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風邪によるめまい・ふらふらめまいを治すには「首の後ろを温める」といい!

風邪によるめまい・ふらふらめまいを治すには「首の後ろを温める」といい!

首の後ろを温めると上咽頭の血行がよくなり、うっ血状態が改善します。浮動性めまいの場合、上咽頭のうっ血が解消するだけで、症状が軽快するケースが少なくありません。首の後ろを温めて上咽頭の血流が改善されると、この部位のリンパの流れがよくなり、脳の老廃物がスムーズに排出されます。【解説】堀田修(堀田修クリニック(HOC)院長)

解説者のプロフィール

堀田修(ほった・おさむ)
●堀田修クリニック
宮城県仙台市若林区六丁の目南町2番39号
022-390-6033
http://hoc.ne.jp/

堀田修クリニック(HOC)院長。
1983年、防衛医科大学校卒業。仙台社会保険病院腎センター長などを経て、2011年、堀田修クリニック(HOC)を開設。日本腎臓学会学術評議員。1988年、IgA腎症の根治治療として扁摘パルス療法を考案。同治療の普及活動と臨床データの集積を続ける。『つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい』(あさ出版)など著書多数。

首の後ろを温めて鼻の奥の血流を促進!

「頭がフラフラする」「スポンジの上を歩いているように体がフワフワする」。こうした症状を一般に「浮動性めまい」といい、視界がグルグル回る「回転性めまい」とは区別しています。
 私のクリニックは内科ですが、浮動性めまいを訴える患者さんも多く見えます。耳鼻科や脳神経外科を受診しても異常が見つからず、薬を飲んでもよくならない、というかたがたです。

 私はそうした患者さんに、「上咽頭擦過療法(EAT)」という治療をします。これは、上咽頭という部位に、殺菌作用のある塩化亜鉛溶液を浸した綿棒をこすりつける治療法です。
 上咽頭とは、左右の鼻の穴が合流するところから、口蓋垂(のどちんこ)の奥辺りまでの、空気の通り道です。ここが、慢性的に炎症を起こしている状態を慢性上咽頭炎といい、さまざざまな不調の原因になると考えられています。

 実際、原因不明の浮動性めまいを訴える患者さんのほとんどは、上咽頭に炎症やうっ血があります。ですから、綿棒でこするだけで、強い痛みを感じ、出血するのです。
 痛い治療ですが、よく効きます。症状によっては、1回で効果を実感できるでしょう。

 とはいえ慢性上咽頭炎を治療する医療機関はまだ多くはありませんし、「痛いのは嫌」というかたもいるでしょう。そこで今回は、慢性上咽頭炎を自分で治す方法をご紹介します。

 慢性上咽頭炎のセルフケアはいくつかありますが、浮動性めまいのかたに最もお勧めなのは、「首湯たんぽ」です。

首の後ろを温めると、上咽頭の血行がよくなり、うっ血状態が改善します。浮動性めまいの場合、上咽頭のうっ血が解消するだけで、症状が軽快するケースが少なくありません。

首の後ろを温めるには、やわらかい素材でできた湯たんぽがお勧めです。湯たんぽにお湯を注ぎ、専用のカバーをかけたり、タオルで包んだりして、首の後ろに当てます。1日1回30分~1時間、首を温めましょう。それ以上温めてもいいですが、低温ヤケドには注意してください。

暑い季節になると、首を冷やす人がいます。確かに気持ちのいいものですが、確実に体調不良につながります。夏場の体調不良は、暑さよりも、冷房などによって首が冷え、上咽頭がうっ血することが原因である場合が多いのです。
 額や首の前を冷やすのはかまいませんが、首の後ろは冷やさないでください。冷房の効いた部屋では、首にストールを巻くなど、工夫をしましょう。

首の後ろを温めると、上咽頭の血行がよくなる

不眠・倦怠感が改善し、記憶力・暗記力がアップ

 なぜ、上咽頭の血行をよくすると、めまいが改善するのでしょうか。

 私たちの体には、老廃物を運ぶ脈管として、リンパ管が全身に張り巡らされています。咽頭は、脳から排出された老廃物が運搬されるリンパ管の重要な通り道です。ですから、上咽頭が冷えて血流が停滞すると、リンパの流れにも障害が起こります。老廃物の排出が停滞して、脳の掃除ができないイメージです。

 首の後ろを温めて上咽頭の血流が改善されると、この部位のリンパの流れがよくなり、脳の老廃物がスムーズに排出されて、脳細胞の機能回復につながると考えられます。

 脳の老廃物排出機能が正常に働くようになると、視床下部や大脳辺縁系の働きが回復します。具体的には、めまいや不眠、頭痛、全身倦怠感などが、改善する例が多く見られます。

 以前、私の患者さんで、めまいと頭痛、全身倦怠感のため、ほとんど登校できない中学生がいました。彼女は、慢性上咽頭炎の改善とともに、めまいや頭痛が起こらなくなり、登校できる日が増えました。同時に、暗記力が格段にアップし、短期間の受験勉強で第1志望の高校に合格したのです。それまで低下していた、記憶をつかさどる海馬という部位の機能が、回復したためと考えられます。

 慢性上咽頭炎かどうかは、病院で調べるのが確実ですが、自分で調べることもできます。耳の下の筋肉を、手の人差し指・中指・薬指の3本で触って痛みがあったら、上咽頭に炎症やうっ血がある可能性が高いでしょう。

 また、「カゼをひいたあと、フワフワするめまいが続く」という人も、慢性上咽頭炎の可能性があります。病院を受診しても原因がわからず、めまいが長期間続いている人は、首の後ろを温めるセルフケアを試してください。

慢性上咽頭炎を治す「首湯たんぽ」のやり方

❶やわらかい素材の湯たんぽに湯を入れる。

❷カバーやタオルで包み、首の後ろに当てる。
 1日1回30分~1時間、首を温める。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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