高音域がよく聞き取れるようになった
私は若いころ、体があまり丈夫ではありませんでした。そのため、自然と健康に関心を持つようになり、現在は、仕事の傍ら、薬膳料理の研究をしています。また、健康に関する勉強会やセミナーにも積極的に出向くようにしています。
鍼灸師の松岡佳余子先生のセミナーにも、何度か参加しています。2ヵ月ほど前のセミナーでは、「耳の穴もみ」というセルフケアを教わりました。「耳には全身の調子を整える効果がある」とのことでした。
そして、これが思った以上の効果で、驚いています。
実をいうと私は、10年以上前から耳鳴りに悩まされてきました。最初はかすかな音だったのですが、しだいに大きくなり、最近では眠れない日もあるほど、ひどくなっていたのです。
私の耳鳴りは、セミの鳴き声のようにジージーとした音です。ただし、それは1匹2匹ではありません。100匹くらいが一斉に鳴くように、耳の奥で反響します。
そんな大音響の耳鳴りが、耳の穴もみを始めて10日めくらいから、音が少し小さくなってきたのです。
最近では、耳鳴りの音が半減して、セミ50匹くらいに感じます。調子のいいときは20匹くらいなので、それほど気になりません。かなり改善しました。
耳鳴りが軽減したと同時に、聴力も向上してきました。
2〜3年前からでしょうか。テレビを見ていると、家族から「音が大きい」といわれることが増えました。耳の聞こえが悪くなっていたのでしょう。
それ以来、スマートフォンのアプリを使って、自分で聴力を頻繁に確認しています。それによると、最近は以前に比べ、高音域がよく聞き取れているようです。実際、家族にテレビの音量を注意されなくなりました。

自然と6kgもやせて妻は血圧が正常化
劇的な効果のある耳の穴もみですが、やり方は拍子抜けするほど簡単です。
左右の耳に、それぞれ手の親指を入れて、穴を押し広げるようにしてもみます。次に、小指を入れてもむのです。
すると、どこかしら必ず、ズーンと痛む場所があります。そこを重点的に押しもみします。耳の穴をもんだあとは、耳のつけ根を持って、後ろへ引っ張るように回します。全部で5分もかかりません。
朝食前に耳の穴もみをすると、眠気が覚めて、まぶたの重みも取れ、頭も顔もスッとします。耳の穴もみをしたあとは、目が大きくなって、生気がみなぎっています。
不思議なことに、過食もしなくなりました。
私は食べることが大好きで、つい食べ過ぎて後悔することがよくありました。それが今は、特に意識しなくても、腹八分目で満足できるのです。
また、毎晩夕食は遅い時間になるので、仕事の合間にビスケットや菓子パンを間食にしていました。それが最近は、せんべい1枚でじゅうぶんになりました。
おかげで、たった2ヵ月半の間に6㎏も減量しました。
耳の穴もみを始めて2週間ほど経ったころ、ズボンが緩いことに気づき、体重を量ったら2.5㎏も減っていたのです。その後はおもしろくなって、毎日体重計に乗っていますが、2日で100gくらいのペースでやせていきました。90.1㎏だった体重が84.1㎏(身長180㎝)になり、先日、久しぶりに会った知人に「顔が小さくなった」といわれました。きつかったスーツのジャケットにゆとりが出て、今は楽に着こなせます。ズボンが落ちないように、ベルトの穴を二つずらしていますが、買い換えようと思っています。
耳の穴もみをいっしょに行っている妻は、血圧が下がりました。最大血圧が160㎜Hgだったのが、1週間めくらいから下がってきて、今は130㎜Hgくらいとのこと(最大血圧の基準値は140㎜Hg未満)。薬は飲んでいないので、明らかに耳の穴もみの効果です。
耳の穴もみをすると、ストレスや心のもやもやが晴れます。仕事中イライラしたときに耳の穴もみをすると、気持ちが鎮まる気がします。その結果、仕事がスムーズに進むという好循環に入るのです。妻の血圧が下がったのも、そういう理由かもしれません。

テレビの音量を上げなくても大丈夫
耳の周辺にあるツボを効率的に刺激できる(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師 松岡佳余子)
耳鳴りが長期間続くと、耳の内部組織が変形することがあります。そうなると、耳の穴もみで症状を改善するのは難しくなります。市川さんは、組織が変形する前だったので、早く効果が現れたのでしょう。また、高齢者の場合、耳鳴りから難聴になることがあります。耳鳴りを軽度の段階で治しておけば、難聴の予防にもなるのです。
私のセミナーでは、参加者の耳の聞こえを測ります。ほとんどの人は耳の穴もみのあと、聴力がアップします。
耳の周辺には、食欲を抑えたり血圧を下げたりするツボもあります。耳の穴もみは、それらのツボを効率的に刺激できるので、耳の症状以外の改善にもお勧めです。