腸にたまった老廃物が筋肉の質を悪くする!
私は、接骨院とカイロプラクティックの治療院を営んでいます。日ごろ、患者さんを施術していて、私はある点が気になっていました。
それは、症状が改善しても、少し時間がたつと、症状がぶり返すことです。
足腰の痛みに、こうしたケースがよく見られます。このような根治しにくい症状は、その原因の大半が日常生活にあることに、あるとき気がつきました。
原因となっている生活習慣を改めないかぎり、一度よくなっても、症状がぶり返すことが多いのです。しかも、再発すると、症状がさらに悪化していることが少なくありません。
私は、こうした再発の原因が腸の状態にあると考えています。
一般的に、腸の状態が足腰の痛みと関係があるとは思われないでしょう。しかし、両者の間には密接な関係があるのです。
便秘などで、日ごろから腸の状態がよくないかたは、その悪影響が、体のいろいろなところに及びます。
腸は、体の中の老廃物を排出する重要な器官です。体の老廃物の75%は、便によって体外に排出されるといわれています。
現代の食生活では、よほど注意しないかぎり、食品添加物など、体に有害な物質を日々摂取してしまいます。そして、体外に有害物質が排出されないと、多くが老廃物として体内に残ってしまうのです。
腸の働きが悪く、便秘がちの人は、筋肉の質がなかなかよくなりません。それは、体に蓄積した老廃物が、筋肉に蓄積されてしまうためです。
そして、運動不足や加齢で筋肉がしだいに細く、弱くなったとき、老廃物が過剰にたまっていると、これが筋肉をかたくしてしまいます。
かたくなった筋肉が骨に余分な負荷をかけ、そこから治りにくい関節の痛みなどが生じてくるのです。
ですから、腸内にたまった老廃物を排出し、腸の働きを整えることは、足腰の痛みなどの治りにくい不調を解消する基本といえます。
実際、ここ数年、私は患者さんの腸の働きに着目し、全身を施術しています。その結果、体の痛みに関して、根本原因を取り除けるようになってきたと実感しているのです。
梅湯を飲むと全身の調子が整う!
私は、施術のほか、患者さんに呼吸法を指導することで、排便を行う筋肉を強化し、腸の働きを整えてもらいます。
そして、そのほかの方法として、私が皆さんにお勧めしているのが、「梅湯流し」です。
梅は昔から、解毒作用に優れた食品として知られています。梅湯流しは、梅干しを使った代表的な腸の解毒法です。
梅湯流しは本来、断食中に行うものですが、私が指導するときは、ひと晩食事を抜いた翌日に1日だけ行います。
では、断食の際の梅湯流しのやり方をご説明します。
まず、梅湯をどんぶりで2杯飲みます。
その後、旬の生野菜と梅湯を、交互に食べたり飲んだりをくり返すのです。
梅湯を5杯飲んだあたりから、便意を催します。
トイレに3回くらい行った後に、旬の果物を2種類食べるのです。
これを3ヵ月に1回行います。
下痢をすることがありますが、便が出切ってしまえば、下痢は自然に治まるので、心配ありません。
下痢をしたら、腸の中にたまった老廃物を全部出し切っているのだと考えてください。
しかし、なかなか断食ができないというかたも多いと思います。
そこで、まずは断食をしないで、梅湯流しをやってもいいでしょう。
では、梅湯の作り方をご紹介します。
❶鍋に2Lの水を沸かします。
水は天然水、もしくはミネラルウォーターを使ってください。
❷梅干し(できれば、無添加のもの)8個を鍋に入れ、10分ほど火にかけたら、出来上がりです。
煮出した梅干しは、食べましょう。
この梅湯を、水やお茶を飲むような感覚で飲んでください。
これを習慣にすることで、腸だけでなく、体全体の調子を整えることができるはずです。
ぜひ一度、梅湯流しを試してください。
腸の働きを整えることで、体調がどれだけ変わるかをご自身で実感できると思います。
※健康に不安のあるかたは、医師と相談のうえ、断食を行ってください。
❶鍋に2Lの水を湧かす。
水は天然水、もしくはミネラルウォーターを使う。
❷梅干し(できれば、無添加のもの)8個を鍋に入れ、10分ほど火にかけたら、出来上がり。