人生がメチャクチャになると絶望しかけた
去年の11月、突然、右の耳で「ピーッ、ピーッ」という耳鳴りが始まりました。心配になった私は、すぐに耳鼻咽喉科を受診しました。幸いにも、特に異常はないとの診断でした。
しかし、すっかり安心していた1週間後、やはり右の耳から、「ピ――ッ!」いうすごい高音の耳鳴りが起こったのです。以前の耳鳴りは、音も弱く、ときどき起こる程度でしたが、今回は、それこそ朝から晩まで止みません。常に、高音の音が鳴り続けていました。眠るときにも甲高い音がするので、気になってろくに眠れません。
ここまでひどい耳鳴りは、生まれて初めてのことでした。
前の週にかかった耳鼻科が休診だったので、大きな病院で精密検査を受けました。しかし、その結果でも、聴力は落ちておらず、特に悪い部分は一つも見つからなかったのです。
担当の先生によれば、「ひょっとしたら、ストレスが原因の耳鳴りかもしれない」とのこと。私はほかにも病気を抱えているので、そうした指摘はもっともだと思いました。
ただ、そうわかったからといって、耳鳴りが楽になるわけでもありません。唯一よかったのは、病院で処方された漢方薬のおかげで、朝から晩まで耳鳴りがしている状態が、ほんの少しだけ改善したことです。それでも、非常につらい状態であることは間違いありません。
夜は、カチカチと音をたてる時計を右耳にぴったり当てて寝ていました。こうでもしないと、耳鳴りがひどくて一睡もできないからです。昼間は、仕事が忙しいときは、仕事に集中してなんとかやり過ごすことができます。
しかし、手が空いて時間ができると、耳鳴りに悩まされるのです。このまま、これほどひどい耳鳴りがずっと続くなら、人生がメチャクチャになってしまいます。私は、ほんとうに絶望しかけていました。
耳鳴りがだんだん弱まり今はほとんど起こらない
そんなあるとき、立ち寄ったスーパーに『壮快』が置いてありました。ちょうど、耳鳴りについての特集が載っていたので、早速購入し、いろいろな健康法を試し始めたのです。
まずは、水飲みです。これは文字どおり、頻繁に水分補給を行うという健康法です。そこで私は、毎日、朝昼晩に少なくともコップ1杯ずつ、できればそれ以上の量の水を飲むように心がけました。
私は、以前からコーヒーが好きでよく飲んでいました。しかし、コーヒーは利尿作用があって、体内の水を排出してしまうというのです。そこで、コーヒーは控えめにして、かわりに水を飲むようにしました。
ほかには、とにかく耳たぶをもんだりさすったりすることをくり返すようにしました。
実際に耳鳴りが始まると、すぐに両手で耳をマッサージするのです。そうしている間は、音がピタリと止まりましたが、手を離すとまた耳鳴りがします。根本的な解決にはなりませんでしたが、応急措置としては役に立ちました。
内心、ほんとうに水を飲んだだけで耳鳴りが止まるのかしら、と思いながらも、私は毎日しっかり水を飲み続けたのです。
すると、あれほどひどかった高音の耳鳴りが、だんだんと弱まってきました。そして、今ではほとんど起こらなくなったのです!
とはいえ、極端に寒い日や、夏場の冷房で体が冷えると、耳鳴りが起こることがあります。また、私はもともと花粉症ですが、これで鼻がつまると、耳鳴りが起こります。
こうした耳鳴りは、最初に悩まされた耳鳴りとは、比べものにならないレベルです。きちんと水飲みを続けたうえで、体を冷やさないようにすれば問題ありません。
水飲みやマッサージのおかげで、耳鳴りに苦しむこともなくなりました。今ではほんとうにありがたいと感じています。
耳鳴り、めまいに効く!水飲み療法のやり方
利尿剤と同等の効果でリンパ液の循環を促す(アクア鍼灸療法一掌堂治療院院長 藤井德治)
耳鳴り、難聴、めまいはメニエール病の代表的な症状です。耳の中のリンパ液の流れが滞ることが主な原因です。
通常、内耳にある蝸牛という器官では、常にリンパ液が循環し、一定量で保たれています。しかし、この流れが滞ると、耳の中のリンパ液が溜まり、内リンパ水腫などを発症して、難聴や耳鳴りを引き起こすのです。
私の治療院では、耳鳴りやめまいの患者さんに対しては、鍼灸療法と併せて、大量に水を飲む「水飲み療法」をお勧めしています。水飲み療法は、病院で処方される利尿剤と同等の効果が得られますし、副作用の心配がありません。耳鳴りや難聴は、早期治療が鉄則なので、すぐに実践しましょう。
❶3日間、毎日1Lの水を飲む。
❷むくみや体調不良がなければ、毎日飲む水の量を1.5Lに増やし、さらに3日間飲み続ける。
❸問題がなければ、飲む量を2Lに増やしてさらに3日間続ける。
❹これで問題なければ、以後、毎日2を飲み続けるようにする。
【注意点】
◎水は、水道水でもミネラルウォーターでもよい。寒い時期は、白湯を飲む。
◎お茶やジュース、みそ汁などは含めず、あくまでも水だけで計量する。
◎一度に大量に飲まず、少量ずつ飲むようにする。
◎腎臓、心臓、肝臓に疾患がある人は行わないこと。
◎就寝する2時間前までに、その日の分を飲み切るようにする。