【自分で治せる】医師が解説 脊柱管狭窄症の腰痛には「ひざの○○」を押せばよい

【自分で治せる】医師が解説 脊柱管狭窄症の腰痛には「ひざの○○」を押せばよい

近年、腰痛の原因として注目されているのが、脊柱管狭窄症ですが、ひざの裏を刺激することで、この腰痛が改善する可能性が高いのです。そこで、腰痛改善に効果的な「ひざの裏押し」のやり方をご紹介します。【解説】班目健夫(青山・まだらめクリニック院長)


「ひざの裏押し」のやり方

 全身の痛みのなかで、最も発生頻度が高いのが腰痛です。中高年になれば、ほとんどの人が、腰痛を経験していることでしょう。
 その腰痛の原因として、近年注目されているのが、脊柱管狭窄症です。背骨の中には、神経が通っています。この神経の通路が脊柱管で、脊柱管が狭くなって、神経が圧迫される病気が脊柱管狭窄症です。

 ただし、脊柱管が狭くなっていても、周囲の筋肉をほぐしてやれば、腰痛や足のしびれは楽になります。
 ところが、脊柱管狭窄症の患者さんの腰は、筋肉がガチガチにこっていて、それを直接ほぐすのは容易ではありません。鍼治療や温熱刺激、通電刺激をしても、改善しない場合が多いのです。

 そこで、お勧めなのが、ひざの裏を押すという方法です。
 東洋医学では、一種の生命エネルギーである気が全身を巡っていると考え、この気の通り道を経絡といいます。腰とひざの裏は、どちらも膀胱経という経絡の支配を受けています。したがって、ひざの裏を刺激することで、腰痛が改善する可能性が高いのです。
 脊柱管狭窄症の人は、腰だけでなく、お尻や太ももの筋肉もこっているのが普通です。ひざの裏は、太もも後面の筋肉が、ひざに付着している場所です。そのうえ、付着部は収縮性のない腱線維でできていますから、なおいっそう血流の停滞しやすい部位といえるのです。

 つまり、ひざの裏と腰は、同じ膀胱経の支配を受けるだけではありません。ひざの裏は、太もも全体の血流を促し、お尻や腰の血流を改善して、コリを取り去るための絶好の治療ポイントといえるのです。

押したその場で腰の痛みが消えた!

 では、ひざの裏押しで、症状が改善した例を、ご紹介しましょう。
 60代の女性Kさんは、腰痛に悩んで整形外科を受診すると、脊柱管狭窄症という診断を受けました。医師からは、「手術で治癒する確率は50%」といわれ、ほかの治療法を求めて、私のクリニックに見えました。

 触診をすると、太ももの裏側にひどいコリがありました。そして、ひざ裏の治療をすると、腰の筋肉のコリが急速に緩み、痛みやしびれも改善しました。そのため、Kさんは手術を回避できたのです。
 やはり整形外科で脊柱管狭窄症と診断されていた52歳の男性Oさんは、胃ガン再発の転移を予防するために、私のクリニックに通院されていました。
 あるとき「腰がおかしい」と訴えたため、触診。すると、腰と左のひざの裏にひどいコリがありました。

 そこで、ひざの裏を押したところ、その場で腰の痛みが消え、楽になったのです。
 このように、脊柱管狭窄症の腰痛を改善するひざの裏押しですが、ひざの裏なら自分の手が届くので、自分で刺激できるのもメリットです。
 では、ひざの裏押しのやり方をお教えしましょう。

 押す場所は、ひざのお皿の真裏で、ほぼ左右中央です。まずは、ひざの裏のコリコリとした部分や、強い痛み、しこりを感じる部分を探してみてください。そこが治療のポイントとなります。左右の足で異常の現れ方が異なる場合もあるので、必ず両足を探ってみましょう。
 治療ポイントが見つかったら、両手の親指をひざの裏に当て、強く押して、コリをほぐします。

 いつやってもいいのですが、入浴時に湯ぶねの中で行うのがお勧めです。温熱刺激との相乗効果で、より腰の筋肉がほぐれやすくなるからです。
 治療ポイントがわからない場合や、指の刺激でじゅうぶんな効果が得られない場合もあるでしょう。そういう場合は、ひざの裏に使い捨てカイロを貼って、温めましょう。
 カイロを貼る場合、低温ヤケドにならないように、ズボンやズボン下の上から、カイロを貼るようにしてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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