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血圧の正常化、食後血糖値を抑えるなど【酢】の健康パワーが続々判明

血圧の正常化、食後血糖値を抑えるなど【酢】の健康パワーが続々判明

現在、日本人の国民病の筆頭として挙げられるのが、高血圧と糖尿病でしょう。酢は、実はこれらに対しても非常に有効だということが、数々の研究によってわかっています。皆さんも酢大豆を作る際には酢を捨てず、料理などに活用することをお勧めします。【解説】多山賢二(広島修道大学健康科学部教授)

解説者のプロフィール

多山賢二(たやま・けんじ)
広島修道大学健康科学部教授。農学博士。
1980年、山口大学大学院農学研究科農芸化学専攻修士課程修了。93年、東京大学で博士号を取得。ミツカン中央研究所、鈴峯女子短期大学教授を経て、現職。主な研究テーマは、「酢酸菌の応用」。

昔から世界中で酢は薬

 酒のアルコール成分を酢酸菌が発酵させることによって生まれる酢は、人類が作った最古の調味料ともいわれています。酒と同様に、酢はこれまで世界各地で作られてきましたが、その原料や製法は地域によって異なります。そのため、土地の歴史や風土、食文化とつながりが深く、地域特性が色濃い食品といえるでしょう。

 酢の特徴として、まず挙げられるのが、酸味や風味といった味覚的側面です。独特のコクがある黒酢や、フルーティなリンゴ酢など、種類によって酸味や風味は大きく異なります。

 次に、食品の鮮度を保つための、殺菌・防腐といった働きが挙げられます。酢を調味料として使うことで、料理が腐りにくくなります。これら両者の特性を生かした代表的な日本料理が、お寿司でしょう。

 そして、なにより酢の特長として忘れてはならないのが、その抜群の健康パワーです。

 中国では、16世紀の書物『本草網目』に、酢の医薬的効果の記述が見られ、日本においても、江戸時代の『本朝食鑑』に、酢についての食効が記されています。つまり、昔から世界中の人々にとって、酢は体にいい調味料、ひいては薬とみなされていたのです。皆さんのなかにも、漠然と「酢は健康にいい」というイメージを抱いているかたは多いのではないでしょうか。

 現在、日本人の国民病の筆頭として挙げられるのが、高血圧と糖尿病でしょう。酢は、実はこれらに対しても非常に有効だということが、数々の研究によってわかっています。

白米よりも酢めしのほうが血糖値は上がらない!

 まず、高血圧からご説明しましょう。以前、私を含む研究チームは、51名(男性31名、女性20名、平均年齢51歳)にご協力いただき、酢による血圧の降下作用について臨床試験を行いました。

 51名を、酢30㎖入りの飲み物、酢15㎖入りの飲み物、酢のかわりに乳酸入りの飲み物を飲む3グループに分け、8週間、毎朝欠かさずに飲んでもらったのです。ちなみにこのとき使用した酢は、リンゴ酢です。

 その結果、酢30㎖入りの飲み物を飲んだグループは、平均151㎜Hgだった最大血圧が、摂取して8週間後には136㎜Hgに、平均90㎜Hgだった最小血圧が83㎜Hgにまで降下しました。最大血圧、最小血圧ともに基準値を超えていたのが、基準値内に収まったことになります(基準値は最大血圧が140㎜Hg未満、最小血圧が90㎜Hg未満)。

 これほどではないものの、酢15㎖入りの飲み物を飲んだグループも数値が大きく下がりました。一方、乳酸入りの飲み物は下がりませんでした。

 次に、血糖値の抑制効果についてです。糖尿病治療においては、食後の血糖値の上昇を緩やかに抑えることが重要だと一般的に考えられています。

 食後の血糖値の上昇度合いを示す指標に、GI値というものがあります。
 白米のご飯をそのまま食べたときのGI値を100(基準食)とした場合の、白米の「食べ方」によるGI値の変化を比較した試験を紹介します。

 塩むすび、焼きおにぎり、米飯と牛乳、おかゆ、酢めしを食べたときの食後血糖値を比較した結果、最も血糖値の上昇が抑えられたのが、酢めしでした。酢めしで上昇した人のGI値は84でした。

 つまり、ご飯をそのまま食べるよりも、酢を入れたほうが血糖値の上昇が緩やかになることがデータで示されたのです。

 これら以外にも、酢15㎖入りの飲料を12週間、毎日飲むことによって、肥満ぎみのかたの内臓脂肪が5%近く減少した試験データもあります。体重も1.6%ほど落ちました。

 このように、酢は、生活習慣病予防やメタボ解消に大いに役立つ調味料です。これらは、酢に含まれる酢酸の働きであると考えられます。実は、私自身も毎日夕食後にリンゴ酢入りの牛乳を飲んでいますが、酸味がきいてとてもおいしいですよ。
 ぜひ、皆さんも酢大豆を作る際には酢を捨てず、料理などに活用することをお勧めします。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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