【お悩み】お尻に吹き出物ができて困っています。どうしたらよいでしょうか。
お尻に吹き出物ができて困っています。ちょうどイスに座るときの座面に当たる部分で、座ると痛いのです。気がつくと治っていることもあるのですが、またふとしたことで再発します。市販のぬり薬を使っても、効き目が今ひとつ。どうしたらよいでしょうか。
(50代男性)
回答者のプロフィール

浜田貫太郎(はまだ・かんたろう)
●浜田整体院
東京都目黒区緑ヶ丘2-17-24 バンヴェール栗山201号
03-5729-1373
http://seitai.iiyudana.net/
浜田整体院長。1980年、石川県生まれ。2008年から浜田整体を開業。施術のほか講座を開催して整体の普及に努める。著書に『整体操法入門』(たにぐち書店)。
吹き出物やおできは肝臓の弱りが原因
お尻の吹き出物がくり返しできるというお悩みは、少なくありません。ただ、お尻にできることに大きな意味はなく、人によって出やすい場所にできるだけです。
つまり、顔、首、背中など、人によって吹き出物が出やすい場所の傾向がありますが、その根本原因は同じです。
それは、「肝臓の不調」です。肝臓は、体の代謝を一手に引き受けている臓器です。その肝臓が、酷使されて余力を失ったり、疲れて機能低下に陥ったりすると、体に余分な老廃物がたまりやすくなります。それが、その人の皮膚の弱い場所に出るのが吹き出物なのです。
ですから、できた場所がどこであれ、吹き出物に対しては、肝臓を元気にして、代謝を促すことが対策となります。吹き出物に限らず、ニキビやおでき、あるいは粉瘤と呼ばれるものも、基本的には同じです。
粉瘤とは、皮膚の下に袋状のものができ、その中に、本来はがれ落ちるべき角質や皮脂などがたまったものをいいます。手術が必要といわれることもありますが、肝臓の働きをよくすれば、自然に小さくなって取れる場合が多いのです。
ニキビもおできも粉瘤も、吹き出物の一種と理解してください。その有効な対策は、皮膚に何かをぬることではなく、肝臓を元気にすることです。
そのために、まず重要なのが食生活です。吹き出物ができやすい人は、次のどれかに当てはまらないか、食生活を振り返ってみましょう。
●お酒をよく飲む
●油っこいものをよく食べる
●砂糖をよくとる
相談者さまのように、吹き出物が周期的に出たり消えたりするのは、おそらく食生活が荒れると悪化し、食生活が改善されると肝臓が元気になって治まると考えられます。
例えば、ピーナッツチョコレートをたくさん食べると、ニキビや吹き出物が出やすいことは、誰しも経験から知っているでしょう。顔以外の吹き出物、さらにおできや粉瘤もその延長線上にあるのです。
ですから、まずは飲みすぎや食べすぎを控えて、同時に、毒素を排出しやすくするため、水をたくさん飲んでください。
それとともに、自分で肝臓を刺激して、元気にするセルフ整体を行うことで、痛みや腫れがみるみるうちに改善します
沈黙の臓器ではなく肝臓はおしゃべりな臓器
では、「肝臓を元気にするセルフ整体」をご紹介します(下記参照)。
このセルフ整体を行うと、多くの場合、その場で吹き出物やニキビが小さくなったり、硬かったおできや粉瘤が軟らかくなったりします。
吹き出物のあるような人は、たいてい肝臓が硬いです。最初のうちは、何が硬いのかさえわからないかもしれませんが、毎日、自分の肝臓を触るうちに、どういう感触が硬いのか、軟らかいのかがわかるようになってきます。
食生活に留意しながら、セルフ整体を行うと、肝臓はどんどん軟らかくなります。それと共に、頑固な吹き出物が軟らかくなり、縮小して消えていきます。
よく「肝臓は沈黙の臓器」といわれますが、整体の観点からいうと、そんなことはなく、むしろ「おしゃべりな臓器」です。ですから、硬さを調べるだけで、状態がわかるのです。
いったん肝臓が軟らかくなったら、お酒や油脂や砂糖をとるとしても、その軟らかさが保てる範囲にとどめてください。少し硬くなってきたら、それらを控えるとともに、セルフ整体を念入りに行うとよいでしょう。
ほかにも、このセルフ整体を続けていると、シミが薄くなったり、肌全体がきれいになったり、代謝がよくなってやせたり、めまいや頭痛が改善されたりという効果が期待できます。
また、このセルフ整体で刺激する付近には、便秘に効果的な「痢症活点」という反応点があるので、便秘の解消にも効果的です。人によっては、下痢を誘発するかもしれませんが、出るべきものが出ただけなので、ご心配には及びません。それを通じても、吹き出物類が予防・改善できます。
ご自分で簡単にできる方法ですので、吹き出物にお悩みのかたは、ぜひお試しください。
肝臓を元気にするセルフ整体のやり方

❶あおむけに寝る。
❷右の肋骨のいちばん下のへりに右手を当てる。ここに肝臓がある。

❸右手の力は抜き、上から左手で押さえる。

❹ゆっくりと深呼吸し、息を吐くとともに、左手でジンワリと、やや強めに肝臓を押す。
❺息を吐き切って、吸い始めるとおなかが手を押し返してくるので、そこをしばらく耐えてから、ポンとはじかせるように、左手の力を抜く。
※④〜⑤を10回くり返す。食後15分は避けて、朝と晩に行う。