【大豆の栄養】脳活動を強力サポート「ビタミンB1」は炒って摂取が良い!

【大豆の栄養】脳活動を強力サポート「ビタミンB1」は炒って摂取が良い!

ビタミンB1を摂取しないと、いくらほかの食品を摂取しても脳の活動源にはなりません。不足状態が続くと思考力や記憶力が低下し、精神的にも不安定になるでしょう。いつまでも若々しい脳でいるためには、「大豆」を積極的に食べることをお勧めします。【解説】加藤淳(北海道立総合研究機構道南農業試験場 場長・農学博士)


解説者のプロフィール

加藤淳(かとう・じゅん)
北海道立総合研究機構道南農業試験場場長。農学博士。
帯広畜産大学大学院修士課程修了。オーストラリア・クイーンズランド大学食品科学工学科客員研究員。「小豆・インゲン豆の加工特性と変動要因に関する研究」で学位取得。小豆をはじめとする「豆博士」として、著書や講演を通し、豆の普及活動に力を入れている。

大豆は必須アミノ酸のバランスが抜群!

 中国が原産の大豆は、今から約2000年前に、朝鮮半島を経由して日本に伝わったとされています。その後、日本において、大豆は独自の発展を遂げてきました。

 納豆やみそ、しょうゆ、豆腐、おから、油揚げといった多様な加工食品が生まれ、今では和食の主要な食材といっても過言ではありません。皆さんも、ほぼ毎日、なにかしらの形で大豆を摂取しているのではないでしょうか。

 しかし、世界的に見ると、日本ぐらい大豆を食べる文化は珍しいといえます。欧米では、生産する大豆のほとんどが食用ではなく、家畜のえさとして使われます。アメリカで遺伝子組み換えの大豆が多いのは、人間が食べる物ではないという認識だからなのです。しかし、単に家畜のえさとして消費するにはもったいないほど、大豆には有用な健康成分が多く含まれています。

 ほかの豆類と比較した際、大豆の栄養学的な特徴としてまず挙げられるのは、たんぱく質と脂質の含有量でしょう。

 小豆やインゲン豆は、でんぷんが非常に多く、成分含量の約半分を占めます。それに対して大豆は、たんぱく質が約35%、脂質が約20%であり、両者を合わせると、成分含量の半分以上になります。よく「畑の肉」と形容されますが、豚肉や牛肉といった肉製品にひけをとりません。

 たんぱく質は、体内で筋肉や内臓といった組織を作るうえで、欠かすことのできない重要な構成成分です。
 私たちが肉や魚、豆、穀物などでたんぱく質を摂取すると、胃と腸で消化されて、アミノ酸に分解されます。そして再び、体のたんぱく質に組み換えられます。

 20種類あるアミノ酸のうち、11種類に関しては、体内でその不足分を補うことができます。しかし、残りの9種類は体内で合成することができず、必ず食品からとらなければなりません。それらを「必須アミノ酸」といいます。

 私たちが体に取り入れるべき好ましいアミノ酸のバランスは、WHO(世界保健機関)などの国際機関によって定義されています。それに基づいた際、大豆は、9種類すべてが必要量を上回っているのです。

 白米に少ないリジンという必須アミノ酸も、豊富に含んでいます。大豆は、ほかにないほど必須アミノ酸バランスがいい食品といえるでしょう。

大豆は脳の活動源「ビタミンB1」を多く含む

 大豆は、私たちの体、とりわけ脳の活動を大きく助けてくれる食品でもあります。

 体のエネルギー源となる糖質は、体内でブドウ糖に変換されますが、その際に補酵素となりサポート成分として必要なのがビタミンB1です。ビタミンB1がないと、摂取した糖分はエネルギーに変換できません。これが欠乏して起こる病気が、昔流行した脚気です。

 大豆は、このビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1が多く含まれている食材として、よく豚肉が挙げられますが、それと比べても大豆のほうが含有量は多いのです。

 体内でエネルギー変換ができなくなると、いちばん危惧されるのが、脳活動への影響でしょう。体の中で最もエネルギーを使う臓器は、実は脳です。

 脳は体全体の2%の重さしかありませんが、エネルギーを約20%も使っています。脳が使えるエネルギーは基本的にはブドウ糖のみ。つまり、ビタミンB1を摂取しないと、いくらほかの食品を摂取しても脳の活動源にはなりません。思考力や記憶力が低下し、精神的にも不安定になるでしょう。いつまでも若々しい脳でいるためには、大豆を積極的に食べることをお勧めします。

 ちなみに、大豆に含まれるビタミンB1は、ゆでたりすると25%ほどに減少してしまいますが、炒るのであればほぼ失われません。その点から、炒って作る酢大豆は、大豆を気軽に摂取できる常備菜として、大いに推奨できます。

北海道産の大豆はイソフラボン含有量が高い!

 そのほか、大豆の有効成分として、イソフラボンの働きも見逃せません。乳ガン、子宮ガンの予防、更年期障害の改善につながり、特に女性には勧められます。骨粗しょう症を防ぐのにも有効でしょう。

 大豆のなかでも、特にイソフラボンを多く含んでいるのが、北海道産の大豆です。府県産やカナダ産、中国産の代表的な大豆と比べると、北海道産の主要品種は2倍以上のイソフラボンを含有しています。

 そのうえ北海道産は、ほかの産地の物に比べて糖分が高く、甘くておいしいのが特長です。これは、平均気温の低い北海道の気候が大豆生産に非常に適しているからなのです。

 ぜひ、酢大豆を作る際には、北海道産の大豆を使ってください。きっと、よりおいしい酢大豆ができるはずです。

「酢大豆」美味レシピ

酢大豆は炒って作ると有効成分が逃げない!

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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