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【耳の裏がくさい】わきや汗の嫌な臭いに効果「ミョウバン水」の活用法

【耳の裏がくさい】わきや汗の嫌な臭いに効果「ミョウバン水」の活用法

においを気に病んで消極的になると、もっとにおいが強くなってしまいます。本来、体臭は一つの個性。完全に体臭を消そうとする必要はありません。今の自分に合った、正しいにおい対策を心がけてください。体臭を抑えるために、多くの人にお勧めしているのが「ミョウバン水」です。【解説】五味常明(五味クリニック院長)

解説者のプロフィール

五味常明(ごみ・つねあき)
●五味クリニック
東京都新宿区百人町1-10-12
03-3368-5126
http://gomiclinic.com/index.html

五味クリニック院長。医学博士・流通経済大学客員教授。
日本心療外科研究会代表・体臭・多汗研究所所長。1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。

体臭は私たちが生きている証拠

 私は体臭治療の専門医として、長年にわたり、自分自身のにおいで悩んでいる患者さんを診察してきました。
 以前は、体臭を気にするのは若い女性がほとんどでした。ところが最近では、中高年でも「自分のにおいで周囲に迷惑をかけているのではないか」と心配する人が増えています。

 お孫さんから「臭い」と言われたことがきっかけで、他人と会うことを避けるようになり、家に閉じこもってしまった高齢者も珍しくありません。
 しかし、においを気に病んで消極的になると、もっとにおいが強くなってしまいます。その理由については、後で詳しく述べましょう。

 本来、体臭は一つの個性。生きている限り、体から発生するものです。
 ですから、完全に体臭を消そうとする必要はありません。今の自分に合った、正しいにおい対策を心がけてください。

古代から使われてきたミョウバン

 体臭を抑えるために、多くの人にお勧めしているのが「ミョウバン水」です。
 ミョウバンは、野菜のあく抜きなどに使われています。その歴史は古く、古代ローマでは浄水剤や制汗剤として使われてきたようです。

 ミョウバンを水で溶かしたミョウバン水には、次の三つの効果があります。
❶汗や尿のツーンとしたにおいを消す
❷汗の出を適度に抑える
❸肌の表面の雑菌の繁殖を抑える

 それぞれの効果について、順に説明していきましょう。
❶汗や尿のツーンとしたにおいを消す
 汗や尿のツーンとしたにおいのもとは、アンモニアです。アンモニアはアルカリ性なので、弱酸性のミョウバン水で中和されて、においが消えます。

❷汗の出を適度に抑える
 汗には、「いい汗」と「悪い汗」があります。
 スポーツをしているときに出てくるさらっとした汗は、わずかな塩分を含むいい汗で、肌の表面ですぐに乾きます。
 一方、不安やイライラで出る汗は「精神的発汗」といって、べたべたして蒸発しにくく、アンモニアなどのにおい物質を含む悪い汗なのです。

 冒頭で、においを気に病むことで、においが強くなるとお伝えしました。その理由は、ストレスをためている状態だと、悪い汗をかくからです。
 さらに、閉じこもって運動量が減れば、いい汗をかけなくなってしまいます。ウオーキングなどの有酸素運動で血流をアップさせて、いい汗をかく「汗腺トレーニング」を心がけましょう。

 女性の場合、更年期を迎えるとホルモンバランスが乱れて、ぐっしょりと汗をかいてしまうことがあります。
 その対策としても、ミョウバン水が使えます。ミョウバン水には肌を引き締める収れん作用があるので、汗の出が適度に抑えられます。

 市販の制汗剤よりもミョウバン水のほうが、収れん作用が穏やかです。ですから、いい汗まで過剰に止めてしまうことはありません。

❸肌の表面の雑菌の繁殖を抑える
 においを気にしすぎて、体や頭をゴシゴシと1日に何回も洗っていたら、逆ににおいが強くなります。これは、肌にすんでいる菌類(常在菌)のバランスがくずれて、においを発生させる悪玉菌が増えることが原因です。

 特に問題なのは、殺菌作用のある石けんです。善玉菌を殺し、悪玉菌が増えやすい状態を作ってしまうからです。

 私たちの肌の汚れは、流水で取り除くことができます。つまり石けんやシャンプーを使わなくても、温かいシャワーを浴びるだけで、清潔な状態が保てるのです。
 ミョウバン水は弱酸性で、常在菌を殺さず、悪玉菌の活動や繁殖を抑制します。

「イメージ臭」を消すことも大事

 厄介なのは、においは必ずしも嗅覚だけの問題ではないということです。

 不潔っぽい見た目だったり、ネズミ色や茶色の服ばかりを着ていたりすると、周囲から「この人は臭そうだ」と思われてしまいます。
 すると、本人の体からはにおい物質が出ていないのに、周囲は視覚で臭さを感じてしまうのです。これを私は「イメージ臭」と呼んでいます。

 実は中高年のにおい対策で大事なのは、イメージ臭を消すことなのです。伸びっぱなしの髪や爪を切り、男性はひげをそって、明るい色の服を身に着け、清潔感を演出すると、周囲から臭いと思われなくなります。

 加えて、若々しく振る舞うこと。一日中、家の中でゴロゴロするのではなく、趣味やボランティア活動などで積極的に過ごしてください。
 そのうえで、汗などが引き起こすにおいを、ミョウバン水で抑えるように心がけるといいでしょう。


◎におい対策のポイント

■適度な運動で汗をかく
汗の質が変化してにおいが抑えられる(汗腺トレーニング)

■頭も体も洗いすぎない
においが気になるからといって頭や体をゴシゴシと洗わない。シャンプーや石けんを使うのは3日に1回程度がよい

■ミョウバン水を吹きかける
汗や尿のにおい成分を中和させる

■若々しい外見を心がける
実は清潔で若々しいイメージがとても大事である

嫌なにおいを解消する!ミョウバン水の作り方・基本的な使い方

【用意するもの】
ミョウバン(スーパーや薬局などで150円前後で販売)…50g
水道水…1.5L
容量が1.5L以上のペットボトル…1本
スプレー容器

【作り方】
ペットボトルにミョウバンと水を入れてよく振り、ミョウバンを溶かして「ミョウバン水」を作る。

※振っても溶け切れない場合は、3〜4日おくとよい。ペットボトルの底に少量溶け残っても問題ない。

※ミョウバン水は冷蔵庫の中で約3ヵ月保存できる。長期にわたって保存できるが、安く作れるので1ヵ月を目安に作り替えるとよい。

【使い方】
ミョウバン水をスプレー容器に入れて、においが気になる部位に吹きかける。

※吹きかけたときにピリッとした刺激を感じたら水道水で洗い流し、ミョウバン水をさらに水道水で薄めてから使用する。あるいは、ミョウバン水を肌ではなく衣類や寝具などに吹き付けてもよい。

※かゆみやかぶれなどが現れたら、使用を中止する。

部位ごとのミョウバン水の使い方

耳の裏のにおい

■ミョウバン水を一吹きする

 耳の裏は、汗をかきやすいうえ皮脂腺が集中しているため、においが気になる部分です。
 だからといって、髪を洗うときにゴシゴシと耳の裏も洗っていると、健康な肌に存在する善玉菌を減らし、悪玉菌を増やしてしまいます。さらに、肌のバリア機能を破壊して、フケやにおいを悪化させるのです。

 耳の裏のにおいには、人と会う前などに、ミョウバン水をシュッと一吹きしましょう。
 使用回数は、1日1回が目安です。

 汗をふくときは、ぬれたハンカチが適しています。乾いたハンカチは汗の水分だけを吸収して、その他の成分を肌に残します。その結果、雑菌が繁殖して、においの原因になります。
 ミョウバン水でぬらしたハンカチを使ってもいいでしょう。

人と会う前などにシュッと一吹き

わきのにおい

■ミョウバン水を含ませた布で優しくふく

 年齢を重ねるにつれ、体臭も変化します。
 わきのにおいについては、高齢になるほど弱まる傾向にあります。しかし、夏になればわきに汗がたまり、においが気になることもあるでしょう。

 そのようなときには、ミョウバン水を含ませてから絞ったぬれタオルなどで、わきを優しくふきましょう。

 ミョウバン水をわきにスプレーするのも効果的です。この場合は、肌が湿った状態になるまで、2〜3回吹き付けるといいでしょう。
 ミョウバン水の使用回数は、1日1回が目安です。

 汗が衣類に染み込んで時間がたつと、においは発生しやすくなります。ですから、こまめに着替えることも、におい対策として効果があります。

ぬれタオルで優しくふく

尿のにおい

■ミョウバン水を布類に吹きかけておく

 誰でも中年以降は「加齢臭」といわれる特有の体臭が出てきます。目が見えにくくなったり、耳が聞こえにくくなったりすることと同じような、生理的な現象です。

 加齢臭については、古い本やろうそく、枯れ草のようなにおいと表現されています。
 原因となる「ノネナール」という物質は、それほど不快なにおいではありません。しかし、肥満や運動不足、体調不良の場合は、臭くなります。ですから、健康的な生活が加齢臭対策になるわけです。

 加齢臭は70代に入ると弱まります。その代わりに、ツーンと鼻を突くような「老人臭」が発生しやすくなります。原因は、汗や尿に含まれるアンモニアです。

 年を取れば、排尿機能も衰えてきます。そのため、尿をちょっと漏らして、衣服からにおいが漂うことがあります。
 そして、加齢で腸内環境が悪化すると、腸の中でアンモニアなどのにおい物質が発生しやすくなります。こうしたにおい物質が吸収されて、血液に乗って全身を巡り、汗から出てくるのです。

 さらに、介護の問題があります。介護者は、家族の排泄を助けなければなりません。また、家族の布団などに尿が染み込んで、においが発生しがちです。
 そのため、家の中は独特の「介護臭」が充満し、介護者がにおい移りを心配するケースがあります。

 こうした老人臭と介護臭は、ミョウバン水で防ぐことができます。アルカリ性のアンモニアを、弱酸性のミョウバン水が中和することで、においが抑えられるのです。

 下着やパジャマ、シーツなどといった布類は、洗濯して干した後にミョウバン水をスプレーしましょう。汗や尿のアンモニアが中和されます。ミョウバン水を入れたスプレー容器に、レモン汁または酢、ハッカ油を1〜2滴加えて、香り付けをしてもよいでしょう。

 寝具などの尿臭が気になるときには、バケツなどにミョウバン水を入れて漬けておくと、においが気にならなくなるはずです。

 介護者の衣類についても、ミョウバン水をスプレーしておけば、におい移りを防ぐことができます。

レモン汁または酢、ハッカ油で香り付けしてもよい

スプレーしておけば、においを防げる

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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