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「バレリーナの姿勢」で免疫力アップ! 正しい深い呼吸法で気分も明るくなれる

「バレリーナの姿勢」で免疫力アップ! 正しい深い呼吸法で気分も明るくなれる

肺をしっかり使わないと、呼吸をするときに使う筋肉、肺胞などが衰えて、萎縮していきます。「長生き」は「長息」につながり、ゆったりした深い呼吸をしている人は長生きです。反対に、「生き急ぐ(息急ぐ)」という言葉があるように、息が短い(浅い)人は、長生きできないといわれます。【解説】松本有記(松本有記クリニック院長)

ゆったりした呼吸が腸のぜん動運動を促す

現代人は呼吸が浅く、肺の機能がかなり衰えています。
昔の人のように、歩いたり体を動かしたりすることがへって、肺を使わなくなっているからです。

肺をしっかり使わないと、呼吸をするときに使う筋肉、肺胞などが衰えて、萎縮していきます。
そのため、ますます肺を使えなくなり、深い呼吸ができなくなってしまいます。

すると酸素が取り込めなくなり、さまざまな不調が生じてきます。
漢方でも、肺は「気をつかさどるところ」とされており、非常に重要な臓器です。

元気、やる気、気力といった言葉からもわかるように、気は体を動かす生命エネルギーの源。
この気を抜きにして、健康を語ることはできません。

気をつかさどる肺は、漢方では、呼吸だけでなく、大腸の働きにもかかわっています。
例えば、呼吸をして肺の気が動くと、それに呼応するように大腸のぜん動運動(内容物を先に送り出す運動)を促します。

おそらく肺は、呼吸によって体に波を起こしているのでしょう。
息を吸うと、胸部と腹部の境目にある横隔膜が下がり、肋骨の内部にある胸郭(胸部の骨格)がふくらみます。

息を吐くと横隔膜は上がり、胸郭は縮みます。
呼吸によって横隔膜が上下し、胸郭が拡張と収縮をくり返すことによって、絶えず波がつくられているのです。

大きくゆったりした呼吸をすれば、腸のぜん動運動が活性化します。
浅い呼吸ではぜん動運動も低下して、排便がうまくいかなくなってしまいます。

体をよく動かして呼吸が盛んになれば、気の流れがスムーズになります。
気の流れがよくなれれば、血(血液)や水(リンパなどの体液)のめぐりもよくなり、細胞の一つひとつに酸素や栄養が送られて、全身が活性化されます。

免疫の働きもよくなるうえ、ウツウツとした気分も消えて、心も明るくなるでしょう。
このように、呼吸(息)は非常に大事です。

「長生き」は「長息」につながり、ゆったりした深い呼吸をしている人は長生きです。
反対に、「生き急ぐ(息急ぐ)」という言葉があるように、息が短い(浅い)人は、長生きできないといわれます。

横隔膜や胸郭がよく動き鍛えられていく!

肺の気を動かして、ゆっくりした深い呼吸をするには、大きくふくらんだり縮んだりする胸郭と、上下にしっかり動く横隔膜の、じゅうぶんな動きが必要となります。
ところが、多くの人は、体の中心軸である体幹部の筋力が落ちて、姿勢が悪くなっています。

そのため重力に負けて重心が下がり、力が外に拡散しています。
これでは横隔膜や胸郭に力が集まらず、深い呼吸ができません。

まず、姿勢をよくし、肺を動かしやすい筋力をつける必要があります。
姿勢のポイントは、おへその約9cmほど下にある丹田というツボです。

みずおちを前に出さないようにして、丹田を意識して締めながら上に引き上げるように力を入れます。
あごは引いて、首はまっすぐ伸ばします。

すると自然に、両肩が開き、胸も広がります。
よい姿勢を、私は「バレリーナの姿勢」といっています。

それは、頭のてっぺんから糸でつられているようなイメージです。
この姿勢だと体の中心軸である体幹部が上に引き上げられ、自然に丹田にも力が入れやすくなります。

その姿勢を保ったまま、ゆっくり、深い呼吸を行います。
鼻から息を吸ったらいったん息を止め、鼻からフーッと長く息を吐きます。

吸う長さが1とすると、吐く長さが2の割合です。
つまり、4カウント吸ったら、8カウント吐いてください。

これを数回くり返します。
こうした正しい姿勢で深い呼吸を行っていると、横隔膜や胸郭がよく動くようになって、鍛えられていきます。

深い呼吸を行うための正しい姿勢

また、肺の機能を高める簡単な方法として、手足のグーパー体操もお勧めです。
左右の手足の指を、同時にギュッと握り、パッと開くことをくり返します。

これを10回くり返すのを1セットとして、1日に3~5セット行ってください。
難しいようでしたら、両手だけでもかまいません。

この動きは、肺と同じ収縮・弛緩運動です。
それによって静脈血の流れがよくなり、血液循環がスムーズになります。

手には肺の経絡(気の通り道)が通っていますから、肺機能の活性化にもつながります。
最後に、ふだんの生活で、よくしゃべったり、笑ったり、歌ったりすることも、肺の機能を高めることにとても役立ちます。

これらを行うことで、ストレスが発散されて、気のめぐりが促されるだけでなく、横隔膜や胸郭が開きやすくなるからです。
家族や知人と談笑したり、楽しい映画やテレビ番組を見て大笑いしたり、カラオケで熱唱したりするのもいいでしょう。

解説者のプロフィール

松本有記(まつもと・ゆき)
●松本有記クリニック
兵庫県芦屋市大原町11番24-203号
0797-32-7755
http://matsumoto-yuki-clinic.jp

松本有記クリニック院長。
京都薬科大学卒業。神戸大学医学部卒業。漢方を土台とした、自然治癒力を引き出す独自の治療法を行う。著書に『睡眠を改善すれば病気は治る!自然治癒力は眠っているときに働く!』(評言社)など。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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