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風邪をひいたときにいい食べ物は? 医師のおすすめは「ミカン湯」と「生姜みそ汁」

風邪をひいたときにいい食べ物は? 医師のおすすめは「ミカン湯」と「生姜みそ汁」

カゼにかかりやすくなるのは、寝不足やストレス、体の冷えなどによって、体力や免疫力が低下したときです。「カゼは万病の元」といいますが、その原因である「冷え」こそが万病の元です。ミカン湯やショウガみそ汁で、冷えを解消し、カゼをはね返してやりましょう。【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)

解説者のプロフィール

石原新菜(いしはら・にいな)
イシハラクリニック副院長。
1980年生まれ。帝京大学医学部卒業後、同大学病院で2年間の研修医を経て、現職。漢方医学、自然療法、食事療法を中心とした治療に当たる。クリニックでの診療のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員、日本東洋医学会会員、日本温泉気候物理医学会会員。2児の母。近著は『女のキレイは30分でつくれる』(マキノ出版)。

●石原新菜 Official Blog
http://nina-ishihara.cocolog-nifty.com/blog/

ミカンは実にも皮にも薬効がある!

冬は、カゼの季節。
この冬も、カゼをひいたという患者さんがふえてきました。

カゼにかかりやすくなるのは、寝不足やストレス、体の冷えなどによって、体力や免疫力が低下したときです。
深刻なのは、体の冷えです。

というのも、今、平熱が低い低体温の人がふえています。
ほとんどの人の体が冷えている、といっても過言ではありません。

体温が低いと、血管が収縮して、全身の血行が悪くなります。
これが、現代人の免疫力低下の主な原因なのです。

体温が1度下がると、免疫力は30%も減退します。
ですから、まずは体を温めることが、カゼを予防・改善するカギなのです。

カゼをひいてしまったときにお勧めしたいのは、ミカン湯です。
ミカンの果肉は、漢方では呉茱萸といい、冷えた体を温めて、頭痛や吐き気を改善させる生薬(漢方薬を構成する草根木皮)です。

成分を見ても、ミカンは、免疫力を高めるビタミンC、ビタミンE、カロテンが豊富な食材です。
体力回復に必要なクエン酸も、たくさん含まれています。

また、シネフリンとヘスペリジンという成分には、のどの痛みや炎症を鎮める作用があります。
旬の食材には、その季節に見合った健康効果があるのです。

冷えた体を温める!ミカン湯の作り方

ミカン湯の作り方は、ミカン1~2個分を搾った果汁と、ショウガ1片をすりおろしたものを、湯飲み茶わん1杯のお湯に混ぜるだけです。
ショウガ1片とは、親指の第一関節までとほぼ同じ大きさで、約5gになります。

1日2~3回、温かいうちに飲むようにしてください。
ショウガにも、多くの薬効があります。

なかでも、主成分であるジンゲロールの、血管を拡張させて血行を高める働きは絶大です。
素早く全身を温め、免疫力を高めるので、これを活用しない手はありません。

ショウガをよく洗って、皮つきのまますりおろすのがいちばんですが、チューブ入りのおろしショウガでもかまいません。

また、のどや節々の痛みがひどい場合は、スーパーや薬局でクズ粉を買ってきて、溶き入れてもよいでしょう。

クズ粉は、代表的なカゼの漢方薬、葛根湯の主原料で、鎮痛作用があるのです。
残ったミカンの皮も、陳皮という生薬です。

ガーゼに包むなどしておふろに入れると、血液循環が促され、湯冷めしにくくなりますので、試してみてください。

食欲が落ちたときはショウガみそ汁がお勧め

ところで、皆さんは、「カゼのときは、食欲が落ちてしまうけど、栄養のあるものを食べなければならない」と思っていませんか。
これは、大きな誤解です。

実は、カゼをひいたときは、食事を控えるくらいのほうがよいのです。
私たちの血液中に存在する免疫物質の白血球は、全身をめぐって病原菌をやっつける働きをするとともに、老廃物を処理する役目も担っています。

しかし、食事をすると、血液が胃に集まってしまい、症状のある鼻やのどへの血液量がへってしまいます。
しかも、老廃物の処理に追われて、せっかく白血球が持っている、ウイルス退治の働きが弱まるのです。

熱が出たり、セキやタンが出たりするのは、カゼと闘っているために起こる自然な現象です。
同様に、食欲が落ちるのも、白血球をより働かせるための、体の自然な反応なのです。

ですから、そんなときに食べるなら、ショウガみそ汁がお勧め。
具を、ショウガのすりおろしと、ネギのみじん切りだけにしたみそ汁です。

これなら、食欲がないときでも、無理せず食べられます。
ネギには硫化アリルという成分が含まれ、発汗・解熱作用があります。

そして、みそは、最大の免疫器官といわれる腸の善玉菌をふやして腸内環境を改善し、免疫力を高めます。
まさに、カゼを撃退する食材ばかりです。

辛すぎない程度であれば、具の量は、好みや体調で加減してください。
また、カゼ対策として、毎日の健康法としていただきたいのは、ショウガ紅茶です。

私も、毎日欠かさず2杯は飲んでいます。
紅茶には、ポリフェノールの中でも、抗酸化作用と抗菌作用の特に強力な、テアフラビンという赤い色素が含まれています。

温かい紅茶におろしショウガを加えて飲めば、体温の高い状態をキープできるうえ、カゼウイルスを殺菌できるというわけです。
ただし、甘みがほしい場合でも、白砂糖は避けてください。

ビタミンやミネラルの豊富な黒砂糖か、腸内環境を整えるハチミツにしましょう。
「カゼは万病の元」といいますが、その原因である「冷え」こそが万病の元です。

ミカン湯やショウガみそ汁で、冷えを解消し、カゼをはね返してやりましょう。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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