MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
認知症や脳卒中の予防に期待 シソ酢に含まれる「ロスマリン酸」の効果

認知症や脳卒中の予防に期待 シソ酢に含まれる「ロスマリン酸」の効果

近年、青ジソや赤ジソに含まれる「ロスマリン酸」に注目が集まっています。ロスマリン酸は、認知症を引き起こす脳へのたんぱく質の凝集を防ぐと期待されています。脳の酸化を抑えることは、脳の病気を予防することに直結するといってもいいでしょう。【解説】阿部康二(岡山大学医学部脳神経内科学教授)

解説者のプロフィール

阿部康二(あべ・こうじ)
岡山大学医学部脳神経内科学教授。医学博士。
1987年東北大学神経内科大学院修了。1988年米国ハーバード大学神経内科学教室留学。神経内科学全般、脳卒中、認知症の研究を行い、国内外で高い評価を得る。

脳の専門家も注目!ロスマリン酸とは?

 近年、青ジソや赤ジソに含まれる「ロスマリン酸」に注目が集まっています。
これは、シソのほか、ローズマリー、レモンバームなどシソ科の植物に含まれるポリフェノールの一種です。
 ポリフェノールは、植物が自身を酸化から守るために作り出す抗酸化物質で、色素や味のもとになっています。

 ロスマリン酸は60年前にイタリアの研究者によって、ローズマリーから発見されました。
 まだ見つかってからさほど歴史はありませんが、これまでの研究で、ロスマリン酸は強力な抗酸化作用を持っていることがわかりました。炎症やアレルギーの抑制、血糖値の低下作用などがあると報告されています。

ロスマリン酸の認知症予防効果に期待

 さらに近年は、認知症予防に有効ではないかとの研究が相次いで発表され、より注目を集めるようになっているのです。
 私は脳の病気が専門ですが、超高齢化社会が進む中、より早い段階から脳の病気予防が期待できる食品成分として、ロスマリン酸に期待しています。

 まず、脳は「酸化」に弱い臓器です。例えば、血管で酸化が起こると動脈硬化が進みますが、脳血管は他の臓器の血管に比べ、酸化ストレスによる障害をきたしやすいことがわかっています。脳血管で動脈硬化が進むと、脳卒中の起こる危険が高まります。
 脳の酸化を抑えることは、脳の病気を予防することに直結するといってもいいでしょう。

 最近ではうつ病にも、脳の酸化に伴う慢性的な炎症が関与しているとの説があります。ロスマリン酸が脳の酸化を防ぐのであれば、シソ酢を飲むことで、うつ病の予防にも役立つ可能性が考えられます。

 ロスマリン酸は、認知症を引き起こす脳へのたんぱく質の凝集を防ぐと期待されています。
 アルツハイマー型認知症には「アミロイドβ」、レビー小体型認知症(脳の大脳皮質にレビー小体という特殊な変化が現れる認知症)やパーキンソン病には「αシヌクレイン」というたんぱく質が脳にたまって悪さを働き、発症につながると考えられています。

 鳥取大学大学院の河田康志教授は、全部で134種類もの食品成分や抽出物を集め、それらがたんぱく質の凝集を防ぐ効果があるかどうかを調べる研究を行いました。
 その結果、ロスマリン酸を多く含むスペアミントの抽出物が特に、アミロイドβやαシヌクレインの凝集を防ぐことがわかりました。河田教授は、ロスマリン酸が、認知症を予防できる可能性を持つとしています。

 つまり、ロスマリン酸が豊富なシソ酢を飲むことで、認知症の予防も期待できるということになります。
 東京大学大学院の小林彰子准教授らも同様に、ロスマリン酸にアミロイドβの凝集を防ぐ作用があると報告しています。

やせたい人はシソ酢を飲もう!

「シソ酢」はシソと黒酢を組み合わせたものですが、黒酢を含むすべてのお酢にも血圧を下げる作用があります。

 また、お酢は食後の血糖値の上昇を穏やかにします。それだけでなく、クエン酸回路という、食事からの栄養で体を動かすシステムがありますが、お酢は、これの活動を活性化します。糖質や脂質が燃えやすくなると、やせる効果を期待できます。

 ロスマリン酸もまた、体内で、糖質の吸収を手助けするα-アミラーゼという酵素の働きを邪魔してくれます。すると、太る原因の糖質の消化速度を遅くして、血糖値が上がりにくくなるのです。
 肥満が気になる人は、食前もしくは食事中にシソ酢を飲むか、料理に使うようにしましょう。

 シソとお酢の合わさった風味には清涼感があり、特に夏場の夏バテ対策としても有効ではないかと思います。
 脳の健康を維持する観点からも、ぜひ食生活に取り入れてみてください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
「洋食は高カロリーで体に悪い」と思う人もいるかもしれませんが天皇家の洋食の食材は日本で取れる旬のものばかり。その土地に住む人の体質に合ったものです。洋食も日本人に合った洋食が作れるのです。日本の旬の物をいただき、食材を無駄にしない天皇家のレシピを皆さんの健康に役立ててください。【解説】工藤極(元宮内庁大膳課厨房第二係)
更新: 2019-05-07 18:00:00
私が考案した10種類以上のフルーツ酢の中で、現在最も人気が高いのが「レモン酢」。数あるフルーツ酢ダイエットの中でも「イチオシ」といってよく、教室などでも勧めているフルーツ酢です。ぜひお試しください。【解説】村上祥子(料理研究家・管理栄養士)
更新: 2019-04-11 10:18:08
「みそ汁に酢を入れたら、酸っぱくなるのでは」と心配するかたもいるでしょう。でも、お椀1杯のみそ汁につき、小さじ半分程度の酢なら、酸味はほとんど感じません。今回、酢みそ汁に初挑戦するかたがたのために、お勧めの具材や、作り方のコツをご紹介しましょう。【解説】庄司いずみ(野菜料理家)
更新: 2019-04-05 10:22:22
独身時代はほとんど食べ物に気を遣っていなかった私でも、家族ができれば話は別。なるべく人工添加物などが使われていない、体にいい食べ物を食卓に並べるようにしてきました。自然に食べ物へ関心を持つようになったわけですが、近年私の心をとらえて離さないのが「タマネギ」です。【体験談】志穂美悦子(フラワーアクティビスト)
更新: 2019-02-19 18:00:00
タマネギに含まれるのは植物性乳酸菌で、生きて腸まで届きます。腸内環境がよくなると、免疫力のアップや自律神経のバランスが整います。血中コレステロールの低下による高脂血症の予防・改善、大腸がんのリスク低減などにもつながります。 【解説・レシピ考案】中村美穂(管理栄養士・フードコーディネーター)【料理・スタイリング】古澤靖子
更新: 2019-02-17 18:00:00
最新記事
私は、60歳の今も左右の視力は1・0を保っています。これまでメガネの世話になったこともありません。老眼知らずの状態をキープしている秘密は、私が毎日行っているトレーニング「目のスクワット」にあるのです。毛様体筋をほぐす効果があります。【解説】本部千博(ほんべ眼科院長)
更新: 2019-07-03 14:37:40
歩くとひざが痛くなる、腰が重くなる、どっと疲れが出る。私なら、まず「浮き指」を疑います。詳しく調査した結果、現代日本人男性の6割、女性の7割が浮き指であることがわかったのです。浮き指とは、文字どおり「足の指が浮いている」状態を指します。【解説】阿久根英昭(桜美林大学健康福祉学群教授)
更新: 2019-06-18 18:00:00
鍼灸師の私がおすすめして、皆さんにご好評をいただいている「温熱ツボ刺激」のやり方をご紹介しましょう。この温熱ツボ刺激は、男女を問わず効果があるものです。ですから、女性だけでなく、薄毛や白髪で悩む男性のかたにもぜひ試してほしいのです。【解説】横内稚乃(稚乃針灸整骨院院長)
更新: 2019-06-17 18:00:00
玉ねぎが体によいのはよく知られたことですが、なかでも、血糖値を降下させる作用が注目されています。しかし、玉ねぎを毎日食べたくても、あのツンとする刺激臭が嫌で、玉ねぎ料理は苦手という人も多いでしょう。そこでお勧めなのが、玉ねぎドレッシングです。【解説】里見英子(里見英子クリニック院長)
更新: 2019-06-16 18:00:00
慢性腰痛は、さまざまな原因によって生じます。なかでも最大の原因と考えられるのが、普段の姿勢の悪さです。加齢や運動不足、パソコンやスマホなどの習慣によって、私たちの姿勢はひどく悪いものになっています。これが、腰に負担をかけているのです。【解説】岩間良充(鍼灸整骨院ホスピスト院長)
更新: 2019-06-15 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt