間でトラブルになることもあるかもしれません。言葉もなかなかうまく発せられない高齢者のかたなどは特に、何気なく触れている介護ヘルパーの触れ方にイライラが募り、つい手が出てしまうというようなことがあるという話も耳にします。
そこで、介護施設などで高齢者のかたに触れる際、ゼログラムタッチを取り入れると、高齢者のかたにとっては、とても自身が尊重されているように感じ、安心して介護を受け入れるとともに、大きな癒しになるのではないかと思います。
また、ゲームやスマホで育ったバーチャル世代のかたは、現実の世界での触れ方を学ぶ機会がないため、「触れる」のではなく、「たたく」という、強めの行為になってしまうことも多いのではないでしょうか。
もし、満員電車の乗り下りの際、目の前の人を無理やり押しのけるのではなく、ゼログラムタッチでそっと背中や肩に手のひらで触れるようにすれば、触れられた人は、やさしい気持ちになり、快くスペースを空けてくれることと思います。
そんな、思いやりに満ちた、人と人との新しい「しぐさ」として、ぜひゼログラムタッチをマスターし、役立ててください。きっと、何かが変わります。

「ゼログラムタッチ」で触れると、触れられた人もやさしい気持ちになる
解説者のプロフィール

大場隆吉(おおば・たかよし)
●http://www.ohba.ne.jp/
スカルプケアサロンOHBA代表・スカルププロデューサー。
1951年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学卒業後、日本に西洋の近代理美容技術を導入した「ヘアドレッシングOHBA(1882年創業)」の4代目として研鑽をつむ。2007年から2017年までの10年間、天皇陛下・皇太子殿下の御調髪を担当。30年前より頭皮を研究し、2005年には日本スカルプケア協会を設立。「ゼログラムタッチ」を提唱し、東京・赤坂にある「頭皮専門サロンOHBA」での施術のほか、「頭皮の専門家」として活動している。
❶首のつけ根を、1、2、3とゆっくり息を吐きながらもみほぐす