【クーラーつけっぱなし】咳や喘息の悪化 エアコンのカビ(真菌)が原因かも
連日の猛暑が続き、熱中症のニュースが報じられています。夜、寝ているときもクーラーの使用が推奨されていますが、実はそこには危険な落とし穴があります。エアコン内部の「カビ」がもたらす弊害です。【解説】内山葉子(葉子クリニック院長)
エアコン内部のカビが病気を引き起こす
今年の夏は本当に暑い!蒸す!記録更新が続々ですね。
私も、クーラーを1日中つけっぱなしにすることが、度々ありました。
ふとクーラーの吹き出し口をのぞくと、このような状態になっていることがあります(写真)。
そうです。カビです。エアコンだけでなく、家のあちこちにもカビが繁殖している可能性があるのです。
フィルターの掃除やアルコール綿で汚れを拭き取る
インターネットニュースでは「クーラーで喘息が悪化」などという記事が見られます。たしかに、夏の暑い屋外と、クーラーで冷やされた室内の温暖差が原因で、喘息が悪化することもあります。
しかし、あまり知られていませんが、カビ(真菌など)が喘息に悪さをしていることも、多くあります。
これは、「腸真菌症」と呼ばれるものです。
腸内環境が悪化している状態で、室内のカビを吸い込むと、それが腸内で繁殖してしまうことになり、喘息をはじめ、便秘や下痢・お腹の張りといった腸のトラブル、頭痛や関節痛、肌のかゆみなど、さまざまな不調を招きます。
また、毎日蒸し暑いと、甘くて冷たいものを食べる機会が増えます。すると、腸内環境がさらに悪化し、おなかのカビを繁殖させてしまう可能性があるのです。
では、どうしたらいいでしょうか?
お金をかけられる人は、業者さんにエアコンの掃除をしてもらうとよいでしょう。
そこまでしなくても、自分でこまめにフィルターの掃除をしたり、目に見える範囲の汚れをアルコール綿などで拭いたりするだけでも、かなり違ってきます。
また、朝だけでも窓を開けて、室内に風を通すとよいでしょう。
甘くて冷たいものも、取りすぎには注意が必要です。
梅干しはお勧めです。おなかのカビを退治するだけではなく、熱中症の予防にも効果的です。
腸真菌症は、とっても身近にある怖い病気ですので、ご注意ください。
おなかのカビについて、さらに詳しく知りたいかたは、拙著『「おなかのカビ」が病気の原因だった (日本人の腸はカビだらけ)』をご参照いただければ幸いです。
解説者のプロフィール
内山葉子
関西医科大学卒業。大学病院・総合病院で腎臓内科・循環器・内分泌を専門に臨床・研究を行った後、北九州市に葉子クリニックを開設。総合内科専門医、腎臓内科専門医、ホメオパシー専門医。自然医療や漢方・機能性食品などの補完・代替医療と西洋医学などを統合的に行い、難治性の疾患の診療を行う。著書に『「おなかのカビ」が病気の原因だった (日本人の腸はカビだらけ)』(マキノ出版)などがある。
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