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原因不明のめまい・耳鳴りの対処法 簡単にできる「首ほぐし」のやり方

原因不明のめまい・耳鳴りの対処法 簡単にできる「首ほぐし」のやり方

胸鎖乳突筋をはじめとする首の筋肉が、カチコチにかたくなると、リンパ液の流れが悪くなります。リンパ液の流れが悪くなると、内耳の中に溜まってしまい、むくみが生じます。内耳がむくんで起こる代表的な病気が、メニエール病であり、「内リンパ水腫」ともいいます。【解説】古賀直樹(中野坂上治療院院長)

解説者のプロフィール

古賀直樹(こが・なおき)
中野坂上治療院院長。鍼灸師。

●中野坂上治療院
東京都中野区本町1-32-24 ライオンズマンション10階1号室
03-3370-1636
https://www.nakanosakaueseitai.com/

原因不明のめまいに共通するのが首のコリ

めまいには、さまざまな原因があります。脳や耳の機能障害や、高血圧や貧血、ストレス、気圧の変化によっても起こることがあります。
しかも、やっかいなのは、耳鼻咽喉科を受診しても、めまいの原因を特定できないことが非常に多いことです。

何軒もの病院を巡ってもめまいがよくならず、困り果てたたくさんの患者さんが、私の治療院に来られます。そして、原因不明のめまいに悩むかたに共通する特徴が、「首のコリ」です。

首の横には、斜めに走っている胸鎖乳突筋という大きな筋肉があります。めまいのかたは、この筋肉が特に硬直しています。そして、ここを触っただけで、激しい痛みを覚えがちです。

胸鎖乳突筋をはじめとする首の筋肉が、カチコチにかたくなると、リンパ液の流れが悪くなります。
リンパ液の流れが悪くなると、内耳の中に溜まってしまい、むくみが生じます。

内耳は、耳のいちばん奥にある部位で、音の振動を電気信号に変えて脳に伝える蝸牛や、平衡感覚をつかさどる三半規管、前庭などがあります。
内耳がむくんで起こる代表的な病気が、メニエール病(めまいや吐き気の発作がくり返し起こる病気で、一般的には耳鳴りや難聴を伴う)であり、「内リンパ水腫」ともいいます。
リンパ液が溜まって内耳がむくむと、耳がふさがれた状態になり、平衡感覚に障害が生じて、めまいが起こるのです。

また、首にコリが生じると、当然血流も悪くなります。椎骨動脈や頸動脈(ともに首の動脈)が圧迫されるので、脳への血流が妨げられ、これも内耳のむくみの原因となるのです。
こうしたリンパ液の循環や血流の悪化で、むくみが生じて、めまいが起こると考えられます。ですから、めまいを改善するためには、首のコリをほぐすことが重要なのです。

内耳が本来の機能を取り戻しめまい解消

では、めまいに悩んでおられるかたにお勧めしている首の刺激法をご紹介します。それが、「首ほぐし」です。やり方は簡単です。硬直した胸鎖乳突筋を刺激すればいいのです。

首の横、胸鎖乳突筋の上に、両手の人差し指、中指、薬指、小指の4本を当てます。そして、指の腹を押し当てたまま、前方へスライドさせて刺激します。刺激にかける時間は、1回3分程度です。その間何度も行いましょう。これを毎日くり返してください。

首ほぐしを根気よく続けていくと首のコリがほぐれて、リンパ液や血液の流れがよくなります。その結果、内耳が健全な状態になって本来の機能を取り戻し、めまいがしだいによくなっていくのです。

また、首がこることで、耳鳴りが起こることがあります。めまいと同様に、原因がわからない耳鳴りに悩んでおられるかたも、ぜひこの首ほぐしを試してください。

ちなみに、脳内に障害が生じたときにも、めまいが起こることがあります。こうしたケースでは、めまいのほかに、吐き気、手足のしびれ、ろれつが回らないといった症状が伴います。併発症状があり、怪しいと思ったら、直ちに医師の診察を受けることをお勧めします。

いつでも簡単にできる首ほぐしを役立てて、めまいや耳鳴りと無縁の生活を送りましょう。

コリをほぐしてめまいを撃退!「首ほぐし」のやり方

首の横にある、胸鎖乳突筋の上に、両手の人差し指、中指、薬指、小指を当てる。指の腹を押し当てたまま、前方へスライドさせて刺激してほぐす。1回3分程度何回も行う。これを毎日くり返す。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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