食べ切った後に、残った漬け酢で、再度酢タマネギを作ってもいいですか? また、残った漬け酢に新しい酢を足したもので、再度酢タマネギを作ってもいいですか?
いずれも、1回ぐらいであれば問題ないと思います。
酢タマネギについて、いちばんよくある質問がこれです。実際に、このようにして作っている人も多いでしょう。
絶対やってはいけない、というわけではないですが、「1回ぐらいなら問題ないが、何度も使い回すのは避けたほうがいい」というのが、私の見解です。漬け込んでいる間に、タマネギから水分が出てくるので、何度も使い回すと、腐敗などの衛生上の問題が出る恐れがありますし、酢が薄まるので、酢タマネギ自体の味も変わってしまいます。
できれば、漬け酢も毎日少しずつ飲むようにし、タマネギがなくなるころには、漬け酢もなくなっているのが理想的です。漬け酢がどうしても余ってしまう場合は、酢の量を少なめにして作ってもよいでしょう。
1日に食べる量の目安はどのくらいですか?
1日朝晩2回、50gほど食べるのがお勧めです。
1日のうち朝と晩の2回、食事とともに50gくらい食べるのをお勧めしています。もちろん、1日1回だけでも結構ですが、その場合は、効果が出始めるまでに時間がかかるかもしれませんので、気長に続けることが大切です。
タマネギは、薄切りではなく、みじん切りにしたり、すり下ろしたりしても、効果は変わりませんか?
どんな切り方でも効果は変わりません。
縦切りではなく横切りでも、みじん切りでも、すり下ろしても結構です。お好みの切り方で作ってください。
タマネギをスライスした後、少し空気にさらしたほうが、効果は上がりますか? どのくらいの時間置いておけばいいですか?
10~30分置いたほうが有効成分が増えます。
タマネギを切ると、チオスルフィネートという成分ができます。チオスルフィネートは、ぜんそくの抑制、炎症の鎮静、血栓予防、殺菌作用などの効果があることがわかっています。こういった効能を高めたい場合は、10~30分は室温で空気にさらしておいたほうがいいでしょう。
もちろん、切ってすぐに酢に漬けたからといって、有効成分がまったくないわけではありません。
ラッキョウ酢など、あらかじめ甘味がついた酢で作ってもいいですか?
構いません。
ラッキョウ酢やすし酢など、すでに調味された酢で作っても、タマネギ自体の効果は変わりません。
醸造酢で作った物と比べると、酢の持つ効果が多少低くなってしまうかもしれませんが、酢タマネギは続けることがいちばん大切なので、おいしく食べ続けられる酢で作っていただくほうが、最終的には、健康にとってのメリットが大きくなると思います。
漬け酢は飲んだほうがいいですか?
ぜひ飲んでください。
漬け酢には、タマネギの有効成分が溶け出している上に、刺激が緩和されて飲みやすくなっていますから、ぜひ飲んでください。飲む量は、1日にさかずき1杯(10~20㎖)程度が目安です。この量を朝晩に分けて飲んでも、または朝か晩のどちらかに飲んでも構いません。そのまま飲んでも、水などで薄めて飲んでもいいでしょう。
漬け酢を飲むのが大変な場合は、ドレッシングの材料に使ったり、料理で酢を使うときに、代わりに使ったりすれば、無理なく利用できると思います。
なお、タマネギを漬けて1~2日目の漬け酢は、まだ刺激が強いので、飲まないでください。漬け酢も、5日目以降のほうがマイルドで、おいしいです。
酢タマネギは、どんな酢を使って作るのがお勧めですか?
醸造酢をお勧めしています。
ちなみに、商品のラベルに「醸造酢」と記載があるものが、醸造酢です。米酢や黒酢、リンゴ酢なども、醸造酢です。
作ってすぐ 食べたいのですが…。
じっくり漬け込んだほうがおいしいです。
酢に漬け込んで2時間ほどで食べられますが、2~3日以上漬け込んだほうが、味がまろやかになって食べやすくなります。私のお勧めは、5日間以上じっくり漬け込むことです。
漬け酢が使い切れません。酢の量を減らして作ってもいいですか?
酢がタマネギ全体に行き渡る工夫をすれば、構いません。
酢の量が少なめでも、酢タマネギを作ることができます。その場合、タマネギ全体に酢が行き渡るよう、1日に1~2回、中身をよく混ぜてください。密閉びんで作る場合は、1日に1~2回、びんをよく揺するといいでしょう。また、密閉びんではなく、市販のジッパー付き保存用ポリ袋でも作れます。
酢の量が少ないぶん、味もマイルドになるので、酸っぱくて食べ続けられないという人や、酢に弱い人、漬け酢が使い切れないという人は、お試しください。
酢が苦手なのですが、どうすればいいですか?
漬け込んでから食べるまでの日数を長くすると、食べやすくなります。
19年間酢タマネギを食べ続けてきた、私の経験からいうと、ポイントは2つあります。1つはリンゴ酢を使うこと、もう1つは5日間以上漬け込むことです。酸味のマイルドなリンゴ酢を使い、さらに長く漬け込むことで、酢やタマネギの味わいがさらにマイルドになり、食べやすくなります。また、ハチミツを少し多めにすると、味がよくなります。
「それでも苦手」という場合は、酢の量を少なめにして、酢タマネギを作ってみてください(A9参照)。また、食べるときに、しょうゆを少しかけたり、カツオブシをかけたりすると、食べやすいそうです。
胃が弱いのですが、食べても大丈夫ですか?
5日間以上漬け込んだものを、食事と一緒に食べましょう。
タマネギには刺激物質が含まれるため、本来は生でたくさん食べると胃の負担になりやすいのですが、酢タマネギの場合は、特に胃の不調を訴える人は見られません。 しかし、念のため、胃の弱い人の場合は、負担を軽くするため、5日間以上漬け込んだものを、食事と一緒に食べたほうがいいでしょう。初めは食べる量を少なめにして、様子を見ると、より安心です。少なめの酢で作ったものなら、より刺激がマイルドになります。漬け酢を飲むときも、そのままではなく、水などで薄めて飲みましょう。
糖尿病なので、ハチミツは使わなくてもよいですか?
使わなくても構いません。
ハチミツを使わず作った酢タマネギにも、薬効は十分にあります。ですから、使わなくてもよいのですが、ハチミツは砂糖や果糖のように糖尿病に悪い影響を与えることはないといわれています。むしろ、滋養作用があるので、大さじ1杯程度なら加えても差し支えないでしょう。
ハチミツではなく、オリゴ糖など、他の甘味料で甘味をつけてもいいですか?
構いません。できれば健康的な甘味料を使いましょう。
好みの甘味料を使用していただいて構いません。ただ、酢タマネギは健康のために食べるものですから、健康に有用なもので甘味をつけると、よりいいと思います。ハチミツやラカンカ、オリゴ糖などは健康にもよく、お勧めできます。
使用する量は、甘味料により、多少異なるとは思いますが、ハチミツと同様に、大さじ1くらいを目安とし、好みで加減するといいでしょう。
基本の材料以外に何かプラスしてもいいですか?
構いません。お好みでいろいろ試してみてください。
酢タマネギの基本は「タマネギ、酢、ハチミツ」ですが、38ページからご紹介しているように、食材をプラスしてみるのもいい考えです。酢タマネギは、続けることで効果が出てくる健康食ですから、飽きずに食べ続けるためにも、いろいろ工夫してみるといいでしょう。
すぐになくなるので、一度にたくさん作っても構いませんか?
作ってから10日程度で食べ切れる分量ならOKです。
酢タマネギは、冷蔵庫で10日ほどは保存可能なので、その期間内に食べ切れる分量なら差し支えありません。
その場合、使用する酢の量は、タマネギの量や使用する容器によって変わりますが、基本的には「タマネギが浸るくらいの量」が目安です。ハチミツの量も、酢の量に合わせて、加減してください。
解説者のプロフィール

周東 寛
南越谷健身会クリニック院長。専門はガンとアレルギー。
食事や運動の指導を自ら実践し、心身医学療法なども加え、トータルヘルスの確立に注力している。
テレビや新聞、雑誌などのメディアでも活躍。著書多数。
南越谷健身会クリニック
http://www.medical-kenshinkai.com/kenshinkai/