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【大谷翔平選手は手術へ】野球少年の痛み 4割がひじに集中 野球肘はなぜ起こる?

【大谷翔平選手は手術へ】野球少年の痛み 4割がひじに集中 野球肘はなぜ起こる?

野球肘は予防が第一。もし、野球肘になっても、早く発見し適切な対策を行えば、早期復帰につながり、野球を諦める必要もありません。野球が大好きな子どもたち、野球をしているお子さんを持つ保護者の方々、少年野球の指導者の方々に、この記事をぜひ読んでいただきたいと思います。【構成】ケンカツ!編集部


大谷翔平選手やダルビッシュ有選手、田中将大選手など、日本の野球選手がアメリカのメジャーリーグで大活躍し連日テレビを賑わせていますが、「ケガ」に関するニュースも、それと同じくらい報道されています。

「ピッチャーのケガ」というと、真っ先に挙げられるのが、肘(ひじ)の故障です。
野球選手(投手)にとって肘の故障は、いわば宿命と呼ばれるほど、切っても切れない関係なのです。

今回は、大人の肘の故障にもつながる、少年期の「野球肘」にテーマを絞って、その対策をご紹介します。

野球肘は、小学生から中学生にかけての時期に特に多く、重症化すると高校生や大学生になっても後遺症が残る危険のある、運動疾患の一つです。

野球肘とはどんなものか、その予防法や対策はあるのか。新潟リハビリテーション病院院長で、日本体育協会公認スポーツドクター、野球障害ケア新潟ネットワーク代表を務める、山本智章先生に解説をしていただきました。

「ひじを壊す」とは、どのような状態を指すのか

少年野球で【肩・肘を壊す】原因~子供と大人の骨の違い

スポーツ整形外科の外来には、ケガや故障の種類や程度もさまざまなスポーツ選手が受診に訪れますが、特に多いのが、小中学生の野球少年だと山本智章先生は言います。

「ケガの程度が軽い子は、休養や治療、リハビリを経て『もう投げても大丈夫』と言うと弾けるような笑顔を見せますが、すでに野球肘が進行し、数ヶ月の休養では改善しない状態になって初めて受診する子もいます。そんなケースの場合は、長期間の休養を宣告しなければならず、最悪、手術を勧める場合もあります。このような宣告をされた子は、肩をがっくりと落とし、唇を噛み締め、泣き出す子も少なくありません。同席している保護者の思いはいかばかりでしょうか」(山本智章先生)

野球を楽しみ、未来を夢見る少年たちが、実力のあるなしではなく、10歳そこそこでケガのために夢を諦めなくてはならないとしたら、なんと悲しいことでしょうか。
ここでは、まずは「肘を壊す」とは何かというポイントから、山本智章先生に解説してもらいましょう。

なぜ、少年野球は「肘」を痛めるのか


なぜ少年野球の選手は肘を痛めるのか

山本智章先生が、学童野球546名に行った調査(2007年)によると、「体のどこかに痛いところがありますか?」と尋ねた問診で、なんと「痛みあり」と答えた児童が、290名(53%)もいたということです。

「体のどこが痛いか」を尋ねると、116名(24%)が肘、108名(22%)が肩でした。
肘に痛みを感じている児童は、痛みを感じている児童の約4割にのぼります。
しかも、そのうちのほとんどの児童は、指導者や保護者に、そのことを伝えているケースは少ないそうです。

なぜ、こんなに多くの児童は、肘を痛めるのでしょう。その原因は「投げすぎ」にあると山本先生は指摘します。
詳しくは、 以下の山本智章先生の解説をご覧ください。

野球肘は、大きく分けて2種類ある

【野球肘】内側型野球ひじ・外側型野球ひじの特徴と治療法

一般に、ピッチャーが投球を行い、肘に痛みが出た場合を「野球肘」と呼びますが、実際の診断はもっと範囲が広く、野球で行う投球(キャッチボールも含む)で痛みが出る場合は、すべて野球肘と診断されます。

その種類ですが、大きく分けて、二種類の野球肘があります。

一つは、肘の内側に発生する「内側型野球肘」です。
もう一つは、肘の外側に発生する「外側型野球肘」です。

「内側型は、早期発見して肘を休めることで、痛みが改善するケースが多いですが、外側型は、自覚症状があまりないため、重症化しやすい傾向にあります」(山本智章先生)

以下の記事では、実際のレントゲン写真などを見て、その違いを詳しく説明しています。タイプの違いを理解して、正しいケアを行ってください。

簡単「セルフチェック法」で野球肘を見つける

【野球肘のセルフチェック法】医療機関へのかかり方について

子供は、たとえ肘に痛みを感じていても、「大好きな野球をやりたい」「休むとレギュラーから外されてしまう」「もっと投げて上手になりたい」という思いから、保護者や指導者に痛みを告白することは、あまりないそうです。
また、痛みに関しても、「どこがどんなふうに痛いのか」をうまく表現できない子供がほとんどだと山本智章先生は言います。

野球肘は、早期発見が鉄則です。

以下の方法は、肘の関節をチェックする方法です。
毎日行う必要はありませんが、1~2ヶ月に一回程度、子供に実践してもらい、野球肘の早期発見に努めましょう。

野球肘をケアするためのストレッチ法

野球肘を予防・改善するストレッチのやり方

野球肘の予防や改善には、「体の柔軟性」がとても重要です。日頃からストレッチを行い、柔軟性を養う必要があります。
野球の試合があった日はもちろん、平日の休養日など、できれば毎日行うとよいでしょう。

ここでは、山本智章先生が監修した、野球肘のケアができるストレッチ法を、部位別にさまざまな角度から紹介します。

「お子さんをよく見てあげてください、彼らは、痛くてもそのことを言えなかったり、どれくらいの痛みがあるのかが分からなかったりします。ひじに手をやる、ひじを動かして首をひねるなど、日常のちょっとした行動で彼らはサインを送っています」と山本智章先生は指摘します。

より多くの子供たちが、笑顔で野球を続けるように願っています。

解説者のプロフィール

山本智章(やまもと・のりあき)
1959年、長野市生まれ。76年、長野県屋代高校入学と同時に野球班に所属。79年、新潟大学医学部入学。準硬式野球部に入部。85年、新潟大学整形外科入局。93年、米国ユタ大学骨代謝研究室。2001年、新潟リハビリテーション病院整形外科勤務。10年、同病院院長。日本体育協会公認スポーツドクター、新潟アルビレックスベースボールクラブチームドクター、新潟市野球連盟副会長、新潟市少年硬式野球連盟医事顧問、野球障害ケア新潟ネットワーク代表。著書に『「野球ひじ」を治す・防ぐ・鍛える』(マキノ出版)がある。

●新潟リハビリテーション病院のHP
http://www.niigata-reha.jp/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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