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内臓下垂をマッサージで解消 おなかをタオルでほぐす「へそ按腹法」のやり方

内臓下垂をマッサージで解消 おなかをタオルでほぐす「へそ按腹法」のやり方

内臓が下垂すると、下がった内臓に引っ張られて姿勢が悪くなり下腹もポッコリ出ます。内臓の機能が著しく低下し万病のもとになります。私は、おなかにこそ、病気の根っこがあると考えています。誰でも、簡単に、効果的にセルフケアができるよう確立したのが、今回ご紹介する「おなかこすり」です。【解説】杉山平熙(すぎやま按腹鍼灸院院長)

解説者のプロフィール

杉山平熙(すぎやま・たいき)
●すぎやま按腹鍼灸院
東京都中央区日本橋人形町3-5-2 ルート人形町ビル1階
03-6206-2666
http://heso-anpuku.com/

すぎやま按腹鍼灸院院長。鍼灸師。
日本の伝統医療である「按腹」と「打鍼法」の思想と技術を融合させた「へそ按腹法」を考案。全国から難病の患者さんがひっきりなしに訪れている。「自分で病気を癒すこと」が大切としたへそ按腹法を確立し「お孫さんにもやってあげてください」と、セルフケアのやり方も指導している。そのほか、韓国やイタリア、ハワイ、ベナンなどからの研修生への指導や、アフリカなど医療の行き届いていない地域に広める活動にも取り組む。著書『お腹のしこりが万病の原因だった!』(コスモ21)が好評発売中。 

生命力は内臓が元気かどうかで決まる

 日本には昔から「腹の文化」が根付いていました。「腹を割って話す」「腹黒い」など、おなかにまつわる言葉が多いのも、その表れです。

 日本の伝統医術も、おなかを重視してきました。おなかで治療する「按腹」は日本で誕生したものですし、安土桃山から江戸時代前期にかけて活躍した治療家、御園夢分斎はおなかの反射区(全身の臓器や期間に対応する部位)を表した「臓腑の図」を残しています。

 生活を維持するために働いているのが脳だとしたら、生命を維持するために働いているのが内臓(=おなか)です。
 つまり、生命力は内臓(おなか)が元気に働いているかどうかにかかっています。

 私の治療は、全身のどこが悪くても、おなかにしか鍼を打ちません。鍼の数も、ほんの数本です。それでも全身の症状がよくなるのは、おなかにこそ、病気の根っこがあるからです。
 私がこうしたおなかの重要性に気づいたのは、実は、私自身の不調がきっかけでした。

原因不明の病がおなかを軟らかくしたら治った

 今から十数年前のことです。当時、一人でも多くの患者さんを病から救いたいと、私は朝から晩まで治療に明け暮れていました。そんな状態が続いたある日、図らずも私自身が倒れてしまったのです。

 激しいめまいと動悸に襲われ、手足が震えて立っていることもできません。病院に搬送され、精密検査を受けましたが、原因も病名もわかりませんでした。病院では治療がなく、体は衰えていく一方です。
 命の危険さえ感じていたある日、おなかの異変に気がつきました。ヘソの辺りが異常に硬く、盛り上がっていたのです。

 そのとき、幼い頃から聞いていた「おなかを大切にしなさい」という親の言葉が、突如、よみがえりました。
 そこで私は、おなかの硬いしこりを鍼やマッサージで一生懸命ほぐしました。すると、それまでの症状がすっかりよくなっていったのです。

 この経験をもとに研究を重ね、試行錯誤の末に、誰でも、簡単に、効果的にセルフケアができるよう確立したのが、今回ご紹介する「おなかこすり」(正式名称は「へそ按腹法」)です。
 おなかこすりにはいくつかの方法がありますが、今回は、内臓下垂を解消するやり方をご紹介します。

内臓が下垂すると万病のもとになる

 というのも、内臓が下垂すると、内臓の機能は著しく低下し、万病のもとになるからです。ではなぜ、内臓は下がるのでしょう。その原因を、東洋医学では二つ挙げています。

①胃と脾の気の低下
 胃と脾(脾臓)の気(生命エネルギー)は、その人の持つ生命力そのもので、エネルギーをつくる上で非常に大事なものです。胃と脾の気が不足すると、消化力、すなわち食べ物をエネルギーに変える力が衰え、臓器の下垂を招きます。

②肝の気の低下
 内臓を支えているのは筋肉です。その筋肉が衰えれば、当然内臓が下垂します。東洋医学では、筋肉の衰えは肝(肝臓)の気の低下によるとされます。
 肝は血液を貯蓄し、浄化して、全身に分配する臓器です。そのため、肝の働きが弱ると、筋肉に血液が届かなくなり、硬くなっていきます。

 ①②が原因で内臓が下垂すると、下がった内臓に引っ張られて姿勢が悪くなり、下腹もポッコリ出てきます。

 また鼠蹊部(足のつけ根)や下腹部が圧迫されるので、血行が悪くなり、腰や股関節、ひざの痛み、肩こり、頭痛、高血圧、頻尿などが起こります。

 血流が悪くなれば、下半身が冷えて、しびれやむくみも現れます。さらに背中から脳への神経の流れが悪くなるので、認知症にもなりやすくなります。

 おなかこすりでは、まず胃と脾にたまった老廃物を流すために、胃と脾に当たる反射区をよくこすって軟らかくします。

 次いで、肝の反射区をさすったりたたいたりして、血液の循環をよくします。
 こすったりたたいたりして刺激をすると、下垂した臓器が引き締まり、元の位置まで上がってきます(基本的なやり方は下記参照)。

 おなかこすりは、一日3回、朝昼晩に行います。ただし、飲酒後や、食後1時間は避けてください。また、がんのような進行性の病気の人、妊娠している人は注意が必要なので、独断では行わないでください。脳梗塞のある人は、症状のない側だけやってください。

「おなかこすり」のやり方

胃と脾に効く!肋骨の下こすり

❶洗顔タオルを2枚用意し、両手に巻きつける(なければ素手でもよい)。

❷みずおちに両手を当て、いちばん下にある肋骨の内側に沿って、わき腹へとこすり下ろす。

❸わき腹までいったら、またみずおちへと手を戻す。

※②~③を3分行う。おなかの皮膚が熱くなるとよい。

胃と肝に効く!ヘソ寄せ

❶洗顔タオルを2枚用意し、両手に巻きつける(なければ素手でもよい)。

❷ヘソの高さの腰部分に両手を当て、息をゆっくり吐きながら、両手をヘソへと寄せていく。おなかの肉が寄るように行う。

❸おなかが寄ったら、また腰へと手を戻す。

※②~③を3分行う。

肝に効く!わき腹こすり

❶タオルの両端を両手で握り、わき腹にタオルを当ててこする。

❷終わったら、反対側のわき腹も行う。

※手でこすってもよいし、服の上から行ってもよい。
※3分行う。

肝に効く!骨盤たたき

❶手をグーにして、足のつけ根から太もも近くをまんべんなくたたく。

❷お尻の側面、お尻の下辺りもまんべんなくたたく。

※①~②を3分行う。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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