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【ガムでトレーニング】耳鳴りやめまいの原因になる「片側で噛む癖」を治す方法

【ガムでトレーニング】耳鳴りやめまいの原因になる「片側で噛む癖」を治す方法

噛み合わせがズレたままの顎で食べ物を噛むたび、衝撃が耳に伝わります。それがくり返される結果、噛みグセのある側に耳鳴りや難聴が起こるようになるのです。こうした状態が悪化すれば、内耳の三半規管にも悪影響を及ぼし、めまいも起こってきます。【解説】玉川秀泰(永覚歯科クリニック院長・日本生体咬合研究所副所長)

解説者のプロフィール

玉川秀泰(たまがわ・ひでやす)
●永覚歯科クリニック
愛知県豊田市永覚新町1-49-1
0565-27-9711
https://www.ekaku-shika.com/

永覚歯科クリニック院長・日本生体咬合研究所副所長。
愛知学院大学歯学部 卒業。日本全身咬合学会認定医・指導医。日本頭痛学会会員。

ほとんどの人が片方の歯で食べ物を噛んでいる

 私のクリニックでは、顎関節症や噛み合わせの治療に来た患者さんに、歯に関係しない健康状態も必ず確認します。例えば、耳鳴り、めまい、難聴といった耳に関する症状のほか、頭痛や腰痛など、さまざまな不定愁訴についてお聞きします。

 というのも、噛み合わせの状態と耳鳴りやめまいは、密接に関係しているからです。耳鼻咽喉科に長期間通って治療を受けても、いっこうに症状が改善しないケースが多くあります。そうした患者さんが、噛み合わせを治すと、耳鳴りやめまいがピタリと止まることは、決して珍しくありません。

 では、なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。
 皆さんは、食事のとき、「両方の歯で食べ物を噛んでいる」つもりでいるでしょう。しかし実際は、片方の歯で噛むクセがついている人がほとんどです。

 右側の歯でばかり噛んでいると、右側の筋肉だけ使われて発達します。筋肉は、鍛えると太く短くなる性質があるため、下顎は右側に引っ張られます。
 一方、左側は使われないため、筋力が弱って歯が伸びてきます。すると、噛みにくくなるので、ますます右側でばかり噛むようになります。

 その結果、下顎はさらに右側に引っ張られ、顎のズレが大きくなっていきます。これが、耳に悪影響を及ぼすのです。

 耳は、外耳・中耳・内耳という三つの部分で構成されています。外耳から入ってきた音が鼓膜を振るわせると、その鼓膜の振動は、中耳にある耳小骨という骨を介して増幅され、内耳へと伝えられます。

 耳小骨は、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨という三つの小さな骨が連なってできています。実は、この骨と下顎が、「ツチ骨下顎靱帯」でつながっています。下顎にズレが生じると、その影響が直接、耳にも及んでくるのです。

 噛み合わせがズレたままの顎で食べ物を噛むたび、衝撃が耳に伝わります。それがくり返される結果、噛みグセのある側に耳鳴りや難聴が起こるようになるのです。こうした状態が悪化すれば、内耳の三半規管にも悪影響を及ぼし、めまいも起こってきます。

めまいが消えた!耳鳴りが1週間で消失

 長期間にわたり耳鳴りやめまい、難聴が改善しないという場合、ぜひとも、噛み合わせの矯正に取り組んでください。
 耳鼻科でいくら対症療法的な治療をしても、噛み合わせを改善しないかぎり、根治には至らないからです。噛み合わせが正しくなり、左右の歯で均等に物を噛めるようになるにつれて、耳に関する疾患が解消していくのです。

 最も重要なのは、「左右の両噛みでバランスよく噛む習慣をつけること」です。先ほどもお話ししたように、実際に左右両方の歯でバランスよく噛むことができている人は、ほとんどいません。
 だからこそ、耳鳴りやめまいに悩んでいる人は、きちんと意識を持って、次にご紹介する「両側同時咀嚼法」を身につけてほしいのです。

①食べ物を口の中で二つに分ける
②食べ物を両方の奥歯で噛む
③意識してくり返す


 これを毎日練習して、身につけてください。食べ始めのときにはできていても、食事が進むうち、無意識に口を動かすようになり、いつも噛みやすいほうで噛み始めてしまいます。できる範囲でけっこうですから、なるべく意識して左右両方で噛みましょう。

 また、左右両方の歯でバランスよく噛む訓練法として、ガムを用いる方法があります。
 これは、粒状のガムを二つ口の中に入れ、左右の奥歯でそれぞれ噛み、両噛みの練習をするものです。
 この場合、力強く噛み締めてはいけません。あくまでも、両方の奥歯をバランスよく使う練習として行いましょう。

両噛みの練習には、粒状のガムを用いるとよい。左右の奥歯で1つずつ噛むようにする。

 最後に、噛み合わせで耳の症状が改善した症例をご紹介します。

 Aさん(28歳・女性)は、2年ほど前からめまいに悩まされていました。同じころから、顎のズレがしだいに悪化。ついに顎がキシキシと鳴るようになり、来院されました。
 噛み合わせの調整を行ったところ、顎がズレなくなり異音も解消しました。すると、その数週間後には、Aさんのめまいは、全く起こらなくなったのです。

 また、Yさん(76歳・男性)は、3年ほど前、すぐ近くで車のクラクションを鳴らされたことをきっかけに、右耳の耳鳴りに悩まされるようになりました。
 耳鼻科では異常なしとの診断でしたが、それ以降も耳鳴りが持続。特に、天気が悪くなると「キーン」という耳鳴りがひどくなるといいます。
 Yさんが当院を初めて受診されたのは、つい1週間前でした。早速、噛み合わせの矯正を行ったところ、このわずかな期間で耳鳴りが起こらなくなったのです。

 長年、耳鳴りやめまいに悩んでいる皆さんは、噛み合わせの不具合が起こっていないかどうか、ぜひ一度、歯科で調べてみてください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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