頭を動かすたびにフラッとする
今年の春のことです。ある朝、起きて立とうと思ったら、フラフラッとして、倒れそうになりました。
「血圧のせい? もしかして脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる病気)では?」と心配になり、かかりつけの内科に行きました。
すると、「脳梗塞ではないから心配しなくていい」と言われ、「年のせいかな」と笑いながら話して帰ってきました。
ひとまず安心しましたが、それからも、頭を動かすたびに、フラッとします。夜、枕に頭を押しつけたときや、目覚めて起き上がったときにも、やはりフラフラッとするので、気持ち悪くてたまりません。
そこで、いつもいろいろな不調を治療してもらっている、ツバサ整骨院に行きました。すると、関口志行先生が、手首の1点を押す治療法を行ってくれたのです。
関口先生が手首を押してくれている間に、首を前後に10回くらい倒すように言われました。次は首を左右に倒し、その後、左右にひねります。最後に、口を大きく開け閉めします。
手首押しの治療を受けた直後は、まだふらつきがありましたが、2日後くらいに、気がつくと、頭のふらつきがかなり軽くなっていました。まだ、完全には消えていませんでしたが、とてもらくになったのです。
ツバサ整骨院に行って、関口先生に「先生、すごくらくになりました」とお伝えすると、先生は喜んでくださり、「これからは自分でやってみて。自分でもできるから」とおっしゃいました。
そこで改めて、手首の押す場所と押し方、頭の動かし方を教えていただきました。
手首の押す場所は、月状骨という骨です。手の甲側の手首の外側にある、くるぶしのような大きな骨のきわから、薬指側に向かって少し上がったところにあります(押す位置の探し方は手首の1点押しのやり方記事参照)。
手首押しをするときは、わきを締めて開かないようにするのがポイントとのことでした。わきを締めると、自然に手がおなかの辺りにきます。その状態でやることが大事だそうです。
とても簡単な方法なので、少しやっていると、コツがつかめました。
それからは、家で朝晩、両手に手首押しを行うようになりました。昼にテレビを見ているときなどにも行いました。すると、ふらつきはどんどん軽くなって、4〜5日で、まったく出なくなったのです。
内科で「心配ない」と言われても、ふらつきがあると、やはり不快です。それが起こらなくなったので、とても助かりました。

複雑な耳鳴りの音が1種類に減った!
手首押しをやっていて、もう一つ、いいことがありました。
実は私は、以前から耳鳴りも気になっていました。
私の耳鳴りは、いろいろな音が混じっている、複雑なものでした。普通は、ジーという低い耳鳴りか、キーンという高い音の耳鳴りがするとよくいわれます。人によって決まっているようですが、私の場合は、同時にいろいろな音がするのです。
「グーッ、グーッ」という音や、コオロギが鳴くような音、ジーという音などです。そういう音が入り混じって聞こえると、余計に苦痛です。
耳鼻科では、この耳鳴りは「治らない」と言われました。ですから、半ばあきらめつつも、関口先生に治療していただいていました。
それでも、なかなか変化がなかったのですが、手首押しをやっているうち、気がつくと、耳鳴りの音の種類が減っていました。ジーというセミの鳴き声のような低い音、1種類だけになっていたのです。
整骨院で受けていた治療に加え、ふらつきの対策として、家でもこの治療法を行ったのがよかったのかもしれません。
ふらつきがなくなったうえ、耳鳴りの音が1種類になったので、私としてはうれしい限りです。これからも、何かあったら、この治療法を活用しようと思っています。

家でテレビを見ているときなどにも手首押しを行った
しつこい不快症状も速やかに改善する(ツバサ整骨院院長 関口志行)
伊藤さんは縫い物が好きで、よく根を詰めて裁縫仕事をしています。下を向いて手を動かし、細かい作業をすることで、月状骨にも首にも悪影響が出ていました。その結果、ふらつきやがんこな耳鳴りに悩まれることになったと考えられます。
こんなときにとても効果的なのが、手首押しです。しつこいめまい、ふらつき、耳鳴りも速やかに改善されます。伊藤さんの場合も、短期間でふらつきが取れ、耳鳴りも軽くなりました。もし、効き目が弱いと感じたら、首の運動や口の開閉の回数を増やすか、月状骨をさらに強めに押してみてください。